部下の本音の探り方 | 【閉鎖】小規模企業経営のヒント~実体験&クライアント事例から発信します~

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株式会社エッジコネクション 代表取締役社長大村康雄のブログでしたが、現在は当社HPコラムコーナーにて執筆中

乗り手と馬が一体となって機動的に動いている様を人馬一体と言ったりしますが、

まさにこれと同じような感覚で上司と部下もシンクロしていないとチームとしての

パフォーマンスを最大値まで引き上げることはできません。

 

そのために重要なのは自分の部下の状態をきちんと把握し、それに応じて適切な

接し方をするということです。

 

ここで重要なのは、部下の顔色を伺うとか、ご機嫌を取るということではなく、例えば、

目標に向かって必死に頑張らせたい時、状態が良さそうであれば、頼むぞ!の一言で

良いでしょうが、なんとなくノッてない感じがするときは、こうこうこうすると目標達成

できるよ、というところまで説明しないといけない、という風にコミュニケーションの

スタイルを変えるということです。

 

コミュニケーションのスタイルをそのシチュエーションに適したものにすることで部下の

パフォーマンスが向上していくことが期待できます。

 

しかし、部下側としては自分の状態を可能な限り上司に知られたくはありません。

これは上司が好きとか嫌いとかいう問題ではなく、人としての防衛本能によるものです。

 

人間誰しも怠けたいときがあります。それを知られたら、めちゃくちゃ叱られるかもしれません。

またやる気になってるときもそれを知られて頼むぞ!なんて言われてしまうことで

プレッシャーがかかるかもしれません。

 

つまり、部下だけでなく、人間誰しもですが、自分の想定内の範疇で仕事をやっていたいのです。

 

では、そのような部下の防衛本能をかいくぐってどのように部下の状態を正確に

把握するのか。

 

答えは、部下にとって想定外のアプローチをするということです。

 

会議が終わった後に個別に呼び出す。

業後に、ごめん、少しだけ話せる?と電話する。

食事に連れ出す。

などなど

 

決められた朝礼や面談以外の部下にとって想定外のシチュエーションを作ることが大事です。

 

そういうとき、部下も事前の対策ができてませんから、素の状態が出やすくなります。

会議の後に個別に話すと色々アイディアが出てきて、お前さっき言えよ、となるのと

同じ状況です。

 

また、そのような想定外の状況を作ったら、もう一つ重要なのはしつこさです。

 

なんとなく表情が冴えない。

おっしゃってることはわかります。

頑張ってみます。

などなど

 

なんとなく煮え切らない、伝わってるかどうかわからないような応対を部下がすることは

よくあると思います。それを絶対に見逃してはなりません。その奥に部下の本音が潜んで

います。

 

ただ、頭ごなしに本音を話せと言っても相手も人間ですから意固地になることもあり、

逆効果の可能性もあります。

 

しつこくコミュニケーションをして本音を聞き出すには、上司側の心がフルオープンで

すべてを受け止める用意をしておく必要があります。

 

どんなことが部下の口から出てきても頭ごなしには否定しない

自分に非がある場合は謝罪する

味方になってあげないといけない場合は徹底的に味方になる

策を考えないといけない場合は一緒になって徹底的に考える

 

このようなマインドセットを先に上司が持つことで、それが部下にも伝わり、しつこくした結果

本音が出てきます。

 

私も面談や電話などで、表情や声色はめちゃくちゃ神経質に観察します。

少しでもスッキリしない雰囲気を感じたら迷うことなくツッコミ、本音を探ろうとします。

 

部下の本音を聞くと、色々聞きたくないことが出てきて面倒くさそうで逆に聞きたくないと

思うかもしれません。

ですが、本音がわからない状態が続けば続くほど、どんどん時限爆弾が膨らみ、

爆発したときには当初とは比べ物にならないくらい面倒くさい事態になっていることが

ほとんどです。

 

部下の表情や言葉使い、声色などの変化を感じたら、上司としてのマインドセットをつくり、

想定外のシチュエーションを作ってしつこく本音に迫る。

これを日頃から行い、時限爆弾の芽はこまめに摘んでおけば、人馬一体ならぬ

上司と部下がシンクロした強いチームができます。