順番の話は、だいたいあとになる
暖簾が、少しだけ早く揺れている。
風というより、人の出入りの気配に近い。
「ロク、今日さ、なんかそういう日らしいぞ」
クゥーが曖昧なことを言って、包みを持ち上げる。
葉っぱの匂いが、ふっと広がる。
「これ、取るの?」
足元から声がして、
そのまま、もう一口いっている。
ロクは見ない。
油の中だけを見ている。
「順番、あるだろ」
短く、それだけ。
クゥーは笑ってごまかす。
火は、ほんの少しだけ強い。
やがて、皿がひとつ置かれる。
音がして、
口の中が少し変わる。
「これ、交互にいくやつだな」
誰に言うでもなく、クゥーが言う。
その通りにして、
小さいのが、少しだけ真似する。
気づくと、葉っぱだけが残っている。
さっきまであった声も、もうない。
ロクが油を切る。
「まあ、うちはこんなもんです」
一拍おいて、
「お腹も心も、また明日で」
暖簾は、今は静かだ。
今日の注意書き
・葉っぱは残ることがあります(理由はそれぞれです)
・順番は、守っても守らなくてもいいものです
・また来れば、続きからになります