油は、今日も静かに揺れている。
ある日のこと。
常連さんが、ぽつりと言った。
「ドバイチョコ、揚げられます?」
店内が一瞬、静まる。
ロクが止まる。
クゥーの目が光る。
クゥー:
「揚げたら全部うまい。」
ロク:
「値段知ってる?」
ドバイチョコ。
ピスタチオとカダイフを包んだ、あの高級チョコ。
それを――油に沈める。
正気か。
いや、正気じゃない。
でも。
揚げ物は、ドラマが起きる。
第20皿目、開幕。
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■ 作戦会議
ロク:
「そのまま入れたら溶けるぞ。」
クゥー:
「溶けたらまた固まるやろ。」
ロク:
「チョコは揚げ戻らん。」
冷静に考える。
・常温 → 即崩壊
・冷凍 → 形キープ
・衣あり → 生存率UP
結論。
冷凍+薄衣作戦。
クゥー:
「セレブ、防具装着。」
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■ 揚げの儀
170℃。
油が静かに揺れる。
クゥー:
「セレブ、入湯。」
ジュワァァァ…
小さな泡が、セレブを包む。
ロク:
「割れるなよ…」
衣が、ゆっくり色づく。
まだ断面は見せない。
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■ 取り出し
見た目。
意外と――美しい。
ロク:
「…形、保ってるな。」
クゥー:
「ほらな。揚げは正義や。」
まだ、割らない。
今日は、守り切った姿を見せる。
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■ 実食(描写のみ)
ナイフは入れない。
外側は、軽くカリッ。
中は、ほんのり温かい。
セレブは、まだ秘密を抱えたまま。
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■ まとめ
・成功度:70%
・映え度:90%
・背徳度:120%
ドバイチョコは、揚げてもセレブか?
答えは――
少し庶民に寄った、無口なセレブ。
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油は、まだ冷めていません。
次に沈むのは、何ですか?
揚げてほしいもの、募集します。


