4皿目 少しだけ詰めすぎた日 ― 蓮根の落とし揚げ弁当 | 頑張れオンボロ食堂奮闘記 ― ロクとクゥーのまかない哲学 ―

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町はずれの少し古びたレトロカフェ食堂。木の温もりと柔らかい光に包まれ、落ち着いた大人向けの空間です。読書やひとり時間も楽しめ、厨房ではゆるい日常が流れています。

   

少しだけ、詰めすぎた。


夕方の光が、厨房に残っている。


油の匂いが、静かに抜けていく。


ロクは、鍋の油を見ている。


「チーズ入れたら、絶対うまいでしょ!」


クゥーが蓮根を落とす。

小さな泡が、揺れる。


少しだけ、色が深い。


「……まあ、いいか」


ロクが言う。

クゥーは笑っている。


胡麻をする音。

少し散らばる。


ロクが無言で拾う。


「胡麻も愛嬌だ」


玉子は、少し甘い。


「……入れすぎた?」


クゥーが聞く。


常連が言う。


「これくらいがいい」


ロクは何も言わない。


弁当箱に、順番に詰めていく。


蓮根。

玉子。

胡麻。

少しだけ遊び。


ご飯に、ごま塩。


クゥーが覗き込む。


「多くない?」


「……多いな」




蓋を閉じる。

音が、少しだけ遠くなる。


腹が減ったら、ふらっとでいい。


まあ、うちはこんなもんです。

お腹も心も、また明日で。




【本日の注意書き】

・詰めすぎると、だいたい重くなります

・焦げは少しだけ、味の一部です

・弁当は、だいたい欲張りです


次回 

5皿目:焼きナポリタン〜今日もゆるっと営業中〜