k.i.o景

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デザイナー・枝松 聖のブログです。

「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」に参加させていただいております。2199、星巡る方舟に続いての「乗艦」になります。よろしくお願いいたします。 <17.01.17>
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2018年も3日が過ぎました。「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第四章

「天命篇」も、もうすぐ上映開始です。

 

「メカニック作画協力」のお仕事も、いよいよシリーズの半分を突破すること

になります。3DCGではカバーしきれない部分の表現を作画で、というのは

「2199」と同様ではあるものの、その作業内容は、当時とはいささか別種。毎話

試行錯誤しながらも、どうにか航海を続けております。

 

原画担当、演出担当のかたの意図する「絵」になるようにしながら、「2199」から

の流れをくんだ表現になるようにしながら、設定画にあわせるよう修正をしなが

ら、必要であれば、設定画にはない、「2199」本編のカット単位で描かれていた

ディテールも手元のアーカイブを参考に追加しながら、秒数の長いカットには、

より力を入れながら、そのカットだけ変に突出しないようにしながら、羽原監督

作品らしい「いい感じ」になるようにしながら、3DCGのガイドが提示する

整合性とはまた別の「絵」としての正しさをチョイ足ししながら、原画担当の

かたが拾える線にしながら等々、書き出せばキリがないくらいに。

 

ここまで二話、五話、六話、七話、九話と、お手伝いをする機会をいただいて

きましたが、次なる第四章の「二式空間機動甲冑」の登場する場面では、ようやく、

ちょっと…良い感じになったかも?と、思える手応えがありました。試写会で、

こっそり(小さく)ガッツポーズするくらいには。

 

どうにかこうにかの果ての第四章「天命篇」、1月27日上映開始です。3DCGの

場面も作画の場面も、音楽からちょっとした言葉に至るまで、全篇通して熱量が

いっぱいの映像になっております。よろしければ劇場でご鑑賞いただけたら幸い

です。

 

「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」公式サイト

 

 

 

 

 

2018年になりました。

 

2017年は「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」「クロック

ワーク・プラネット」「sin 七つの大罪」「戦刻ナイトブラッ

ド」「劇場版はいからさんが通る」にてデザインのお手伝

いをさせていただきました。大正時代の人力車から、

歯車仕掛けのメカニック、九層構造の地獄世界の風景

まで、内容もいろいろでした(「ヤマト2202」ではメカニック

作画のお手伝いも大きなお仕事でした)。

 

オフィシャルサイト「Foliage」もOPEN。グラフィックデザイ

ナーの越阪部ワタルさんの強力な協力により、素敵なサイト

になりました。アニメの仕事の情報発信がメインですが、

こちらのブログをはじめ、各SNSを中継するターミナル的な

場ともなっております。よろしければ是非。

 

本年も、樹々を彩る枝葉(foliage)のようにアニメの世界を

カラフルにするお手伝いができれば幸いです。

 

オフィシャルサイト「Foliage」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第三章「純愛篇」を劇場で観てきました。

 

試写会でいちど観てはいたし、物語も知っている。仕事のスケジュールがわりとタイ

トでもある。それでも、もういちど大きなスクリーンで観たい!と、ずっと思ってい

ました。「ヤマト」シリーズへの思い入れがあるというのはもちろんのこと、アニメ

を仕事にする以前からの羽原監督の映像のファンでもあったので。

 

ファンであっても、仕事は仕事。それが、アニメの仕事を始めたときから決めていた

鉄則でした。「2202」でも、その鉄則は守られています。

 

絵コンテをいただいたとき「あっ監督の絵柄の古代のカットが追加されている…そう

か、セリフはなくとも一呼吸、古代の表情が入ることで、より感情移入しやすくなる!

そういえば、あの作品でもそうだったっけ。ちょっとDVDでチェックしようかしら」

とか思っても、落ち着いて。落ち着いて、作業が終わってからにして。

担当するカットの中に、監督直筆による参考ラフが入っているときでも、落ち着いて。

落ち着いて、落ち着いて、手が震えないようにスマートフォンで撮影して。

 

という感じに、仕事は仕事として、大人らしく必要な作業に徹するようにしているの

ですが…えぇと…だいたい徹しているのですが、試写会であったり劇場であったり、

ちょっと離れた距離から作品に触れることには、仕事とはまた別口の、子どものような

ワクワク感があるのです。

 

迷ったけれど、時間を作って臨んだ、二度目の大きなスクリーン。物語の鼓動の高まる

場面ではおおいに燃えて。それから、チョイチョイ入ってくる可愛らしい場面ではおぉ☆

と、萌えて。見終わるころにはとても胸が熱くなっていました。

 

人物と人物のあいだに流れる呼吸の間合いや、数瞬の絵と絵の合間に、前二章以上に

羽原監督の息吹を感じる第三章。やっぱりもういちど大きなスクリーンで観てきて、

よかった。

 

 

 

 

「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第三章「純愛篇」冒頭10分が11月

3日まで期間限定で公開中です。

 

こちらのパートでは人物の後ろに映り込む艦載機の描写をお手伝いしています。

「3DCG/3DCGに手描きタッチを追加したもの/全て作画に置き換えたもの」3種

をカットごとに使い分ける、という「2199」的なメカニック表現を試してみてい

ます。

 

じつは「2202」のここまでの担当話数では、艦載機の内側、コックピットまわり

の作業はあっても、外側である3DCGをどうにかする作業をする機会をいただく

ことはなかったので、これらのカットが手元に来て、けっこう驚いたのを覚えて

います。うわぁ「2199」っぽいなあ、と。

 

第三章の冒頭にあたる第七話の演出を担当されているのは、「2199」当時、制作

方面から作品を支えてくださっていたかた。あの頃いつも、静かに熱いお人柄に

元気をもらっていた恩返し…と、ならば、わかるはず!という気持ちで、当時ふう

の作業をお願いしてみました。

 

手描きタッチの位置の調整や、作画に置き換えられた機体各所へのマーキングの

貼り込みなど、手が掛かる作業の連続だったかと思うのですが、完成画面では

いい感じになっていて、ただただ感謝です。この話数は他にもさりげなくこまやか

な仕上がりになっている描写が多く、なかなか素敵なフィルムになっています。

そんな第七話で始まる第三章「純愛篇」は10月14日から上映開始です。

よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

デザイナー・枝松 聖オフィシャルサイト「Foliage」OPENしました。

これまでのお仕事やこれからのお仕事など、各種情報をお届けします。よろしく

お願いいたします。

 

サイトデザインはグラフィックデザイナーの越阪部ワタルさんにお願いしてみ

ました。本の装丁やパッケージデザインをはじめ、TVアニメ「輪るピングドラム」

では作品の顔といってもいいくらいのインパクトのアイコングラフィックを

デザインされていたかたです。こんなサイトがあるとイイナーという、ふわふわっ

としたスタート地点から、ここまで導いてくださいました。ありがとうございました。

 

デザイナー・枝松 聖オフィシャルサイト「Foliage」

 

サイト名「Foliage」とは枝葉、という意味になります。枝葉末節、など、あま

り良い使われ方をしないことも多い言葉ですが、葉の色や枝ぶりは、木の印象を

決めるたいせつな部分でもあります。アニメという幹を彩り豊かにする仕事が

できればという願いを込めて。