なぜ夢を見るのかという理由は、はっきりと解明されてはいませんが、眼球の動きが脳を刺激し、それによる映像や連想、記憶の整理などの現象が夢ではないかといわれています。
夢は、記憶と深い関係があります。現在の睡眠科学では、記憶の再生と処理の過程で現れる脳内イメージ現象を「夢」と定義しています。実は、脳の活動状態がある程度保たれているレム睡眠中だけではなく、ノンレム睡眠の時にも夢を見ていると言われていますが、レム睡眠中の夢とノンレム睡眠中の夢には大きな違いがあります。
■レム睡眠時の夢
レム睡眠中は大脳の活動が活発になっているため、脳波も覚醒時に近い状態になり、比較的はっきりした夢をみます。内容がドラマ風であったり、ストーリー展開する夢もこの時に見ています。特に、レム睡眠中に目を覚ますと、他人に対して夢の内容を説明することができるほど、覚えていることが多いとされています。
~レム睡眠とは~
レム睡眠は、まぶたの下で急速眼球運動がみられることから、「Rapid Eye Movement」の略としてレム(REM)睡眠と呼ばれています。レム睡眠は、主に体を休める睡眠であり、脳内で記憶の整理・定着を行っていると言われています。また、体は深く眠っているが、脳の一部は目を覚ましているときとほぼ同じ状態で活動しています。
■ノンレム睡眠時の夢
はっきりしない夢であり、平凡な内容でほとんど覚えていないことが多いとされています。目が覚めたときに、「なんとなく夢を見たような気がする」程度の感覚であり、夢を見たことは残っているが、どんな夢か説明することはできないよな脈絡のない、淡く短いものが多いとされています。
~ノンレム睡眠とは~
ノンレム睡眠は、まぶたの下での急速眼球運動がないことから、REMではない睡眠という意味で、ノンレム睡眠(Non REM)と呼ばれています。ノンレム睡眠は、大脳を休ませるための眠りであり、大脳に蓄積された睡眠物質を除去し、大脳を回復させるための時間です。
~おまけ~ なぜ寝返りをするの?
私たちは、寝相のいい悪いにかかわりなく寝ている間に、20~30回の「寝返り」を打っていると言われています。無意識のうちに行っている寝返りには、どんな意味があるのでしょうか。
寝返りの役割は大きく3つあります。
1つ目は、睡眠中の布団の中の温度と湿度の調整です。私たちは睡眠中に汗をかくので布団の中の温度や湿度が上昇します。長い間同じ姿勢で寝ていると熱がこもり、睡眠中にも暑さを感じるため、深部体温調整を行うために寝返りを打ちます。
2つ目は、血液や体液の流れを促進するためです。寝返りをせず、同じ姿勢で眠っていると寝具と接触している部分に圧力がかかって血流が悪くなるため、酸素や栄養素が体内にいきわたらずに疲労がたまりやすくなったり、肩こりや腰痛の原因になる事があります。
3つ目は、ノンレム睡眠とレム睡眠の睡眠段階を切り替える際のスイッチの役割があります。