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イツモ健康ブログ

健康管理士コラム

体の中に寿命を決める遺伝子があるという説があります。

その証拠となるのが「早老病」と呼ばれる病気です。

症状は、若いころから白髪やしわ、皮膚の硬化などによる老化がめだつようになり、甲斐ないでもいわゆる高齢者に多い白内障や骨粗しょう症、動脈硬化などを早期に発症してしまいます。

このような早老病には、ウェルナー症候群、プロジェリア症候群などがあります。

ウェルナー症候群は、DNAの修復や複製に必要なWRNという遺伝子の異常によって引き起こされ4ていると考えられています。

50歳くらいで、がんや脳卒中、心筋梗塞などになりやすく早く死亡するといわれています。

プロジェリア症候群は、ラミンAという遺伝子の異状によるものと考えられ、ほとんどが10代で老化して死んでしまいます。

ラミンAは、細胞核を囲っている核膜の構成成分であるタンパク質をつくっています。

そのためラミンAの異常で核膜に異常が起こると、細胞核の中身が影響を受け、細胞全体に異常がおこると推測されています。

 私たちの体では、常に細胞分裂が繰り返されています。しかし、細胞が分裂できる回数には限りがあると考えられています。それを決めているのが、細胞のテロメアと呼ばれる部分です。

 テロメアは、細胞核の中にある染色体の先端に伸びています。その染色体を構成しているものがDNAです。

 テロメアは、染色体を保護する役割をしていて、細胞が分裂するたびに短くなります。何度も分裂を繰り返して、テロメアが短くなりすぎると、その細胞は分裂が出来なくなります。

 

 細胞が分裂して若返ることが、細胞の機能維持にはかかせませんが、年齢を重ねて細胞の分裂できる回数が減っていくと、ついには分裂できなくなります。すると、細胞の機能が低下し、老化を引き起こすと考えるのがテロメア説です。このように、テロメアは寿命を規定するような働きをすることから、「生命の回数券」と呼ばれることもあります。

 

 ただし、例外もあります。卵巣や精巣という生殖細胞は、細胞分裂ごとにテロメアが短くなると、やがて不妊になってしまうので、短くなったテロメアを元の長さに戻すテロメラーゼという酸素を細胞内に蓄えています。

 

 また、無限に増殖するがん細胞では、テロメラーゼが活性を高めているので、がん細胞は無限に分裂増殖することを可能にしてます。がん細胞の中で、テロメラーゼの働きを抑えることができれば、治療に応用できる可能性が広がるのではないかと考えられています。

 厚生労働省によると、2015年における日本人の平均寿命は、男性80.79歳、女性87.05歳とされています。また、一般的に高齢者とは、WHO(世界保健機関)が定義する65歳以上の事を言います。

 

 「歳をとった・・・」と感じるのはどのようなときでしょうか。

たとえば、少し走っただけなのに息切れした時、寝不足の翌日に目のクマがひかないとき、小さな文字が見づらくぼやけてしまうときなど、様々あるでしょう。

 老化の定義とは、文字通り「老いていく変化」であり、加齢に伴う生体機能の低下といえます。人の老化は、生理機能の低下の現象として20~30代からはじまります。

 

 加齢は、誰もが同じ速さで平等にすすみます。同年同日に生まれたもの同士は同じ年月をかけて年齢を重ねていきます。しかし、いつまでも若々しい人もいれば、実年齢よりも老けて見える人がいるのはなぜでしょうか。同窓会などで久しぶりの再会をして、このような違いに驚いた経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。これは、老化には単に加齢だけでなく、遺伝的要因や生活習慣、環境要因が複雑に関係しているためと考えられます。

 ひとは年をとることを避けられませんが、老化の速度には個人差があるため、健康的な生活習慣を送ることで、老化速度を遅らせることができます。老化対策は早ければ早いほど、若さを保つことにつながります。

 

~老化度チェック~

ご自身の老化はどのくらい進んでいるのでしょうか。下記の項目でチェックが多いと老化が進んでいる可能性があります。あまり深刻にならず、遊び感覚でトライしてみましょう。

 

□同窓会で「老けた」と言われたことがある

□口臭や体臭が気になる

□薄毛が気になる、抜け毛が増えてきた

□肌にハリがなく、乾燥しやすくなってきた

□疲れやすい

□両親や兄弟姉妹が早期にがんや心臓疾患、糖尿病になっている

□机上の仕事が多く、運動不足である

□緊張するタイプである

□現在、仕事をしていない

□現在、独身あるいは一人暮らしである

□今、不幸せだとおもう

□1日に1合以上のアルコールを飲む

□1日にたばこを1箱以上吸う

□標準体重より5kg以上超えている

□炭水化物や脂質に偏る食生活である

□最近、健康診断に行っていない

 睡眠障害とは、睡眠と覚醒をコントロールしている脳の仕組みに何らかの異常が生じて発症するものと定義されています。そして、日本人の1~2割が睡眠障害を抱えていると言われています。しかし、夜の不眠や、日中の異常な眠気を感じていても、日常生活に支障をきたすまで病気だと気が付きにくく、医療機関にかかるまでに比較的長い時間がかかってしまうのが睡眠障害の特徴です。

 睡眠障害は、がんや高血圧、糖尿病などの疾患に比べて、初期のうちから明確な症状が現れやすい病気だという認識を持つことが大切です。

 睡眠障害には、主に「不眠症」「過眠症」「概日リズム障害」「睡眠時随伴症」があります。

 

○不眠症

 眠りたくても眠れない状態であり、眠ることが困難であると感じる疾患です。不眠症は4つのタイプに分けられ、なかなか寝付けない「入眠障害」、睡眠中に何度も目が覚めてしまう「中途覚醒」、朝早くに目覚めてしまう「早朝覚醒」、眠りが浅く長時間眠っても熟睡感を得られない「熟眠障害」があります。4つのいずれかの現象が「週に3回以上ある状態が3か月以上続く場合」に不眠症と診断されます。

 

○過眠症 

 夜眠っているもかかわらず、日中に過度な眠気をかんじたり、頻繁に居眠りをしてしまうことで、起きていることが困難になる疾患です。眠気にともない、日中の倦怠感や集中力・注意力の低下などの症状が現れます。過眠症には、ナルコレプシー、睡眠無呼吸症候群、突発性過眠症などがあります。

 ・ナルコレプシーとは・

  ナルコレプシーは、夜充分眠っているのに、昼間に耐えがたい眠気に繰り返し襲われる睡眠障害です。発症原因は、オレキシンという脳内物質が欠乏することにより起こると言われています。

 

○概日リズム障害

 睡眠と覚醒のタイミングに問題が生じ、朝と夜のサイクルと体内時計のリズムが合わず1日の決まった時間に睡眠をとることができないことから、日常生活に困難をきたします。一時的な概日リズム障害として「時差ボケ」があります。

 

○睡眠時随伴症 

 睡眠時随伴症は、睡眠時に歯ぎしりや夢中遊行症などの睡眠中の異常行動がみられる状態を指します。

 なぜ夢を見るのかという理由は、はっきりと解明されてはいませんが、眼球の動きが脳を刺激し、それによる映像や連想、記憶の整理などの現象が夢ではないかといわれています。

 夢は、記憶と深い関係があります。現在の睡眠科学では、記憶の再生と処理の過程で現れる脳内イメージ現象を「夢」と定義しています。実は、脳の活動状態がある程度保たれているレム睡眠中だけではなく、ノンレム睡眠の時にも夢を見ていると言われていますが、レム睡眠中の夢とノンレム睡眠中の夢には大きな違いがあります。

 

 ■レム睡眠時の夢

 レム睡眠中は大脳の活動が活発になっているため、脳波も覚醒時に近い状態になり、比較的はっきりした夢をみます。内容がドラマ風であったり、ストーリー展開する夢もこの時に見ています。特に、レム睡眠中に目を覚ますと、他人に対して夢の内容を説明することができるほど、覚えていることが多いとされています。

 

 ~レム睡眠とは~

 レム睡眠は、まぶたの下で急速眼球運動がみられることから、「Rapid Eye Movement」の略としてレム(REM)睡眠と呼ばれています。レム睡眠は、主に体を休める睡眠であり、脳内で記憶の整理・定着を行っていると言われています。また、体は深く眠っているが、脳の一部は目を覚ましているときとほぼ同じ状態で活動しています。

 

 ■ノンレム睡眠時の夢

 はっきりしない夢であり、平凡な内容でほとんど覚えていないことが多いとされています。目が覚めたときに、「なんとなく夢を見たような気がする」程度の感覚であり、夢を見たことは残っているが、どんな夢か説明することはできないよな脈絡のない、淡く短いものが多いとされています。

 

 ~ノンレム睡眠とは~

 ノンレム睡眠は、まぶたの下での急速眼球運動がないことから、REMではない睡眠という意味で、ノンレム睡眠(Non REM)と呼ばれています。ノンレム睡眠は、大脳を休ませるための眠りであり、大脳に蓄積された睡眠物質を除去し、大脳を回復させるための時間です。

 

 

 

~おまけ~  なぜ寝返りをするの?

 私たちは、寝相のいい悪いにかかわりなく寝ている間に、20~30回の「寝返り」を打っていると言われています。無意識のうちに行っている寝返りには、どんな意味があるのでしょうか。

 寝返りの役割は大きく3つあります。

 1つ目は、睡眠中の布団の中の温度と湿度の調整です。私たちは睡眠中に汗をかくので布団の中の温度や湿度が上昇します。長い間同じ姿勢で寝ていると熱がこもり、睡眠中にも暑さを感じるため、深部体温調整を行うために寝返りを打ちます。

 2つ目は、血液や体液の流れを促進するためです。寝返りをせず、同じ姿勢で眠っていると寝具と接触している部分に圧力がかかって血流が悪くなるため、酸素や栄養素が体内にいきわたらずに疲労がたまりやすくなったり、肩こりや腰痛の原因になる事があります。

 3つ目は、ノンレム睡眠とレム睡眠の睡眠段階を切り替える際のスイッチの役割があります。