桐壺巻は桐壺帝が桐壺更衣を偏愛
そのために宮廷中を敵にまわして
2人のために世界はあるの的愛の陶酔の中
政務をおろそかにするようになった帝と
それをさせる更衣の関係が
玄宗と楊貴妃になぞらえられるなどなどで
もー批難ごーごーだったわけですが
まあ、恋は周囲の反対という燃料投下が
絶え間なければ絶え間ないほど燃えるもの
結果玉のようなる男皇子(光源氏)
が生まれますが
なんだかんだで地味に周りからいじめられてた
桐壺更衣
その心労が祟って皇子数え三歳の折に
死んでしまいます
でね、いつも「なんで?」て思うのが
映画や漫画に二次創作された際の
帝と更衣の人物造形あるいは配役で
これは作り手がこの桐壺巻の年齢設定を
どうとらえてるのかてことと
関係してんだとおもうのです
2001年公開の『千年の恋』
当時素人だった私でさえ
腰が抜けるほどアカンと感じた作品でしたが
このとき帝の役が
本田博太郎 当時49歳
桐壺更衣は登場しないので
その後瓜二つと言われた藤壺宮の役が
高島礼子 当時36歳
弘徽殿の女御の役が
かたせ梨乃 当時43歳
ようするに
ここの配役でいえば桐壺巻のドロドロは
中年主催の昼ドラ的展開なわけです
桐壺帝の年齢はよくわからないため
推測するしかないのですが
女御更衣がたくさんお仕えしている中で
問題なのは
まだ誰も中宮になっておらず
まだ東宮も立っていない
皇子は弘徽殿の女御の生んだ朱雀宮(仮称)と
桐壺更衣が生んだ光宮(仮称)の
2人きりしかいない
そして桐壺巻当時はまだこの二人の宮方は
朱雀が六歳、光が三歳の
おさなさでいらっしゃる
てことです
この構成で帝が30代や40代なら
皇統の危機とオモイマス
だから
弘徽殿の女御という第一夫人がいて
皇子が1人いるなら
光宮が生まれる前のこの悲恋スッタモンダの際
帝の年齢は
10代後半てとこじゃないか
て思うんです
朱雀宮と光宮は三歳差なので
14で元服、15から16で朱雀宮を儲け
その三年後にこの展開としたら
まあ、18か19かな?
いっててもハタチかと

だとしたら
それより年下であるに違いない
桐壺更衣は15歳前後
年上としても23歳までとして
となれば
帝が元服とともに迎えた妻 弘徽殿の女御は
いくら年上でも更衣に同じく
15〜23歳?(広い?)
てところじゃないかと思うんですが
となると
桐壺巻は完全なる月9的展開の青春恋愛もの
となりますよね
で
中年のおっさんがおばはんに血迷うて
古女房と仕事投げ打ったロクデモナイ桐壺巻
てとらえられかけてたこの巻がとたんに
若く身の振り方を思いの儘にできない青年帝と
彼を愛した
(愛したかどうかはまた別に書くとして)
寄る辺なき更衣との悲恋になるわけですよね
悲恋張るからには年若い方がいい
四十が初老の当時
四十路近しで公擲ち悲恋してたらただのアホで
それは悲恋ではなくただの老耄
悲恋と読むくせに
年齢設定がガタガタだと
本質を見落としそう
映画 千年の恋では
敵役のかたせ梨乃扮する弘徽殿の女御が
ご丁寧にも白髪のメッシュ入れられちゃってて
BBA感マシマシで

なんかちゃうねんなあーて思います
生田斗真さんの「千年の謎」では
個性派 室井滋さんが
どーしてそれにしようと
おもわはったんですか⁇
て膝詰めて聞きたいほど
「妙な」弘徽殿を演じておられました
なんでああなるんだろう?
彼女だって
若くて
おそらくは美しい
女性のはずなのに
てことで
桐壺巻の帝と更衣の悲恋は
中年の昼ドラではなく
若人の月9だと
考えてます