乾いた空気の中を吹き抜ける風。

空は碧く、雲はちぎれる。

 

色づいた山へと降り注ぐ光は柔らかい。

太陽が流れた雲で隠れると、山の斜面に陰影が出来、それはまるで見事に織られた錦の様だった。

 

渓谷を流れる清らかな水は、この時期色とりどりの落ち葉を運ぶ。

光の粒子までもがその季節を歓ぶかのような秋の一日。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気鋭の指揮者がいた。

類稀な才能は幼少期より顕著であった。

10代半ばで世界の舞台に次世代を担う新たな才能として頭角を現して以来、確かな技術と豊かな表現力、そして人々を惹きつけてやまない圧倒的なカリスマ性で一躍クラシック界を席巻した。

 

 

 

 

 

 

 

 

才能と共に人々を熱狂させたのはその美貌であった。

蠱惑的な瞳。躍動する痩躯。

悩まし気に瞳を閉じ、苦し気に喘ぎ、そして時に恍惚の表情をほとばしらせて舞台でオーケストラを束ねて音を響かせる彼の姿は、すさまじい情熱の塊となって轟き、稲妻のように降りて来て、見る者の心を捉えて離さなかった。

 

22歳で自身の打ち立てた世界記録を再び更新。

若き天才に話を聞いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(記者)

ー世界記録の更新、おめでとうございます。

 

 

ーありがとうございます。

 

(記者)

ー今回見させていただいて、本当に観客の皆さんと一体となっていることを感じました。

 

 

ーそうですね。聴きに来てくださる人々がいて僕達の音楽は完成すると思っています。

それは実際に会場に足を運んで下さる人達だけではなくて、テレビやネットで見て下さっている方達も含めてです。世界中の人達からの声が僕達の背中を押してくれているのを感じます。

 

 

(記者)

ー注目度も益々増し、プレッシャーもあると思いますが・・。

 

ーそれはもちろんありますし、過去の自分にとらわれるということもあると思います。でも自分としては客観的にそれらを認め課題をクリアにしていって、一つ一つ克服していくことが大事です。一つ克服すると新たな課題が見えてくる。だからずっと進化できると思っています。本当に色々と経験させて頂いて、そこから確実に成長出来ていると思っています。

 

(記者)

ー今週末新しい公演が始まりますね。期待して待つファンの方々に一言お願いします。

 

 

ー交響曲と言うのは、弦楽器や管楽器、打楽器などからなるオーケストラによって演奏される大規模な楽曲です。

様々な楽器が奏でる音が調和して、素晴らしい音楽になります。

僕は決して一人では舞台を作り上げることはできません。オーケストラの皆と、そして応援して下さる全ての人々の思いが調和してそして初めてシンフォニーが鳴り響くと思います。

どうか僕と一緒に音の一部となって下さい。皆さんの気持ちを大切にして、そして音にして表現できることをとても嬉しく思っています。

 

 

 

(記者)

ー楽しみにしています。頑張ってください。

 

ーありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

艶めく黒髪が揺れた。

まっすぐに相手を見据えて質問に瞬時に答える姿はいつもと変わらない。しかし、その視線の先に映る景色は刻々と変化していることだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の指揮する世界のその先に待つものー。

美貌の天才指揮者の案内する新たな境地。

空が、大地が謳うオータムクラシック。

響く一音一音は刹那、唯一無二の輝きとなってこだまする。

 

哀切を伴うその甘美な刹那に身を委ねるべく、新たな扉を開くその瞬間。

鳴り響くシンフォニーの調べの、その音の一つとなる準備はもう、出来ましたか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↑羽生君ほんとごめん。止められなかったの。

https://ameblo.jp/icealgae999moco?frm_id=v.mypage-checklist--profile------icealgae999moco

↑ツチノコブログの更新もありましたので是非。

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