リニア中央新幹線計画でJR東海が公表した環境影響評価方法書について検討するため、県環境影響評価技術委員会(委員長・亀山章東京農工大名誉教授)の委員13人が4日、県内概略ルートの南木曽町、喬木村、大鹿村の3か所で初めての現地視察を行った。委員会は視察や同社からの聞き取りを元に来年2月にも方法書に関する意見書をまとめ、県に提出する。
中間駅が設置される予定の飯田市座光寺付近から高森町南部付近が望める喬木村阿島のアルプスの丘公園では、同社の担当者から説明を受けた。担当者は時速約500キロのリニアが停止するには6キロ手前から減速する必要があること、地上部分を走るリニアは高さ約15~16メートルの高架橋を走る予定であることなどを説明した。
視察後の委員会では方法書に関する意見を同社側に伝えた。委員らはリニアが通る予定のエリアに生息する動植物について「文献調査によって挙がってくるべき種類でさえ十分に網羅されていない」「場所によって生息する植物が異なり、それぞれに対応した自然保護を考えて」と指摘したほか、「大気に関する影響評価をしっかり行えるよう観測データは通年を通じたものにして」と要請した。亀山委員長は「例えば動植物のうち猛きん類のデータについて、繁殖が確認されたものしか方法書で扱っていないような表現である点など、明らかに資料不足。今後、同社側で対応してもらえると思う」と話している。
出典:読売新聞