がん予防、生活習慣改善を 神戸で講座 | 環境エコブロ

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日本人の2人に1人ががんになり、3人に1人はがんで亡くなる時代。一方で多くの研究成果から、がんは生活習慣・環境の見直しで予防できることが分かり、早期発見・治療を徹底すれば約半数は完全に治るとされる。国立病院機構神戸医療センター(神戸市須磨区)の市民公開講座で、地域医療研修センター長の森田瑞穂外来診療部長(60)が、国立がん研究センターのデータなどを基に予防や早期発見のポイントを紹介した。

森田部長はまず食生活について、脂肪を取り過ぎると、乳がんや大腸がん、子宮内膜がんになりやすい‐と指摘。一方で発がんを抑える栄養素として、ビタミンAやC、E、食物繊維を挙げながら、「脂肪の摂取は昭和30年当時の約3倍に増える一方、野菜の量は少なくなってきている。偏食せずにいろいろな物をバランスよく食べることが、発がんの危険性を低下させる」と話した。

胃がんの発生と塩分の摂取にも、密接な関係があるとされる。塩分の取り過ぎは、脳卒中や心臓病なども起こしやすくなる。また、熱い茶がゆをよく食べる地方では、食道がんが多いという報告も。熱い物は冷ましてから食べるようにして、胃や食道をいたわってほしいという。


妻も死亡率倍

「飲酒もほどほどに」と森田部長。アルコールの多量摂取は口腔(こうくう)がんや咽頭がん、食道がんなどの発生に関係するからだ。また、アルコール性の肝硬変は肝がんになりやすい。つまみを食べずに酒だけを飲むと栄養のバランスが崩れ、たばこが重なると悪い因子が相乗的に働いてがんの危険性も増す。

さらに、40歳以上でたばこを1日25本以上吸う日本人男性の調査では、吸わない人に比べ、喉頭がんが90倍以上、肺がんは7倍以上の死亡率となっていることを紹介。また夫婦で夫が1日20本以上吸う場合、その妻は喫煙しない夫の妻と比べ、肺がんの死亡率が2倍高いという。ただし男性の場合、禁煙すれば5年ほどで、がんになる危険性が低下するというデータもある。

適度な運動も大切だ。森田部長は「一日中、椅子に座って仕事をしている人たちの間に大腸がんが多いという報告もある。疲労とストレスは大敵」と指摘した。


90歳以上多く

一方、「がんが自覚症状から見つかるのは既に進行している場合が多く、好ましい見つかり方ではない」と森田部長。

「あくまで知識として紹介する」と前置きした上で、血たんやせきが出て受診し、胸部エックス線写真やCT(コンピューター断層撮影)で肺がんと分かることがある‐とした。さらに、食欲不振や腹痛から胃がん、下痢と便秘の繰り返しや血便から大腸がん、食べ物ののみ込みにくさから食道がん、血尿からぼうこうがん、疲れやすさや黄だんから肝がん、体重減少や背中の痛みから膵臓(すいぞう)がんと、いずれもその後の検査の結果で分かることがあるという。

神戸医療センターでは最近、高齢者もCTやMRI(磁気共鳴画像装置)の検査を積極的に受けている。森田部長が2009年度に担当した患者だけで90歳以上が60人に上った。

「検査の結果で異常がないことが分かると、付き添いの家族が心底喜ばれ、その患者さんを大切にしているのがうかがえる」と森田部長。一方で胆のうがんが早期発見できた96歳の女性は摘出手術を受け、その後の経過も良好だといい、「自覚症状がなくても、がん検診を定期的に受けてほしい」と強調した。

出典:神戸新聞