いつもエコノミライ研究所のブログをご覧くださり、誠にありがとうございます。
電気自動車EVの普及促進を、第1目標として掲げ、活動をしていますが、
そもそも、現代ニッポン社会で困った現象は、「クルマ離れ」でありまして、
EVを推進するための前提すら成り立たない可能性すらあるワケですから、
「クルマがほしぃ!」
「クルマって、楽しい!!」
「クルマを、運転してみたい!!!」
と一人でも多くの方々に思って頂けるための活動も、欠かすことはできません。
ですから、現実的な話、従来型内燃機関エンジンを搭載したクルマの紹介もできなければ、「次世代自動車」であるEVやPHV、FCVの説明が不可能である、ということになります。
幸いなことに、ゴッチ本部長や楊田の諸活動は、関係各所の皆様方からは、好意的に受け止めていただくことが多く、特に、ピュアEVを真っ先に市場投入された三菱、日産、両者の関係者の皆様には、大変なご厚情を賜っております。
改めまして、関係者の皆様に対しまして、御礼の気持ちを表明させて戴きます。
(いつも、ありがとうございます!)
さて、前置きが長くなりましたが、早速、今回の表題にもあります
2020年6月30日に発売が開始された
日産自動車の新型KICKS(キックス)
の紹介をさせて戴きます。
このシリーズの最初からご覧に成りたい方は、此方からどうぞ
今回は、第2回目ということで、内観のうち、シートを中心に紹介します。
今回の撮影並びに試乗におきましては、岡山日産株式会社様のご理解・ご協力のもと、記事並びに試乗記動画作成が実現致しました。
<こころ>より御礼申し上げます。そして、いつも、お世話になります。
ファーストショットから受ける印象は
直線基調の「まじめ」な形をしたSUVタイプのクルマであることです。
つくづく、意識してしまいますけれども、このようなFF5ドアハッチバックのデザインの原点は、
やはり、(×ッチの)マーチ
ですよ。
某米国EV専用メーカーを除く多くの自動車メーカーに、最近共通しているのは
フロントグリルの「無駄な」大きさだと思っています。
空気抵抗のことも考えれば、このように断面積が大きいノーズでは、燃費向上を期待することができません。
ただ、一説には、時速100km未満であれば、どのような形状でも空気抵抗には大差ないとのことのようですけれども。。。
新型ピュアEVの「ARIYA」発売を1年後に控え、エンブレムを久しぶりに変更することとなった「NISSAN」。
この形状、マイナーチェンジでは、変わるかもしれません。
おそらくは、4年前にはない造形部分がコチラ
「KICKS」というロゴが記されています。これは、正直、”カッコえーじゃん”と思えた部分です。
様々な造形に対する挑戦をした結果、日本人である楊田でも、受け入れ可能なボディデザインであったことを、今回の取材で確認できたのです。
「e-POWER」エンブレムの存在も相俟って、日本市場における販売展開を予想しますと
久々に、自社既存車種からの乗り換えだけでなく、他社ライバル車種ユーザーからの乗り換えの期待を持ちうるポテンシャルを秘めたクルマが、日本市場に登場することとなり、「日産党」の一人としては、すこうし、安心しました。
(ただ、キューブユーザーや、楊田のようなキューブ3ユーザーが、このクルマを受け入れるのかどうかは、未知数だ、と勝手に思っておくことにしておきます。)
それでは、新型キックスの内装、シートの造りなどについて、クローズアップ致します。
標準タイプの内装色は、基本的に、黒です。
ただし、日産車のプレミアムシートで採用される、ステッチ(縫い目)デザイン(本物です。)を贅沢に多用していることから、
「ひとつ上の品格」を感じるシート、という印象を受けました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20200815/14/economirai88/e1/a4/j/o2912218414804472666.jpg?caw=800)
若干、キツめの印象はありますが、楊田にとっては、概ね、好印象のシートです。
ただし、試乗した後の検証で気づいたことですが、
新型キックスの乗り心地は、硬め・堅め、でありまして、
その原因の一つが、シート素材の低伸縮性、クッションの硬さも含まれているかもしれません。
シートの硬さを確かめるには、最低でも1日中のドライブを敢行しなければ分かりませんので、
試乗させて頂いた時間では、シートの硬さは判断できませんでした。
運転席シートのヘッドレストとピントが合っておらず、失礼しました。
ステッチの施された場所の多さに、改めて驚きます。
見た目の印象は、本当に、良いです。
贅沢な造りなのですが、押し付けがましさ、を感じないところが、良いのです。
<ひと>のお尻や背中が当たるシート部分の生地が「チェッカーフラッグ」タイプとなっていますが、
初代ノートのときのような、縫い合わせパターンの失敗は、していない様子です。
(初代ノートでは、お尻が前へ前へとズレる、という現象が生じていました。)
座面形状も、背もたれも、どこか、c27セレナと共通するところがありますから、その印象だけでも安心感を覚えます。
座面部分、背もたれ部分、いずれも、左右Gに対抗できるよう、凹面構造となっており、運転姿勢が崩れないよう、配慮がなされています。
運転席側から撮影していましたので、カメラの角度を変えますと、運転席ドアの内側部分を丸ごと撮影することができます。
三〇センセの「〇車情報」を好んで拝見していた記憶から、「プラスチッキー」という用語が、「安物感」の代名詞という先入観を植え付けられている<ひと>の一人でありますが、
もはや、現代車両において、内装の「プラスチッキー感」を、どのようにして消し去るのかが、工業デザイン最大のテーマの一つとなっているものと考えます。
いわゆる「シボ」の表現は、初代ヴィッツの工業デザイナーが、当時の新幹線の内装からヒントを得た、と「すべて」本で知った記憶があります。
助手席側と唯一、異なる装備は、前席制御用パワーウィンドウスイッチと全席オートロック機構スイッチです。
(c27セレナと、全く同じデザインです。歴代リーフなども、一緒だったような気がします。)
(良い加減、全席オートパワーウィンドウに成って欲しいと願っています。デザインも、そろそろ、変えてほしいです。)
助手席ドア内側のところから、何点か紹介・コメントします。
・ドアノブが、I字レバー型、となっており、ロックスイッチのデザインも含めてc27セレナと共通です。
・アームレストを兼ねたドアハンドルとなっている基本的なデザインも、日産車としては標準的です。無駄なラインは、ありません。
・下部にはフロントスピーカー、ドリンクホルダー、書類ホルダーがあります。
ここで、不満点を一つ、発見しました。
書類ホルダーの幅・深さ共に、A4ファイルを収納することが、出来なくなりました。
正確には、それほど分厚くないA4地図帳1冊だけならば、「一時的に」収納することができますが、それだと、ドリンクの収納が難しくなります。
新型LOOXのときから、薄々は感じていましたが、この点は恐らく、日産内装デザイナー陣の意図を感じます。
「ペーパーレスの時代なのだから、良い加減、ドアポケットに書類を差し込んだままのカーライフを断念しなさい」というように。
明らかに、我々、自動車ユーザー、否、自動車ドライバー並びにナビゲーターに対する挑戦状だ、と受け止めておきます。
(見た目が汚らしいから書類を入れるな、観光地のパンフレットを何年も置きっぱなしにするな、場所の確認はスマホとかで解決せよ、といった、内装デザイナーの警告と、楊田は受け止めざるを得ないのです。勝手ながら、すごうく、動揺しています。的を得ている主義主張なのですから。新型キックスのようなスタイリッシュなクルマに限った議論となりますが、この仮説的主張に抵抗することは、もはや「△ールドタイプ」というレッテルを貼られても、仕方ないかもしれません。)
ところで
カメラアングルを上から徐々に下方向へ変えていることに、お気づきでしょうか。
このアングルでありますと、純正フロアカーペットの末端ステッチのオレンジが映えて、非常に好印象であることに気づきます。
ここで、「何故、オレンジ?」と疑問に思った方には、この生地を最後までお読みくださると、気付いて頂けるものと、確信しています。
いわゆる「クラリーノ」的な合成皮革ですから、外装のABSモールと同様、10年後、20年後の劣化具合がどのようになっているのか、興味あるところです。
なぜならば、岡山市で5年ごとに開催されている「山羽虎夫パイオニアラン」のような、ヒストリックカーイベントに参加する資格を持つことのできるクルマであるのか否かが、試されているからです。
フロアカーペットの世界も、様々ありまして、一般的には、ディーラーオプションのカーペットの方が、社外品よりも高いのですけれども、
このような「KICKS」というロゴや、オレンジステッチの存在、また、ディーラー提供品は消臭機能を付加したカーペットでしょうから、
・プラスチックバイザー(1台分)
・ナンバープレートトリムセット+ナンバープレートロック
・フロアカーペット(1台分)
の3点セットで見積もれば、導入コストは小さくはないですけれども、長い目で見ればお買い得だ、と楊田は思っています。
続きまして、後席部分にも注目し始めていきましょう。
まずは、このショットから。黒い内装なので、見辛くて恐縮です。
歴代リーフと共通したドアノブ、前席と同等のデザイン・体積を確保したドアノブ兼アームレスト
ドア下方部分では、後席用スピーカーと並ぶように、後席用カップホルダーが用意されています。
カーデザインの妙です。
先回、後席ドアについては異論を挟みましたが、窓の後部の三角形の切り方が上手であるため、
不思議と、圧迫感のない後部座席となっています。
できるならば、窓の底辺部が、地面と平行なデザインに、戻してもらいたいものです。
(実は、この鉄則を破ったのは、〇ンダ〇マーニだ、と勝手に解釈しています。)
それでは、助手席から運転席をまずワンショット捕らえまして、
順に角度を後席へと変えていきます。
セレナで採用されたステアリングに、親近感を覚えますし
フロントシートの形状も、落ち着き感のある上質さを兼ね備えています。
落ち着いた雰囲気を演出しているのが、青いステッチ、なのかもしれません。
室内高は、1.8m強の<ひと>でも窮屈さを然程(さほど)かんじさせない、高さを確保しているものと感じました。
(筆者楊田の身長は1.7m強でしかありませんが、高さに余裕を感じました。)
車両法規の強化によって、後部座席にもヘッドレストと3点式シートベルトの設置が義務化された関係のお蔭で
新型キックスの乗車定員が5人、ということが、容易に判別することができます。
後部座席の全容を、ご覧頂いています。
6:4分割前倒式の背もたれです。
リクライニング機構は、ありません。
(安全上は、それが正解なのです。)
強いて不満を述べますと、1点、あります。
(そういえば、2代目リーフのときも述べましたけれど、繰り返しで恐縮です。)
後部中央席の背もたれ部分を分離して、後部両側席用のアームレストを兼ねて欲しいです。
この辺りの部品をリーフと共有し、マイナーチェンジの際には、一斉に実現させることができれば、嬉しい悲鳴となるのですけれど、難しいかな。。。
後席の座面は、高さ・奥行き、共に、問題ありませんでした。比較的長時間のドライブでも、大丈夫だと思います。
(c27セレナほどの快適さには、当然、敵わないのですが。)
このアングルでも、フロアカーペットのオレンジが好印象です。
オレンジ色を選んだカラーコーディネーターのセンスの良さを、賞賛したいです。
後部座席で、もう一つ、忘れてはいけない、重要な性能についても、チェックしてみました。
新型キックスも、シートバックが前に倒れることで、トランク部分と一体空間を形成して、長尺物の格納が可能になることから、
シートベルトの使い勝手
についても、配慮がなされているのか、注目してみましょう。
助手席側後部シートの拡大写真です。左から
・ヘッドレスト
・シート倒しのためのレバー
・後席用シートベルト
・シート端部の青いステッチ
・シートベルトホルダー
の順に存在を確認することができまして、そのうち、重要なのは「シートベルトホルダー」の存在です。
この写真のように、シートベルトを、シートベルトホルダーに引っ掛けることができます。
この機能が、重要ですし、この機能が実用的であるのか否か、が使い勝手の良(よ)し悪(あ)しを左右します。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20200815/14/economirai88/d4/eb/j/o4000300014804474738.jpg?caw=800)
結論から申しますと、このホルダーの存在は、余り意味がないように思いました。
ホルダーに格納することで、むしろ、シートを戻す際に、フックに一部が引っ掛かり、ベルトを痛める可能性がゼロではなかったからです。
原因は、ベルト出口の角度が地面と平行の角度だからです。
c27セレナのように、Cピラー内部に格納し、地面と垂直方向で、斜め前にベルトが出る構造であれば、このシートベルトフックは、有効に機能したでしょう。
残念です。
むしろ、背もたれ側に、左右のズレ防止のための「ガイド」を設定する方が、遥かに実用的なはずです。
生意気を申して、大変恐縮ですけれども、この辺りの、シート形状の研究を、日産デザイナー陣は、もっと他社の事例など、多方面から学び取るべきです。
背もたれ側にベルト逸脱防止ガイドを設置することなど、他に、色々と事例はあるはずです。
現状のままでシートベルトホルダーにベルトを「収納」したまま、背もたれを起こしますと、必ず、ベルトが捩(よじ)れます。
背もたれのドア側に膨(ふく)らみがありますから、ユーザーの方に、シートベルトホルダーの有り難さを実感して頂けるのか、可能性は未知数です。
(説明しなければならない、営業の方の立場で、ものづくりをするべきだ!)
一寸ばかり、言葉が過ぎました。失礼しました。
フォローしますと、後部中央席の安全装備には、抜かりがないのです。
頑張る方向性が違うのでは、と申し上げたかっただけです。
この辺りの後部座席の構造は、ティーダなどの部品を流用すれば、全く問題なかったかもしれません。
ただ、新型キックスは、世界中で生産され、販売されているクルマですので、仕様変更が、大変、難しいのかもしれません。
後部ドアの内側部分を撮影した写真です。
繰り返しで恐縮ですが、たとえ「プラスチッキー」であっても、安さを感じさせない、見事な「工業デザイン」「生産技術」だと思います。
ひと昔の同等のクルマに比べますと、ドア内部の目に見える部分の部品点数は可成り減ったにも関わらず、
・ドアノブ
・ドアロック
・アームレスト
・リアスピーカー
・カップホルダー
という、現代車両では絶対欠かせない要素を、よくぞ、これだけの部品点数で実現することができたものだ、と<こころ>から感心した次第です。
素晴らしいです。当然、良い意味です。
カーデザイナー諸氏に、お伝えしたいのは、
カーライフをもっと豊かにすることができるアイデアを、今後も、色々と世に問い続けて頂きたいということです。
デザイナーの皆様の造形アイデアは、
3次元CAD、3Dスキャナー、3Dプリンターにより、可成り、自由な発想を造形することが可能となっています。
そのテクノロジーを豊かな「ミライ」に繋げて頂きたい、と望んでいます。
話が逸れました。
話は大詰めとなりますが
今回試乗した新型キックスの他に、岡山日産高柳店には、もう一台、店内に展示車が置かれていました。
標準車「X」よりも若干お高くなりますが、
「Xツートンインテリアエディション」というモデルを選択しますと、
非常に垢抜(あかぬ)けていても、決して派手でもなく、上質性を保った、素敵な内装色を選択することができます。
このシート配色は、「憧れ」すら抱いてしまいます。
この辺りの、多様性のあるシート色が複数選択肢を用意していたのが、何を隠そう
2代目並びに3代目CUBE
なのですけれども、このユーザー様に、響いておられるとすれば、
新型キックスのデザインと配色の勝利
であることを、祈るばかりです。
クルマに欠かせない3要素
・走る
・曲がる
・止まる
このことを無視した車体設計は、不可能でありましょう。
車体設計は、既に、数々の制約の中から、工業製品としてデザインされて行く世界でしょうから、
更に、クルマに欠かせない要素は
・長時間座っても、疲れない椅子
・長時間見続けても、飽きの来ない、汚れが目立たない内装色
でありましょう。
恐らく、このクルマは売れると思います。
今回も生意気ばかり申しましたが、関係者の皆様に対しましては、飽くまでも「ミライ」を見据えた生産的な意見具申をした、と受け止めて頂ければ幸いです。
クルマは、庶民の「足」です。
安くて、便利で、高性能なクルマが売れるのです。
いずれにしましても
エコノミライ研究所での、これまでの車両紹介を通じて分かってきたのは、
・見た目
・椅子の「性能」
・その他諸々の性能
の三拍子がバランスよく高次元で実現したクルマが、
カテゴリの別を問わず優れたクルマであることです。
なので、上記3点をそれぞれ「★」印で表現することを思いつきました。
最高評点は各項目それぞれ★10個つとしましょう。
というわけで
エコノミライ研究所所長楊田芳樹のクルマ評点
評価対象:日産ルークス(2020年6月モデル)
・見た目 :★★★★★★★(7個)
・椅子の「性能」 :★★★★★★★(7個)
・その他諸々の性能:次々回
7点/30点満点中(暫定)
ここまで電動化の著しいクルマは、滅多にないと思います。
何しろ、エンジンは発電のためだけに、存在しているのですから。
この記事をご覧下さる皆様は、このクルマに対して、どのような★を付けますでしょうか。
次回もお楽しみに。
エコノミライ研究所
所長 楊田芳樹
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<日産キックスの概要>
2代目「KICKS」 P15型(2016年 - )
デザインチームは日本の「日産グローバルデザインセンター(NGDC)」によって立ち上げられ、その後、アメリカの「日産デザインアメリカ(NDA)」とブラジルの「日産デザインアメリカリオ(NDA-R)」が合流し、3部門の共同作業によって進められた。
2016年8月5日
ブラジルのリオデジャネイロで、コンパクトな新型クロスオーバーの『キックス(KICKS)』を発売。
2017年5月
中国市場での販売を開始(中国名:勁客)。
2018年5月
カナダでの販売開始。
2018年6月
アメリカでの販売が開始される。それに伴いジュークは北米市場から完全撤退。
2018年11月7日
台湾での発売が開始。
2019年1月22日
インド仕様が発売される。
2020年5月15日
タイにて電動パワートレイン「e-POWER」を搭載し、フェイスリフトしたモデルの販売が開始された。
2020年6月24日
日本仕様が公式発表された(6月30日発売)。
タイ仕様が導入され、ブラジル仕様に比べ車高が20mm高くなり、ホイールベースは10mm拡大される。なお、日本国内での「e-POWER」搭載車種はE12型ノート、C27型セレナに続き3車種目となるが、キックスは日本国内での日産車において初の「e-POWER」専用車種となる。また、前述したように日本では初代モデルが発売していたことから約7年10ヶ月ぶりの車名復活となるが、アルファベット表記はすでに発売されている海外向けと同じく「KICKS」となる。
「e-POWER」は最大出力の向上により中高速域での力強さを高めたほか、走行モードで「ECOモード」または「Sモード」設定時にはアクセルペダルの踏み戻しで車速の調整を可能にすることでブレーキペダルを踏む回数を減らす「e-POWERドライブ」が作動する。また、発動用エンジンの作動タイミングの制御の最適化によりエンジンの作動頻度を減らし、静粛性を高めた。
外観は「ダブルVモーショングリル」や「フローティングルーフ」が採用され、ヘッドランプにはLEDが採用された。ボディカラーはブリリアントホワイトパール3コートパール(特別塗装色)、ブリリアントシルバーメタリック、チタニウムカーキパールメタリック(特別塗装色)、ラディアントレッドパール、ナイトベールパープルチタンパール、ダークブルーパールメタリック、プレミアムホライズンオレンジパールメタリック(特別塗装色)、ピュアブラックパールメタリック、サンライトイエローパール(特別塗装色)の9色が設定されるほか、ピュアブラックパールメタリックと組み合わせた2トーン(特別塗装色)も設定され、ブリリアントホワイトパール3コートパール、ラディアントレッドパール、プレミアムホライズンオレンジパールメタリックの3色に、2トーン専用設定のダークメタルグレーメタリックを加えた4色が設定される。
安全面では運転支援技術「プロパイロット」や「SOSコール」が全車に標準装備されるほか、「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」や「踏み間違い衝突防止アシスト」も標準装備される。
グレード体系は「X」と「X ツートーンインテリアエディション」の2グレードが設定される。「X」はインストやドアトリムクロスがブラックで、シート地は合皮/織物コンビシートを採用。「X ツートーンインテリアエディション」はインストやドアトリムクロスをオレンジタンに、シート地を合皮にそれぞれ変更されるほか、「X」ではセットオプションとなる前席ヒーター付シート、ステアリングヒーター、寒冷地仕様の3点が標準装備される。
WLTCモードによる排出ガス及び燃料消費率(燃料消費率はJC08モードも併記)に対応しており、日本国内における日産車で初となる「平成30年排出ガス基準75%低減レベル(☆☆☆☆☆)」認定を取得し、「2020年度燃費基準+50%」を達成する。
なお、販売開始のタイミングでジュークの日本での販売が終了(生産は2019年12月で終了)となり、北米に続いて日本でもジュークの後継車種としての位置づけを担うこととなった。
<諸元>
製造国:ブラジル、メキシコ、中国、マレーシア、台湾、タイ(日本向け仕様生産地)
販売期間:2016年8月 -(日本:2020年6月 - )
デザイン
日産グローバルデザインセンター(NGDC)
日産デザインアメリカ(NDA)
日産デザインアメリカリオ(NDA-R)
乗車定員:5名
ボディタイプ:5ドアクロスオーバーSUV
エンジン
HR16DE型 1,598cc 直4(ブラジル仕様)
HR15DE型 1,498cc 直4(中国仕様)
HR12DE型 1,198cc 直3(日本・タイ仕様)
駆動方式:FF
モーター:EM57型 交流同期電動機(日本・タイ仕様車のみ)
最高出力
エンジン
84 kW (114 hp) / 5,600rpm(ブラジル仕様)
91 kW (124 hp) / 6,300rpm(中国仕様)
60 kW (82 PS) / 6,000rpm(日本仕様)
モーター
95 kW (129 PS) / 4,000-8,992rpm(日本仕様)
最大トルク
エンジン
152 N・m / 4,000rpm(ブラジル仕様)
147 N・m / 4,400rpm(中国仕様)
103 N・m / 3,600-5,200rpm(日本仕様)
モーター
260 N・m / 500-3,008rpm(日本仕様)
変速機
ジヤトコ製エクストロニックCVT / 5速MT/非搭載(電動機直結:日本・タイ仕様)
サスペンション
前:独立懸架ストラット式
後:トーションビーム式
全長:4,295mm
全幅:1,760mm
全高:1,590mm(ブラジル仕様)、1,610mm(日本仕様)
ホイールベース
2,610mm(ブラジル仕様)、2,620mm(日本仕様)
車両重量
1,109-1,136kg(ブラジル仕様)
1,122-1,164kg(中国仕様)
1,350kg(日本仕様)
プラットフォーム:Vプラットフォーム
試乗時の動画をもう一度、紹介させて戴きます。
ノンターボ車の場合には、コチラが参考になります。
<過去の試乗記紹介>
20200531日産ルークス試乗記3_内観・内装_機器類にクローズアップ(2020.7.22)
新型日産LEAF(2017.11.17)
新型リーフ雑感(2018.11.1)
【緊急】EV車両チェック(番外編)_日産ZE1リーフマイナーチェンジ情報(2019.2.3)
日産ノートスーパーチャージャー(2018.4.9)
日産セレナe-POWERを試乗しました1(2018.3.20)
新型デイズの見学・試乗をしました。(2019.4.7)
三菱eKワゴン、三菱eK・Xの見学・試乗をしました1(2019.4.12)
20200509三菱ekスペース試乗記(2020.6.10)
20200531日産ルークス試乗記(2020.7.8)
(蛇足:2020年8月9日、長崎県長崎浦上天主堂付近上空500mで米国プルトニウム爆弾「ファトマン」が炸裂、約7万人余りもの犠牲者を出し、令和2年8月現在、約19万人もの原爆死没者が原爆死没者名簿に記載されている状況です。戦後75周年を迎えた長崎原爆慰霊者慰霊平和記念式典では、時の総理大臣閣下が公式声明を発しましたが、驚くことに、3日前の世界最初の被爆都市での声明文とほぼ同文だったそうです。)
(このことには、様々な諸説が投じられましたが、公の場における「言霊」を発することには、慎重を期さねばなりません。<ひと>が同じ過ちを繰り返さないためにも、同じ言葉でいい、誰がどう考えても正しい「言霊」を繰り返すこともまた、意味のある行動なのではないか、と思います。)