79、環境問題対策_廃プラスチック高炉還元リサイクル技術開発_廃プラスチックのリサイクルで、高炉のCO2排出量を削減。更に微粉化で効率向上_JFEスチール株式会社_取材:February2015:http://www.nedo.go.jp/hyoukabu/articles/201502apr/index.html
年間15,000tの廃プラスチックを高炉還元剤としてリサイクル、CO2排出量を42,000t削減に成功
わが国では、1970年に「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(以下、「廃棄物処理法」という)が制定され、この法律に基づき廃棄物の処理を行ってきましたが、1980年代半ば以降、最終処分場の不足や廃棄物に含まれる有害物質など廃棄物問題が深刻化してきたことから、排出された廃棄物の処理を規定するだけでは対処できず、リサイクルを促進する観点から1991年に「資源の有効な利用の促進に関する法律」が制定されました。この法律では、リサイクルを進めるべき業種、品目などを指定し、そのリサイクルを主に業界の自主努力と行政指導により進めることとしています。また同年に廃棄物処理法の大幅な改正が行われるとともに、1993年に廃棄物・リサイクル問題を含めた環境全般を扱う基本的な法律として「環境基本法」が制定されました。その後、1995年に「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」(以下、「容器包装リサイクル法」という)(2000年4月完全施行)、1996年に「特定家庭用機器再商品化法」(2001年4月完全施行)が制定されています。
NEDOは、1988年にエネルギー分野に加えて、産業技術研究開発の体制を整備し、それ以来、環境負荷物質の低減技術、廃棄物の処理・リサイクル技術の研究開発を行うとともに、企業によるエネルギー効率の向上、CO2排出量の削減のための技術開発、設備導入に支援を行ってきました。特に、プラスチックは、1990年以来、国内生産量は年1,200万t、国内消費量は年1,000万tを越え、そのため、廃棄量も1998年以降ほぼ1,000万tで推移しており、廃プラスチックの有効利用は大きな課題です。また、エネルギー消費量の大きな製造業におけるエネルギー効率の向上は、競争力の向上、CO2排出量の削減の観点から重要です。
JFEスチールの前身である日本鋼管は、増大する廃棄物の有効利用を目的に廃プラスチックを還元剤として高炉に吹き込む技術を開発し、1996年から実用化しました。2000年には産業廃棄物プラスチックとは違い、さまざまな素材が混在する容器包装プラスチックを高炉還元剤として利用することを開始しました。その後、この高炉還元剤利用技術を発展させ、廃プラスチックを加熱溶融・脱塩素・冷却固化し、高炉内での反応性が高い微粉プラスチックを製造する技術を確立し、これらの工程で構成されるAPR(Advanced Plastic Recycling)プラントを、NEDOの助成を受けて2007年に建設し、稼働しています。これにより、還元剤としての石炭の消費量削減、銑鉄製造単位重量当たりのCO2排出量削減に貢献しています。
※詳しくは下記資料をご覧下さい。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「
※NEDOさんはH15年4月より国立研究開発法人となっております。
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