●鎌倉の自然の宝物★台峯緑地ハイキング
こんにちは^^
鎌倉フラワー&ネイチャーガイドの
村田江里子です。
鎌倉の、三大緑地の一つ・
皆さんの力で保全された
台峯(だいみね)緑地が、
全面開園・オープン!
何年も、ずっと、
待っていました…!
深い豊かな谷戸の自然に
会いたくて、
6月1日、歩いてみました。
大船駅からバスに乗り、
山崎バス停下車。
鎌倉中央公園方面に向かう道を歩き、
その曲がり角を右に見送って
曲がらず直進。
道なりにカーブして…
山崎小学校方面へ。
子どもたちの元気な声が
響く中…
右手に、
魯山人邸跡が。
看板の奥には、
小屋が見えました。
こんな風雅なお堂も…。
北大路魯山人は、
こんな豊かな自然を眺めながら
陶芸や書など
芸術作品を創作していたんですね。
階段を上ると、
山崎・台峯緑地北管理事務所。
ウッディな、
谷戸の自然と調和した建物。
トイレもきれいです。
山崎台峯緑地の地図を
いただけました。
看板の地図も、詳しくて
分かりやすいです。
奥を覗くと、
静かな谷戸。
ちょっと寄り道^^
山崎小の子どもたちが
耕作している田んぼです。
きれいに畔塗りされて…
もうすぐ田植えですね^^
水が抜けてしまったら大変なので、
あぜには乗らないように
しましょうね。
水の中には、
ホタルの幼虫のえさにもなる
巻貝のカワニナが。
皆さんの力で
楽しみながら、
昔ながらの
今や貴重になった谷戸の水辺の
自然生態系が
守り育てられています。
クワの実も、
美味しそうな色に熟していましたよ♪
懐かしいな…
子どもがまだ2、3歳のころ、
青空自主保育で、
ここでよく遊んだものでした。
こんな豊かな
自然の中で
遊んで育つ子どもたち…
谷戸の自然は、
きっと心の原風景になりますね。
戻って、道を奥へと進みます。
ホタルブクロの花が
咲いていました。
そろそろホタルも出るころかな。
ときおり草刈りされる
農道の斜面のような、
光の差し込む斜面などに
多く見られる植物。
鎌倉の地元の方が、
「昔、ホタルブクロの花に
ホタルを入れると
ちょうちんみたいに光って
きれいだったんだ」と、
目を細めておっしゃっていたお話を、
ホタルブクロを見るたびに
思い出します。
緑の道を進みます。
さあ、台峯緑地へ…!
もう、
やさしい深い紫色の
ナンテンハギの花が
咲いていました。
道の奥には何があるんだろう、
こんな、深い自然にいざなわれる
ワクワク感が、
谷戸の自然にはあります。
特許許可局♪
と聞きなしされる、
ホトトギスの声が
森に深く響いて。
整備されて歩きやすくなった道。
野生生物の保護上大事なところは、
立ち入り禁止になっています。
池のほとりにたたずむことが
できたころが、
ちょっと懐かしいけれど…
一般の人が立ち入れない
聖域・サンクチュアリ、
きっと、今や貴重になっている
谷戸の水辺の生きものたちは
のびのび過ごせて
喜んでいることでしょうね。
ササのトンネルを
進んでいきます。
谷戸の池が、
見えました…!
谷戸の瞳のように…
おだやかに水をたたえる
谷戸の池。
何年か前に訪れたときは、
青いカワセミが飛んでいたのを
思い出します。
谷戸の自然が一体的に保全された、
鎌倉の自然の中でも
貴重なところ。
鎌倉では、今や
数か所しかない
湿地のハンノキ林。
まっすぐに幹が伸びる
ハンノキは、
かつては田んぼの畔などに植えられ、
枝から枝へ棒を渡して
そこに刈り取った稲をかけて干す
「はさかけ」が
行われた木とされます。
さらに進むと、湿地に
ハンゲショウも。
7月初め、葉が
「半」分お「化粧」したように
すがすがしく白い色に
変わります。
これも、貴重になってきている
谷戸底の水辺の環境を
代表する植物の1つ。
三方を山に囲まれた鎌倉では、
丘陵にひだのように刻まれた
谷間一体の空間・
「谷戸(やと)」は
典型的な環境です。
谷戸底には、
丘陵に降った雨が
低いほうからしみ出した
「しぼり水」で
小川や湿地、池ができ、
人々はその水を活用して
田んぼを耕作してきました。
そしてそうした
里山の水辺に適応した
ホタルやカエル、そしてこうした
ハンゲショウのような
動植物が
見られるようになりました。
こうした中、
近代化とともに開発されるところが
増えてきて…
斜面よりも
建物を建てやすい平地から、
開発が進み、
そしてちょうど
そうした場所にあった
湿地や小川、田んぼなどの
谷戸底の水辺環境は
失われていきました。
だから…
ホタルやアカガエル、
ホトケドジョウなど
かつては当たり前のように
普通に見られた
谷戸底の水辺の生きものたちは、
今や貴重になってきて…
絶滅危惧種になっている
生きものもいます。
この台峯緑地も、
かつて20年来の開発計画が
あったのですが…
地域の皆さんの、
熱い想いとご努力により、
鎌倉中央公園の拡大区域として
保全されることになりました。
鎌倉の三大緑地の1つに数えられる
台峯緑地は、
谷戸の環境が一体的に
保全されている、
鎌倉の自然の貴重な宝物です。
公有地として
保全されたということは、
将来世代の子どもたちも、
ずっと、いつまでも、安心して
自然と遊べる場と
なったということ。
ほんとうに、嬉しく思います。
この地ではぐくまれてきた
生きものたちの遺伝子、
鎌倉のかけがえのない
地域の自然、
しっかりと
未来へ手渡すことが
できますね…!
地域で保全活動に
取り組み続ける
皆さんの尊いお姿を
拝見しながら、
この日、この時がくること、
ずっとずっと、
楽しみに待っていました…!
私も、ささやかながら
皆さんで地域の自然を
大切に楽しませていただいて、
自然を「楽しい」「好き」「大切にしたい」
と思う仲間が増えていく
普及啓発活動に取り組んで…
鎌倉散策にご参加くださった
皆さんのご参加費の一部を
鎌倉市緑地保全基金に
毎年寄付させていただきながら、
たとえ1㎠でも多く、
鎌倉の自然の土地を買い上げて
公有地として
未来にしっかりと手渡す
お手伝いをしていけたらと
思っています。
道を登って…
かつて、こうした場所の
シイの木を使って、
シイタケをとっていたんだ、
と地元の方に聞いたことがあります。
株立ちになった木…
昔、人が山の木を間伐して
炭や薪にして使い、
また次の世代の脇芽を育てた、
といい、
循環型のエネルギーを
使っていた…
人と自然が共生していたころの
歴史をほうふつとさせます。
登るうち、別れ道に
道標が。
階段を上って、
見晴らしのいい広場を目指します。
しばらく登って、
明るい雑木林へ…!
すがすがしい木漏れ日が
差し込んで…
心地よく深呼吸。
シシシシ…と
ヤブサメの声も
響いてきました。
東南アジアから渡ってきた、
夏鳥です。
ここは、
地元のボランティアの皆さんが
昔ながらの里山の
雑木林を取り戻そうと
山の手入れをしているところ。
明るい林床には光が届いて
下草が生え、
昔ながらの雑木林の
自然生態系が守り育てられています。
便利な電気やガスが
使われるようになった今、
昔のように、森の木を間伐して
炭や薪をとり
炊事やお風呂のための
燃料とすることが
無くなったことから、
鎌倉の森の多くは、
うっそうと木々が茂る
暗い森になっています。
たとえば
天園ハイキングコースなどでは、
こうした明るい
風通しの良い雑木林は
見られませんよね。
森のすべてが手入れを放棄されて、
暗い森に
なってしまうと…
もともと、
明るい雑木林にすんでいた
生きものたちは、
すみかを追われてしまいます。
鎌倉の森も、
昔はほとんどが、
こうした明るい雑木林だったそう。
人々が山の木を間伐し
炭や薪にしては、
次の代の脇芽を育てて
循環型のエネルギー資源としていく、
里山の森だったんですね。
ところどころで見られる、
こうした一つの株から
いくつも太い幹が伸びる
「株立ち」になった木は、
かつて人々が山の木を間伐して
脇芽を育てていた名残。
人と自然が共生していたころを
ほうふつとさせてくれる
姿です。
地域の、そして地球の
生物多様性を守るためにも、
こうした里地里山の環境を
それぞれの地域で
大切にしていく活動…
心から、
応援申し上げたいなと思います。
どうもありがとうございます…!
見晴らしが開けて…
「ふう…気持ちいい(*^^*)」
正面に、六国見山が見晴らせる
伸びやかな景色。
向こうの山すそに見える
青い屋根は、
円覚寺の屋根。
ときおり横須賀線が
走っていく様子も見られます。
いいなあ…^^
この景色は
私が20年ほど前、
初めて見たころから変わらない眺め。
そして、これからもきっと。
こんな安らかな気持ちに包まれて
この景色を
見られるようになったんだなあ…
ジーンと幸せな気持ちに
満たされます。
シモツケの
やさしいピンクの花が
咲いていました。
ふわふわ細かいピンクのおしべ、
ちらし寿司に乗せる
桜でんぶみたいですね♪
心地よい雑木林に
別れを告げて、
道を先に進みます。
北鎌倉女学院の
グラウンドの上から、
丹沢の青い山並みが
見えました。
さらに下って、
舗装路を行くと…
道沿いに植えられた
アジサイがきれい。
平地に降りて、
バス通りに平行する
趣ある路地を歩いて…
うーん、いい道♪
北鎌倉駅から、
帰途に就きました。
うふふ、
今回は
熱ーく語ってしまいました、
最後までお付き合いいただき
ありがとうございました…!
深い豊かな鎌倉の谷戸の自然に
出会える
山崎・台峯緑地。
皆さんの想いとご努力が実って、
こうして私たちも、
そして将来世代の子どもたちも
安心して
すてきな自然に
たくさんのワクワクをいただける
場となったことに、
心より、感謝。
皆さんにも、
鎌倉の谷戸の自然の
豊かさを、
楽しく感じていただけたら
嬉しいです(*^^*)
+.。.♪. * . 。. +・ * ・+.。.☆. * .
村田江里子
1ランク上の贅沢な時間…
人生が200%輝く鎌倉花さんぽ!
鎌倉フラワー&ネイチャーガイド
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連続講座「花をたずねて鎌倉歩き」
楽しみながら、自然の力に…!
講座ご受講費の一部を、
鎌倉市緑地保全基金に
寄付させていただきます。
*好きを仕事にして
羽ばたきたい方は…
+.。.♪. * . 。. +・ * ・+.。.☆. * .