彼女は狐につかれたんだと
何処の誰が言い始めたのかもう覚えてない
道を歩けばたくさんいしを投げられた
でも何故彼女がいしを投げられるのか分からなかった
狐につかれるのは何故悪いことなのか
誰も教えてはくれなかった
ただみんな同じ顔をしていしを投げるだけだった
神や仏に救いを求めた
何故彼女がこんな扱いをされなきゃいけないのかと
でも神も仏も何も答えてくれなかった
それならもういっそ…
あくる日彼女が安らかな顔をして眠っていた
ひんやりとしたその体を抱きしめ
彼女は元に戻ったんだと思った
元に戻った彼女を車椅子にのせ
外で散歩をしていると
風に乗って村の人達の声が聞こえた
曰く僕は悪魔に魅入られたのだと
悪魔がなんなのか分からなかった
でも誰も石を投げなかった
とても静かな日常だった
僕は幸せだった