ありのままの自分を認めることなんて出来るわけない。それを認めてしまったら、自分が不良品であることをいらないものであることを認めることになるじゃない。それでもあなたは認めろというのね。

ねぇ、知ってた?あなたの為と思っている労いの言葉さえ、私があなたに捨てられないようにする私の自己満足でしかないのよ。私は私が1番で、私が1人でなければ誰でもいいの。そう。誰でもいいのよ。あなたでなくても。

だってあなたには寂しいという言葉一つ言えないんだもの。面倒事を言わない私ってほら、都合がいいじゃない。これが求められてた姿なんじゃないの?違うの?じゃあ、何が正解なの?行かないでって、服の袖でも引っ張ればよかったの?それが望み?

ねぇ。そろそろ私の事嫌いになった?嫌いになってくれた?こんな私嫌いでしょ?嫌いだよね?要らないでしょ?要らないよね?そうと言ってよ。ほら、私を嫌いになって。そして私を捨ててよ。

あなたの求める私でいるのはもう疲れたの。

ねぇ、何であなたはここにいるの?何の為にここにいるの?私は十分頑張ったでしょ?それとも何。まだ私に頑張れとでもいうの?

私ね、好きだったの。寝ぼけたあなたが私を違う人の名前で呼んでいても。私なんてその目に写っていないとしても。でも。もういいでしょ。こんな茶番続けなくてもさ。

こんな気持ち知りたくなかった。こんなに苦しいなら痛いなら最初から知らない方がよかった。期待なんてしちゃいけないのに。求めちゃいけないのに。この世に永遠なんてあるはずがないことを私はずっと知ってるのに。

ほら、今ならあなたは悲劇のヒロインになれる。頭の狂った女に惑わされてたっていってあの人の元へ行けばいいじゃない。きっとあの人は親身になってあなたを慰めてくれるから。



A:死にかけておるな。人の子。

B:死にかけてるよ。てかもうすぐ死ぬかもね。

A:まだ生きたいか?

B:んーどだろ。

A:ではこのまま死にたいか?

B:それはやだな。迷惑かけたくないし。

A:面白いことを言う ならばお前の望みはなんだ?

B:…消えたいかな。

A:消えたい?

B:この世界から消えたい。私が最初から生まれなかったことにしたい。

A:ふむ。いいだろう

B:出来るの?

A:無論。

B:すごいね。

A:ただ、お前を消してしまうのは面白くない。

B:へ?

A:そういえば、友人がよく持ってきていた本は死んだら違う世界だったという展開が多かったな。

B:あー最近よく見るね。

A:だから、お前をこの世界ではない世界へと飛ばすことにする。

B:まじか。

A:嬉しいか?

B:微妙。

A:そうか。

B:でもまぁ、私をこの世界から跡形もなく消してくれるのならなんでもいいよ。

A:変なやつだ。

B:そうかもね。

A:では、契約成立だな。

B:あ、ちょっと待って。

A:なんだ。

B:契約ってさ対価とか必要になるんじゃないの?

A:これはただの暇つぶしだから別にいい。それに、奴には貸しが沢山あるからな。

B:でもなんかさ、もやもやする。

A:もやもや?

B:私があなたにおっきい借りを作ったままとかなんか嫌だ。

A:そうか?

B:うん。

A:ならば、そうだな。お前の名前を貰おうか。

B:名前?そんなのでいいの?

A:ああ。名前がいい。

B:変な人だね。いいよ。私の名前あげる。

A:これでお前の名は私のものだ。

B:うん。

A:そろそろ時間か。

B:時間?

A:では、良き人生を。

B:何かよくわかんないけどありがと。またね。

A:ああ。また。






 
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
 
 
掛け合い
A:
B:
(敬称略)
 
 
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++





A:今日は。本日担当させていただきます、佐藤です。よろしくお願いします。

B:よろしくお願いします。

A:昨日はよく眠れましたか?

B:はい。

A:それは良かったです。何か不満がありましたらなんでも仰ってくださいね。可能な限りご期待に添えるよう努力しますので。

B:ありがとうございます。

A:それでは、

B:あの。

A:…どうされましたか?

B:私に面会者とか来てませんか?

A:いいえ。誰も来てませんよ。

B:そうですか。

A:ええ。

B:母はこの事を知ってるんですか?

A:あなたのお母様ですか?

B:はい。

A:勿論知ってますよ。

B:…何か言っていましたか?

A:いえ、何も。

B:…何も?

A:はい。何も。

B:そうですか。

A:…

B:…

A:顔色が悪いですね。今日はもう、やめておきますか?

B:…

A:わかりました。それでは失礼します。

B:…