台風4号が日本を縦断して東海道新幹線も停まっていた7月16日(日)、オーチャードホールで『イドメネオ』聴いて来ました
指揮・チェンバロ:チョン・ミョンフン
管弦楽:東京フィルハーモニー管弦楽団
イドメネオ:福井敬
イダマンテ:林美智子
イリア:臼木あい
エレットラ:カルメラ・レミージョ
大司祭:真野郁夫
海神(ネプチューンの声):成田眞
合唱:東京オペラシンガーズ
数年前にも同じオーチャードホールで「イドメネオ」の演奏会形式(オペラコンチェルタンテシリーズ)で聴いたことがある。
イドメネオの福井さんと海神の成田さんは同じだったように思う。
イダマンテはテノールの吉田浩之さん、イリアは幸田浩子さん、エレットラは緑川まりさんだったように記憶する。指揮は沼尻竜典さんだった。
その時は合唱の東京オペラシンガーズの合唱指導に我らを長岡で合唱指導して下さっている船橋洋介先生がなさるというので、出かけたのだった。
当時「イドメネオ」という作品自体を聴いたことは無かったけれど、非常に迫力があって魅力的な作品という感想を持ったことを覚えている。
そもそも今回は注目のソプラノ臼木あいさんが出演されるというので出かけようと思った公演だった。
福井さん、成田さん、東京オペラシンガーズという前も感動を与えてくれたメンバーが揃っているし、マエストロがチョン・ミョンフンというのも魅力的だった。
結果は予想をはるかに超えて良かった
マエストロ、チョン氏のオペラは藤原歌劇団、韓国歌劇団共催だった「蝶々夫人」以来だろう。あの時も鳥肌が立つような感動を覚えたのを覚えている。
ひとつ気がかりだったのは東フィル自体の演奏の質のこと・・・。
「もしや2軍があるのでは?」と思うくらい雑な演奏をすることがあるのは確か
5月の藤原「リゴレット」もそうだった。
リッカルド・フリッツァの腕をしてもどうにもならない演奏だった
しかし6月は違った
新国立劇場で「ファルスタッフ」「ばらの騎士」を連日観たが、どちらもオケピには東フィルが入っている。
「ファルスタッフ」はダン・エッティンガーがオケを鳴らせ過ぎている感は否めなかったが、演奏は概ね良好。翌日の「ばらの騎士」に関してはウィーンの雰囲気が漂い、日本のオーケストラでもこんな演奏ができるものかと感心した。
そして今回の「イドメネオ」は素晴らしかった~やっぱり指揮者にもよるのだろうか???
緩急自在なマエストロの手腕に感動し、オペラに酔った。
福井さんのイドメネオ、相変わらずの安定感。かなり幅広い役柄を演じられておられて「この役は福井さんが適役なの?」と思う役柄を演じられることがあるけれど(「ルル」のアルヴァはこの弱い男を演じるのにもっと適役なテノールは東京二期会にいないのかと不思議に思った。)、このイドメネオに関しては王たる威厳に満ちた輝かしいテノールに拍手。
林さんのイダマンテがまた出色の出来。
この方も結構器用な方でいろいろな役柄を演じておられるけれど、艶のあるビロードなようなメゾの歌声で強い声を持っていらして、イダマンテはとてもよく彼女にあっている。成長著しいメゾソプラノ。
臼木さんのイリアは一途にイダマンテを思う心と王女の気品を保ち、美しい声で歌いあげた。
思うに彼女の声は「生理的快感のあるソプラノ」なのではないかと思う。鈴の音のように心地よい声だった。
レミージョは最初、嫉妬に狂うスピントなソプラノが歌うことが多いエレットラだけに「???」と思ったが、彼女の声は実にモーツァルトに合っている。
最終場面の激しいアリアも確かな技巧で歌いあげた。
東京オペラシンガーズがまた実にいい。
カーテンコールで合唱指導に出てきた人物を見てびっくり、以前「イドメネオ」を上演した時と同じ、船橋洋介先生だった・・・
あれ?朝まで長岡で納涼会に出席しておられなかったっけ?