オレンジハウスでの新生活が始まり、これで落ち着いた暮らしが出来ると思っていたのです...が、そうは問屋がおろしてはくれませんでした。
実は、まだ私とヨシヨシがこの家に通いで来ていた時から、一つ気にかかっていたことがあったのです。
それは、私達が二週間程通っていた間、両隣の子供達とママさん達は、朝早くから夕方(ん、夜)の8時近くまで、雨の日以外は殆ど、毎日のように家のドアを開け放ち、外に出ずっぱりだったということにです。
この時期のイギリスは、夜の10時ぐらいまで明るいので、8時前といってもそんなに遅く感じられないのは事実です。
この長屋のフロントガーデンは、隣同士の低い柵はあるものの、殆どあってないような状態で、子供達は平気で私達のフロントガーデンもちょくちょく使って遊んでいました。
今考えると、間に挟まれた家というのは、状況によっては良くも悪くもなるのです。
それはそれで別によく、最初の内はご近所付き合いだと思い、私達も外に出て一緒に遊んだりしていたのですが、それが毎日ともなると、そんな状況に慣れていない私としては、だんだんと苦しくなってきました。
そんなある日、こんな事がありました。
ドアを開けっ放しにしていると、いつの間にか23番に住む一人っ子のケイルブが、勝手に入って来て、家の中を色々と探索しだしたではありませんか。
こんな事があったのも重なり、私はたった1、2週間でこの状況に嫌気が差し、その後は、殆どドアを開け放つこともなく、主人がいない昼間は、家の中に閉じこもるようになってしまいました。
私としては、「こんな筈じゃなかったのに~」という思いでいっぱいだったのですが...。