さて、生まれたてのベビちゃんを助産師さんが処置している間に、先生は私のカットした部分を縫合してくれました。
「ちょっと思ったより出血が多かったから、点滴するよ。その間、ここで暫く休んでて。その後、病室に戻っていいから」
そんなに、出血したように自分では感じられなかったのですが、出産の一部始終を目の当たりにしていた主人によると、結構なの量だったようで、何だか悲しくなったみたいです。
私自身はすぐにでも、生まれたての産着に包まったベビちゃんを抱けそうだったのですが、先生が私の体力が消耗しているから、今は抱かない方がいいと言ったので、最初のベビちゃん抱っこはお預けとなってしまいました。
私が点滴しながら2時間くらい休んでいる間、主人は花束を買いに町へと出て行ってしまいました。
町といっても、廃れ心地の町なため、駅前でカードを使える店が全然なかったらしく、主人はがっかりして戻って来ました。
昨今の西洋人にしてみれば、ほとんどの店でカードが使えるのは当たり前で、まして日本は先進国、カードが使えて当たり前と思っていたみたいです。
その時まで、私がほとんど日常の買い物でお金を出すか、彼にお金を渡していたので、そういうことには気がつかなかったようです。
途中に立ち寄った英会話スクールの受付で、カードで買い物が出来る店がないか訪ねたところ、唯一、ティー内の花屋さんだったらカードが使えるだろう、と教えてもらったそうです。
しかしながら、駅前からティーまで車で10分、徒歩だと40分くらいはかかる距離です。
2月の空は暗くなるのが早い訳で、時間的にも歩いて行くにはちょっと...と思った主人は、そのまま手ぶらで病院に戻って来ました。
これまでの所、主人が先進国であるはずの日本のギャップにがっかりした点は、カードの使える場所が限られているという事と、未だに存在するぼっとんトイレにです。
まー、私としてみれば、何でもハイテクに頼り過ぎるのは、それが使用不可能になった時のことを考えると、かえって恐ろしい気がする訳で...。
結局次の日、主人は病院に来る前に、家の近所のティーに寄って花束
を買って持って来てくれたのでした。
勿論、支払いはカードという事で...。
ダディちゃん、きれいな花束ありがとう!