陣痛がいよいよ激しくなり、助産師さんと先生は、ベビちゃんがスムーズに出て来れるよう、私を励まし誘導してくれました。
主人も横で心配そうに私を見ています。
...が、いくら私が息んでも、中々ベビちゃんが出てくる気配はありません。
程なくして、助産師さんが私に「ヒーヒーフー、ヒーヒーフー」の呼吸法をするよう促してきました。
待ってましたの「ヒーヒーフー」です。
初めの方の「ヒーヒーフー」は、襲ってくる陣痛と共にうまく合わせることが出来なかったのですが、それに慣れて来た矢先、不意に先生が言いました。
「ちょっと出口が狭いようだから、カットするね」
「はい」
どうもベビちゃんの頭のわりに、私の産道の出口が小さかったようで、先生はその部分をカットし始めました。
陣痛のものすごい痛みに比べれば、カットの痛みなど蚊にでも刺されたようなものでした(一応痛かったですが)。
そんなこんなで踏ん張っているうちに、ようやくベビちゃんが頭を出し始め、その後、長男ヨシヨシが無事生まれて来てくれました。
時間は土曜の午後3時45分。
ほんの先程まで、私のお腹の中にいたベビちゃんが、この世界に生を受け、私達と同じ空気を吸い始めたのです。
何と不思議なことでしょう。
この時私は、神様は人間の想像を遥かに越えた、本当に素晴らしいお方だと、身に染みて感じた瞬間でした。