ヘンリーおじさんと会うんじゃなかったと後悔しながら、シェアハウスに戻った私...。
この日、七時から本当にホームグループという予定が入っていたので、おじさんに言った事は嘘ではありませんでした。
Mちゃんにも、その日会ったおじさんとのエピソードを打ち明けたところ、「気をつけなきゃだめだヨ!」と渇をいれられたと思います(ホント、気をつけないと...)。
そんな事もあり、私はヘンリーおじさんを有頂天にさせてしまったようで、益々家に電話
がかかってくるようになっていたのです。
またまた私は皆にお願いして、居留守作戦を使っていました。
それで、おじさんは電話では埒が明かないと思ったのでしょう。
ある日のこと、ナント、私が授業を受けている教室まで、やって来てしまったではあーりませんか
(何でここまで来ちゃうかなー。)
おじさんが来た事で、授業は中断。
教室の皆は、「あの人誰?」みたいな感じに...。
勿論、先生のモーリーンは、不信なおじさんヘンリーを教室の中には入れようとせず、ドア越しで事情を聞いていました。
それから、モーリーンは彼を廊下で待たせて、私に尋ねてきました。
彼女は心なしかそわそわしています。
モ 「彼を知ってるの?」
私 「ええ。」
モ 「翻訳機を返して欲しいって言っているわヨ。」
私 「あ、これの事です。すみませんが、先生からこれを返してくれ
ませんか?
私、あのおじさんに付きまとわれて、困ってるんです。」
モ 「分かったわ。先生が適当に言って帰ってもらうから...。」
私 「ありがとう。」
そんな感じの会話をモーリーンとし、彼女はミニ翻訳機を私に代わって、おじさんに返してくれ、今は授業中だから、引き取ってもらいたいということを伝えていたようでした。
そして、そこはおじさん、常識があるらしく、それ以上押してはこず、その日はそれだけで帰ってくれたのでした。ホッ...
ヘンリーおじさんが教室を去った後、モーリーンは異常に浮かれていました。
まるで理想の相手に巡り会えたかのように...。
その様子を見て、私たちは「モーリーンとおじさんがくっつけばいいんじゃない」、みたいな事を言っていたと思います。
年齢的に同世代みたいだったので...haha...。
ホント、そうなってくれたらどんなに嬉しいことか。
そんな出来事があった後、私は急遽、中学時代からの友人の結婚披露宴に出席するため、二週間ほど日本に戻る事になったのです。
そして、これを機会に、ハウスの子達には、へんりーおじさんから電話が来たら、私は日本に帰ってしまって、もうここには住んでいないし、戻ってもこないと伝えてくれるよう託けして、5月に久しぶりの日本に一時帰国したのでした。