ぺいクレのサシトークの書き起こしをして(書籍化の際はいつでもデータ提供するよミキさん❤)、カミングアウトの話をあらためて文字に換えながら自分のことを思い出していました。
わたしが初めて女の人を好きになったのは17歳のときでした。とても聡明で、わたしが今までに出会ったなかでもっとも美しい名前の人でした。
女子校というのは大概にしてそういうところで、まわりも女同士でくっついたり別れたりが日常茶飯事で、振り返ればおままごとのような、ほとんどの恋人たちにとっては刺激のない箱の中のひとつの『ごっこ遊び』だったように思います。
わたしだって男の人も好きだし、プロポーズされたり(付き合ってないのに)、一緒に暮らしたりとか(付き合ってないのに)、いままでの人生の中で一応あった。え、なに?
だから自分がセクシャルマイノリティ、いわゆるLGBTQだという自覚はあまりなかった気がします。てか今もない。
わたしも『〇〇だから』でいじめられたことはないけれど、それでも傷つける意図を持ってして投げつけられた言葉は一生、墨汁ぶっかけられたみたいに染みになって消えないし、罪悪感や劣等感はずっとある。
親に孫の顔を見せられなくてごめんなさい、“普通” に男の人と結婚して子どもを産んでお母さんになれたはずの彼女を巻き込んで『当たり前の幸せ』を取り上げてしまったことも。
わたしは今とても幸せだけれど、それはいくつかの不幸せや諦めと引き換えに成り立っているものなんだとわかってる。
ぺいちゃんは「自分がゲイで悩んだことはない」と言ってたけれど、これまたわたしもないんだけど、たとえばノンケと真剣交際して幸せに暮らしていて、相手がなにげなく「子ども欲しいな〜」って呟いたときにしか分からない気持ちはあるよ。ぺいちゃんは知ってるかなあ、知らないでいてほしいですけど
12年前にいまの奥さんと付き合った当時の友人以外にカミングアウトをしたのは二丁ハロに出会って8ヶ月後のことでした。
「言うことだけが正義じゃないよ」と、心配そうな顔をしてぺいちゃんは逃げ道をくれた。いま思えば、その頃まだぺいちゃんはカミングアウトをご両親にはしていなくて、わたしに言ってくれたことはそのままぺいちゃんの理由だったのだと思います。生誕でも言ってたね。
そのときはtwitterのフォロワー各位と弟に、それから1年半あとに両親に、そのさらに1年後に結婚(パートナーシップ)をして「この人です」ということをおおやけにしました。
いつだってすごく緊張した。けどフォロワーに関しては二丁魁を応援してる人たちだから大丈夫だろうなって目測もあった。
ぺいちゃんのおうちは「認めたくないというか途中放棄くらいの」と言っていたけれど、まあうちの両親も遠からずで、把握はしてるけど歓迎はしてないみたいな感じです。“でもそれってリアルだなって”、ほんとうにそう。
リアタイできなかった該当部のサシトークをアーカイブで見て、思わず途中で止めて「ア゛ーーーーーーー」って泣きながら声を上げてしまった。
「親にはずっと言わないで良いかなと思ってて、なんか自分、それこそ生きている十字架の責任を親と分け合うじゃないけど、親の負担になっちゃうんじゃないかと思って」
おなじことを2019年の冬に聞いていた。
わたしがおなじことを生誕祭のすぐあと手紙に書いて、渡した次の日にぺいちゃんが「おなじなの、あたしもそれを生誕で言おうと思ってたの」って教えてくれた。
「カミングアウトよく頑張ったね」
「あなたもね」
頭を撫でてねぎらいあった。オタクキモくてすみません。
わたしとぺいちゃんは立場も家庭環境もまったく違うけれど、「おなじ」だと、分け合わせてくれたことが苦しいほど嬉しかった。
それはいまも、徐々にジャブを打ちながら、ああ誰かのカミングアウト配信みたいに感動大作になんかならなくたっていい、わたしは、わたしたちはぺいちゃんの選んだ正義を何回だって肯定するし、きっとわたしの選んだ正義も間違いではなかった。
そんなことを思ったサシトークでした。
最近はよくぺいちゃんからケンジ(彼氏💛)(2年半前からいる)(いない)の話をされて、わたしそのたびにキレちゃうんですけど、でもいつか『男の人が好き』のカミングアウトじゃなくて『ケンジのことが好き』って愛の告白で泣いたり笑ったり誇らしくなるぺいちゃんが見たいなあとも思います。
そのときはまた「よく頑張ったね」って言いたいし、また果たし状書くからちゃんとケンジに届けてねぺいちゃん!
(でもミキさん曰く「あたしとぺいちゃんに彼氏が出来なかったらあなたたちと4人で結婚する」らしいのでそれはそれでOKウェルカムです!!!!)(わたしはミキさんと結婚するので、うちの奥さんとぺいちゃんは養子に入っていただきたい所存です)(カオス)
ぽゅちゃんも、くれちゃんも頑張った。
セクシュアリティーを全世界に公開するというリスク(現状それはどうしてもそう)を負ってでも、二丁魁に入ってきてくれてありがとうって心底思うよ。
二丁魁で幸せになってね。わたしも幸せにしますし、一緒になりましょう。
ミキちゃん、
「カミングアウトしようと思います」と伝えた日にミキちゃんが言ってくれた。
「あたしたちが普通に言える時代を作るからね」
わたしは奥さんと手をつないでその時代に行くよ。信じてます。よろしくね。