kitixxxgaia(東京)/大森靖子 | quarters

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いろんなライブの記録。二丁目の魁カミングアウト・きのホ。・ONIGAWARA・ RAG FAIR・ズボンドズボンなど。

SET LIST

ドグマ・マグマ
非国民的ヒーロー
イミテーションガール
きゅるきゅる
地球最後のふたり

ピンクメトセラ
LADY BABY BLUE
マジックミラー
夢幻クライマックス
M
最終公演
オリオン座
君に届くな
あまい
TOKYO BLACK HOLE
音楽を捨てよ、そして音楽へ
アナログシンコペーション

[encore]
draw(A)drow
ミッドナイト清純異性交友
IDOL SONG
絶対彼女



会場に入ってまず目を引いたのがガイア・ドグマ・マグマと3枚並んで掲げられたバックドロップ。そしてピンクの花々で飾られた大きな十字架にドラ、安心ナナちゃん。
BGMで提供曲が色々かかってましたが、ずんねの尊みがすごい。


スタート。あのBGMはなんて曲なんだっけ、神判みたいなやつ。もう最初からゾクゾクする。始まった瞬間、嘘みたいに温度がスッと下がった。ライブって大概 “アツい” ものなのに、今日のライブはとても寒かった。空調もだけど、それだけじゃなくて、ステージがとにかく特異だったからだと思う。
白いベール(パーカー?)を纏ったドレスの大森さん。マリア様のようで、だけど間違いなくそれは戦闘服だった。スカートだったかベールだったかの裾を両手で摘んで頭を下げて、今から始めますよの合図というか、儀式のように。

ステージの真ん中で十字架背負ってドラ叩くバチを真正面に向けて、「感情のステージに上がってこい」。力いっぱいドラを打ち鳴らして、超移動式楽園キチガイア最終公演スタートです。あまりに神々しくて目眩する。ここどこだ。超移動式楽園キチガイアって何なんだよ。

『ドグマ・マグマ』♪ふぁっくYOU で腕を交差する十字架。咎とか業の集積地みたいな。

『非国民的ヒーロー』ではヒーローポーズする大森さんかっこいいし、客席ダイブするし、客と大森さんのサビの掛け合いが呼応してる実感あって嬉しい。

「イミテーションガール!」の早口の曲振り好きだし、一面の青い照明で終わるのめっちゃ綺麗だったし、そっからきゅるきゅるはね、わたしきゅるきゅる新規だからあの時の感覚がぶわっと全神経に来てぐらぐらするよ。ロビーに道重さんからのお花来てました。

『地球最後のふたり』はだをちゃんのところも一人で。わたしの見える範囲では一人だけフロアで青サイを振ってた人がいて、この曲とか『LADY BABY BLUE』とかすごく、なんか、“一人だけ” ってのも相俟って良かったです。孤高で、折れなくて。だをちゃん青だから。


MCはここ一回だけで、あともうぶっ続けで最後まで。「みんなが今まで作ってきた全部をここで見せて、今日も一緒に音楽作りましょう」みたいな、一言一句間違えず覚えておける脳みそがあったら良かった、こんな要約書いたって陳腐すぎて何も伝わらないけど、そんなような言葉で。

「そんじゃいのち賭けで逃げよう。『ピンクメトセラ』」


足元からフットライト的なものだけでピンクの光、それにお客さんのステッキの光で、ピンクが地面から霧のように立ち上ってくる。すごく美しい光景でした。そこに木漏れ日のように白い光が降り注いで大森さんだけを照らして、リンシノモリはこんな夢みたいな場所だった。

私。さんがステージで舞って、これがめちゃめちゃ、めちゃめちゃ凄かった。ミスiD2017のSFから存じ上げてましたが、パフォーマンスを見るのは初めて。目が離せない、圧倒的な存在感で、異質だった。今まで黒髪ロングのアイドルちゃんが踊る時って髪の毛バッサバサ空を切っているイメージだったけど、私。さんは身に纏う空気が真空で、音さえないように踊ってた。小柄な体ですごく力強くて、しなやかなのに揺るぎない芯があって、ターンがあまりにも美しかった。すごいな。全然うまく言い表せないな。
あとにゃんにゃん靖子かわいい。


『LADY BABY BLUE』は「無かったことにされたくない」って言ってれいりえが作ったMV思い出しながら聴いた。どんどん “無かったことにされない” 曲になっていく、とても尊い過程を見ている。


『マジックミラー』はギターで。最後肩に背負って客席を睥睨する大森さんはやっぱり神様だった。

新🌎zの皆さん掃けて『夢幻クライマックス』。なんか腰細いお姉さんたちいっぱい出てきた!!と思ったらアプガ!!大森さんも一緒に踊ってストロボの照明でシルエットがとてもかっこよかった。

シュガビンさんだけ出てきて鍵盤だけの『M』。たぶんまこりんを思い浮かべた人いっぱい居たと思う。わたしも。

新🌎z戻ってきて『最終公演』。キチガイア最終公演だって思うと『歌をうたえば最後の祭り』が、永遠の楽園のキチガイアがここで円環になって不滅の奇跡のような、なんかよく分からんけど、最後(最後とは言っていない)みたいな、よく分からんけど


『オリオン座』の合唱。わたしはライブでお客さんが合唱したり、手を繋いでワー\(^o^)/\(^o^)/ワー ってするのとかあんまり好きじゃないんですけど、でもこの曲は大きな声で歌った。大森さんが腕でオリオン座を象って、目印があるからここを目指せば良いんだって安心した。導いてくれる彼女はとても美しい顔をしていた。


椅子に腰掛けたり床に倒れ込んだりして『君に届くな』。
『あまい』はヤバかった。語彙なくなる。臨死体験だこんなの。「東京!!!トーキョー!!!!!」って大森さんが絶叫して、世界が反転するみたいな、反転?無効化?狂いそうになる照明。真っ赤な、何十回とめくるめく速さで明滅する光。

そっからのTBHが一番痺れた。それぞれのスマホの中に神様が無数にいる時代に、質量のある大森靖子という神様がいま 東京 に存在することは必然なんだと思った。磁場的な話。


『音楽を捨てよ、そして音楽へ』。“基地ガイア” は魔法の楽園だと思ってた。けど、ほんとは魔法なんて無くて現実で、ライブが終わったら繋がりあった瞬間も形に残らず消えてしまうし、クソ平凡な日常はつづく。
でも音楽は、
ってわたしにはそんな曲でした。音楽でわたしはわたしの神様の大森靖子と触れ合えたから、御加護あるから、だから大丈夫なんだよ。

新🌎zのメンバー紹介で各ソロ。めっちゃかっこよかった。前に出てきたサクライさんとハグして、サクライさんの頭をくしゃっと撫でる大森さんの母性。

マイクスタンドで撃ち殺される気がした。その後殴り殺されるかと思った。2500人の生殺与奪の権利完全に大森さんが握ってた。


本編ラストは『アナログシンコペーション』。今回のアルバムで一番好きな曲。ひときわピンクの光が綺麗で、希望も絶望も全部包み込む光景でした。♪Hey Joy,ur〜から大森さんが指揮者のように指を振ってわたしたちを導いてくれた。旗を掲げる聖女の、ドラクロワの絵画を思った。


みんなが今まで生きてきて培ってきたあれもこれも全部逃さず拾って、それで音楽ができます。音楽があるから生きていけます。みんなのおかげで生きられます。
愛とか時間とか、お金とか、全部全部、人生とかここに持ち寄って、注いでくれてありがとう。

たぶんそんな話だったと思います。こんな風に勝手に薄っぺらい文にして書いたら、さぶいぼ出ちゃうくらいつまんないただの文字の羅列になって大森さんはいやかもしれないけど。

「これからも一生愛させてください。愛してます」
この声だけは耳に確かに残ってる。涙声で、なにより尊い告白に思えた。




アンコは新🌎zが1人ずつ登場。最後にピンクのミニワンピのめちゃめちゃかわいい大森さんが出てきて完全にアイドルちゃんだった。「かわいいー!?」って大森さんが訊くから「「かわいいー!!」」って全力で応じる。
昔はこんな風に訊けなかったけど、大森さんが道重さん好きって毎日言うのも、自分的には今日好きで明日も好きなの自明だけど、世の中的には伝わってないかもしれないから毎日言うんだよって話で、だからわたしも毎日靖子ちゃんかわいいですねって言われたいし、“好きだから敢えて貶す” とかも分かんないからちゃんと「(好き)」って書いて、っていうお願い。

ギターの畠山さんがカレーパンマンみたいだって話。「カレーパンマン一番人気ないよね(笑) バイキンマンのが意外と人気あるから」

「エゴサしてると『大森靖子とヤった』ってバンドマンがいっぱい出てくるんだけど、よく覚えてなくて分かんない人と、あーヤったかもって人と、お前とは絶対ヤってない!!って人が居てごちゃごちゃするので、みんなも今日『大森靖子とセッ〇スした』って書いといてください。上書きセッ〇スしよ!大森靖子とセッ〇スした人ー!」\\はーーい♡//

「セッ〇スセッ〇スありがとー!!セッ〇スセッ〇スありがとうってwww 初めて言ったwww」
最終的になぜか2500人みんなで叫んだ。セッ〇スセック〇ありがとう!!あとライブ後twitter検索したらみんな『大森靖子とセッ〇スした』って書いてて2500Pヤベェなって思った。


『絶対彼女』のソロを賭けた不幸アピール大会。「同じ部活の女がムカつく」「足がめちゃくちゃ臭い」「妹と絶縁した」「付き合ってた相手が結婚してた」と各種闇取り揃えてますが、優勝は「4年付き合ってた彼女が妊娠してた」って叫んでくれた女の子ですソロ即決ですおめでとうございます!!!!なんかどの角度から見ても大森さんのライブっぽくて笑い事じゃないけど笑えてくる。これはキツいな。

みんな元気良く挙手して不幸叫んでた。キチガイア変な磁場だから、どんな不幸でもトランスレーションして、2500人で拡張させて過失割合なんか無効化して、その人にとっての正義が正解になってた。すごい次元だなと思いました。大森さんが司る世界だから。


アンコはアゲ曲で。音楽やってると自分の曲でも昔と解釈変わってくることもあって、「音楽は魔法じゃないけどあたし実力あるしみたいな(笑)」って笑う大森さんは無敵だった。



初披露どろどろ!赤と青の照明。よくある色の組み合わせなのに、見たことないくらい凶悪な赤と青だった。絶対に混ざりあわないで光の三原色の仕組みどこ行ったよってくらい、透明になんかなるわけない。

ミッドナイトはピンクの海が美しかった。何度見てもピンクの海は宇宙で、なんだって浮沈して飲み込んでる。哲学だ。


IDOL SONG!靖子かわいいよーーーー!!!!靖子かわいいよーーーー!!!!アイドルの希望とか絶望とか光とか深淵とか歳を経ることの無情とか刹那性とか詰め込まれた、ある意味これもトーキョーブラックホールだと思った。30歳だけど揶揄とかじゃなくて、単純化して皮肉るのでもなくて、アイドルの概念そのものみたいな、アイドルの粋が詰まった曲でした。楽しかった。お客さんが「「はい!!」」挙手するのも。みんながアイドルだよ。


『絶対彼女』は、さっきの女の子が「絶対女の子がいいね」って歌うのえぐい。泣きそうになってしまった。生まれ変わっても絶対女の子がいい、付き合うなら絶対女の子がいい、知らない男との間に生まれる彼女の赤ちゃんは絶対女の子がいい、どれだって。君もかわいく生きててね。

たくさんの童貞やJKやハゲがそれぞれに声を上げて力いっぱい歌って自己主張して、わたし以外の人間が沢山いるんだな世界はってここに来てしみじみ思った。命を持ち寄って基地ガイアできてる。



「全部見せてくれてありがとう!!愛してる!!」って大森さんが叫んで、最後の最後、生声で言ってくれた言葉。


「あなたがあなたのことを醜いと思っていても、ここに集まった、みんな、みんな、嫉妬もできないくらい圧倒的に最高でした!それを覚えておいてください!!」


届いた。マイクを通さないで、直で、空気の振動で。わたしは自分のことを劣っていると思うけれど、大森さんが神様をしていてくれる世界にこんな肯定があるのなら、大森さんの言葉を嘘にしないために生きようと思った。


そんな感じです。地伝いで帰りたくて、電車じゃなくてバスで帰った。いいライブだった。夏だった。
また会いに来ます。ありがとうございました。ツアーお疲れ様でした。