流暢な鍵盤では決してないけど、昔みたいにはらはら見守る気分ではなかった。うま
く言えないけど、健ちゃんの世界に浸ってるのが心地良くて、余計なものを剥がして落としていくようだと思った。
入れ替わってかのたそ。かのたそも鍵盤前に座ったぞ!見慣れない光景すぎる!納「初心者だからこうなっちゃうのよ」左右の指が同じ動き。納「動きが平行になるの」
でも同じコードの繰り返しで、弾けそうな曲を見つけたと。
2音目で分かる。思わず顔を覆った。だってわたし涙目ですもの。その2秒後くらいに客席はざわめき。
サトシの音だ、ってわたし最初に思った。
ぎこちない、いやもうほんっとにぎこちないイントロだけ弾き切るとオケIN、スタンドマイクに切り替え。ひょあぇうぁーーー!!!会場のかのヲタが狂喜の声を上げたのは勿論、わたしも声にならない叫びを発したとも。凄まじい、凄まじい色気が…。この色気に当てられて正常な思考回路は保てる筈もない。ミラーボールも回りますよ。
ああ駄目だ…思い出しただけで指が覚束ない。低音と高音を巧みに使い分けるんだよ…スタンドマイク使いがえろいんだよ…。
でも浮かぶのはやっぱりHALL Rallyの6人の姿。間奏にコーラスを探してしまう。ああ、ないのか、って思ってどうしようもなく途方に暮れてしまったりもするんだ。
ラスサビが♪日曜の夜が~になって、♪君に 君に 君に聞きたいことが~ってお客さんを指差してくれてね…あまりのセクシー孝政にわたし蒸発してしまいそうだよ…。
さて荒井くん再び。健「ミラーボール回ってたね」納「頼んでないけどね(笑)」そして椅子に座ったかのたそはギターを手に。健「前からギターやってるよね」納「何回かFCイベントでやってるんだけど全然うまくなんないんだよね。1年に1回しか練習しないから当たり前なんだけど。つないでて」チューニングタイムにつき、場のつなぎを荒井に任せるかのたそ。それを無謀と言うのだよ…!
結局何の話もないままチューニング終了。納「俺のリクエストで、CIRCLEと言ったら『CIRCLE』」ざわめく会場。納「アルバム『CIRCLE』から『嘘をつかないで』」健「ありがとうございます」
お…おお…おおおおお…もう…呼吸が、乱れる、レベル…。くらくらするよパパ。えっ、今日何なの?えっ?わたしの命日?
ギター弾き始めるもちょっとミスって、納「あ、ごめん」健「良いよ」その後会話もないまま曲を始めて、かのたそのギターの上で健ちゃんが悠々と歌う。
これは無理、言葉で言い表せない、なんかもうやばかった。健ちゃんが、なんか、すごい。あ、のびのび感がすごかった。軽いようで、重くもあって、鉛のようでもあって、羽にも思えて、一瞬たりとも気を抜けないし目も逸らせない。いやごめんほんと「すごい」しか言えないんだけど。
最後の♪Please~はかのたそもコーラスでIN。健ちゃんの気張ってない空気が、今までのラグでの姿と少し違って見えて3ヶ月の月日を思った。
今日の客の多くはかのヲタと健ヲタだったってのもあって会場は放心状態ですよもう。まさかこんな爆弾が落とされるとは誰も思ってなかったさ!
健「今日俺杉ちゃんと感性が似てるかもって気付いた。大倉と…あの、あの人みたいに」 あ の 人 ! 納「分かるでしょ?(笑)」健「リーダーって言おうか洋輔って言おうか悩んであの人って言っちゃった」どっちでも良いよ!「あの人」は駄目だよ!
愛日記も『似てる』って印象はなかったんだけどな…。メンバーから見ると似てるのかそうか…少し切ない…な…ウッ…。