蝦読weekly 20240120~0127 | 50までの抵抗

50までの抵抗

50代半ばのおじさんが主にランニングと読書で加齢に抵抗するブログ

 蝦読weeklyです。


田中芳樹著 『銀河英雄伝説1 黎明編』
 数十年ぶりの再読。
 やっぱり名作です。元首たるラインハルトと天才軍略家ヤンの対比も素晴らしいですし、群像劇としても、組織を描く作品としても秀逸です。一部の人間の欲で組織が瓦解していくのはホントにそうなんですよね。
 月1冊ずつ読んで全巻読破予定。楽しみが増えたなぁ。


松本俊彦著 『自分を傷つけずにいられない』
 知り合いに薦められて手に取りました。
 自傷に苦しむ人に語りかける本。文体が優しく、苦しんでいることを受け止める器の大きさを感じられるのが良かったです。基本は自傷する人を救いたいという視点で当事者に向けて書かれていますが、支える側のスタンスにも触れられていて、なるほどな、と感じることばかり。今後、このような事例に触れることがあれば読み返すことになるでしょう。


倉本一宏著 『増補版 藤原道長の権力と欲望』
 『光る君へ』の影響で道長の時代を知りたくなり、同ドラマの考証もやっている著者の本を。
 当時のことを記されている『御堂関白記』『小右記』『権記』を読み解いて、道長の人生をおいかける内容でした。小心者で繊細な大権力者の姿が浮き彫りにされ、非常に面白く読み進められました。また、怨霊や物の怪がワンサカ出てくるんですね、当時の日記って。当時の人々の信仰の一端も感じられました。読みやすいですし、道長の姿をおいかけるなら、良い本だと思います。