蝦読weekly 20230807~0812 | 50までの抵抗

50までの抵抗

50代半ばのおじさんが主にランニングと読書で加齢に抵抗するブログ

 蝦読weekly、今週読了した本はこちらです。


板倉俊之著 『屋上とライフル』
 インパルスのメンバーとしても知られる著者のエッセイ集。
 テレビや動画配信で時折見るネタが好きな芸人の一人でしたが、初のエッセイ集ということで手にとりました。何なんだろうなぁ、この「わかるわ?」という感じ。物事の受け取り方や感じ取り方にシンクロ感があります。何かを例えるときも「そこを出してくるのか!?」と思うことしきり。更に、読んで面白いものにできるのが著者の才能。特に言葉に対する疑問をテーマにしたエッセイが笑えました。草の話とかなるほどなぁと思います。
 笑えるエッセイ集として非常に好きな一冊です。


上坂あゆ美著 『老人ホームで死ぬほどモテたい』
 短歌集。
 スケザネ氏の影響で以前より知っていたのですが、今度(0812)にANN0のパーソナリティをすると聞いて購入を決断。速攻で読みました。ユーモア、哀しさ、強さ、愛、そして毒。いろんなものに満ちていて、それが凄いところから突き刺さってくる感じがたまりません。自分には到底たどり着けない感性。詠み人と呼ばれる人の物事の見方、捉え方にひたすら感服させられます。本当に羨ましい。
 私自身、短歌は門外漢ですが十分引き込まれました。素晴らしい。


夏目漱石著 『それから』
 著者の著名の作品のひとつ。久々に読みました。
 以前、『漱石のことば』という本を読んだときに、引用されている作品として多く出てきたので、いずれ読んでみようと思っていましたが、時間がとれたので青空文庫で読みました。漱石の文はどの作品も読みやすいですね。明治の作品なので言葉の使い方は古いんですけど、不思議なものです。主人公の心情の描き方も丁寧で細かく、名の残る作家の凄さを改めて感じさせてもらえました。
 が、私は主人公の代助や三千代の決断には全く共感できないし、代助の生き方にも共感できないので、今回も読後には「うーん」となってしまいました。平岡の方によほど共感できるんですよねぇ。


町屋良平著 『1R1分34秒』
 ボクサーの試合に挑むまでの心情と日常を描いた作品です。
 実は芥川賞をとった直後くらいに一度読んでいます。そのときは、もっと試合の描写が欲しくて、物足りなさと感じたことを覚えています。今回、改めて読むと自信を失いかけ、葛藤しているボクサーが少しずつほぐれていく心情が細かく描かれていて、いい小説だなと感じました。以前読んだ時よりも読書経験を積んで、感じ方が変わったのでしょうか。ラストの試合を読んでみたかった気持ちは変わりませんが、結果は読んだ人の想像に委ねられる、余韻の残るラストは、それはそれでいいのだと思います。
 再読の面白さを感じさせてくれた作品でもあります。

車車車車車車車車車車車車車

 昨日(0811)から道北・宗谷地方への旅をしてきました。
 楽しかった~。
 そのうちレポします。