蝦読weeklyです。
今週読了した本はこちらです。
ドストエフスキー著 『悪霊(下)』
ついに読了。やはりドストエフスキー作品は読了後の達成感が大きいです。
下巻はいろいろことが一気に起こり、登場人物たちの様々な結末が待っています。政治的な組織内のゴタゴタ劇が物語の中心。組織のリーダー(ピョートル)が、自分の理想のために組織内で粛清を進めた結果、多くの人たちが命を落とします。一方でピョートルが担ぎ上げようとしたニコライは、その神秘性やカリスマ性が「偽物」であることも主人公の描き方としては新鮮に映りました。登場人物に「闇」を感じさせる話も、組織内の混乱劇も大好物。話が動き出した下巻は時間が許すのであれば一気に読み切りたいくらいに面白い作品でした。読後感はこれまで読んできたドストエフスキー作品でも一際良くないですが、でも、この作品は2番手くらいに好きかも。
ドストエフスキーの作品は話が動き出してから一気に、文章量とともに畳み掛けてくるので、難しいながらも圧倒されてページをめくらずにいられないものが多いです。『カラマーゾフの兄弟』しかり、『罪と罰』しかり。文字の多さに怯まなければ、凄さを体感できるのではないか、と思います。
ちなみにこちらの本も既読作品の部分を読み進めています。
この本の推察が正しいのかどうかはわかりませんが、こんな推察ができる事自体がドストエフスキーの思考の深さ、凄さを示しているのではないか、と。
私が読むドストエフスキーの作品は『悪霊』で6作目。全作を読むことはないと思いますが、『未成年』『死の家の記録』『貧しき人々』あたりは今後読んでみようかなと思っています。
ということは、こちらの本の読了は相当先になる……はずです、ハイ。
小川哲著 『君のクイズ』
クイズ番組で負けた主人公が負けた要因を探る話。『地図と拳』ですっかり著者に惹きつけられたので手を伸ばしました。
全編は200Pに満たない長さですが、それだけに読みやすく、しかも内容にはやはり惹きつけられます。クイズ番組の決勝戦において不可解な負け方で敗退した主人公が、その要因を探っていく。それだけで、こんなに魅力的な話ができあがるとは恐れ入りました。『地図と拳』とは全く異なるテイストの作品。著者の知識の豊富さをもとに描写されるクイズプレイヤー独特の心理や競技としてのクイズの面白さをガシガシ感じることができました。クイズ題材の小説が珍しいと思います(私は初読)が、こういう題材で魅了できる作品を書けるのが「作家」なんだな、と感じさせてくれます。
面白かった! 次は『ゲームの王国』にいってみようかな。
0205の夜半
スケザネ氏がスペースで『源氏物語』のオススメ訳や参考文献の話をしました。
与謝野晶子版で一応通読し、今年に入ってからも『源氏物語解剖図鑑』も読んでいますし、来年の大河ドラマが紫式部なので、『源氏物語』は興味深いテーマでした。
内容も非常に面白くて「いいね」やリツートをしたところ、スケザネ氏からも、スペースで推奨されていた『源氏物語A・ウェイリー版』訳者のお一人である森山恵氏からもリツイート・「いいね」をいただいたので、嬉しくて……ついに買いました!
『源氏物語A・ウェイリー版1』
ずっと気になっていました。
思えば『鎌倉殿の13人』の前年に『平家物語』を読みました。紫式部主人公の大河ドラマ『光る君へ』の前年の今年。『源氏物語』再読はナイスなタイミングだなと考えています。
とりあえず今年の課題図書として1巻ずつ。
北海道では0205の18:00から「島本和彦のマンガチックにいこう!リターンズ」というラジオ番組が放送されました。
島本和彦氏の作品は初期の頃によく読んでいて、『炎の転校生』と『スカルマン』はたまに読み返すくらい好きです。
『炎の転校生』は熱さの中にまぶされている笑いのバランスが自分好み。バレーボール大会で数日かけるとか、動く学園とか、暗黒流れ星とか「何じゃそりゃ?」という話を真剣に描くのがお気に入り。『スカルマン』は石ノ森章太郎氏の原作を島本風に広げ、石ノ森氏へのリスペクトも満ち溢れているダークヒーローものです。番組のほうは、島本氏が「話せる」人なので3時間飽きずに楽しく聴くことができました。ゲストも豪華だったし。
タイムフリーだったので、1時間で3つにしてくれていたのがありがたいです。