#660 レビューEテレ『理想的本箱「勇気が欲しい時に読む本」』 | 歴史に遊び!歴史に悩む!えびけんの積読・乱読、そして精読

歴史に遊び!歴史に悩む!えびけんの積読・乱読、そして精読

歴史をもっと知りたい!
本を読めば広がる光と闇を楽しんでいます。
歴史と読書記録。積読などをアップしながら、日本史や世界史を問わず歴史の考察などを発信します。

NHKのEテレで本選びに役立ちそうな番組『理想的本箱 君だけのブックガイド - NHK』がこの4月から定時放送されました。

テーマに対するおススメの3冊本を映像の帯とともに紹介してくれる本選びに役立ちそうな番組

今回は、「勇気が欲しい時」

 

(NHKの『理想的本箱 君だけのブックガイド - NHK』タイトル画面(C)NHK)

  「勇気が欲しい時に読む本」

見落としていましたが、定時放送になるそうなので楽しみです。定時放送はうれしいんですが、どのテーマを選ぶのか、さらにはそこからそのテーマに会った本をどう選ぶのか、それが定時でやってくるわけなので、締め切りに追われて大変なんじゃないかな~なんて心配してしまいますが、うれしいです。

 

主宰は吉岡里帆さんです。

今回の選書テーマは「勇気が欲しい時に読む本」です。テーマにみあった3冊の本をブックディレクターの幅允孝さんが選書し、テーマに対して本を選んだ理由を述べ、その後、司書の太田緑ロランスさんが、著者のことなどを手短に説明してくれます。

(NHKの『理想的本箱 君だけのブックガイド - NHK』の主宰吉岡里帆さん(C)NHK)

 

面白いのは、3冊それぞれの本を”映像の帯”と題して、そのポイントをまさに映像で紹介してくれるところです。

 

勇気が欲しい時に読むか~考えたことなかったな~と思いながら、幅允孝さんが選んだ3冊は以下の3冊です。

((NHKの『理想的本箱 君だけのブックガイド - NHK』の今回の3冊(C)NHK)

    

1冊目:『ボクの音楽武者修行』 小澤征爾

2冊目:『怠惰の美徳』梅崎春生

3冊目:『コジコジに聞いてみた モヤモヤ問答集』さくらももこ

『ボクの音楽武者修行』  小澤征爾

世界的指揮者の小澤征爾さんが、若いころに単身でヨーロッパに渡り、指揮者として音楽武者修行をした話を書いたものだそうです。執筆当時は26歳。

 

幅允孝さんによる本書の魅力

楽観と大胆さと誠実さが

世界との壁を壊していく

富士重工にスクーター提供を依頼し、見事にゲットして、楽器を背負って単身スクーターでヨーロッパへ、武者修行を重ね、フランスのブザンソンのコンクール会場で、五体でぶつかってやれ!と挑んで見事にコンクール第1位を獲得するということなんですが、本当に大胆で、あの当時に身一つでヨーロッパに乗り込む楽観振りなど驚きますが、アクティブな意味で勇気が出そうな本だと思います。

 

『怠惰の美徳』  梅崎春生

次に選んだのが本書です。正直、著者も本書も全く知りませんでした。

勇気が欲しい時について、ある程度やる気がある中でさらに一歩を押す本としては、小澤征爾さんの本はいいなと思いますが、かならずしもそんな状況ばかりではないと思います、

 

幅允孝さんによる本書の魅力

怠け者なりに自分の流儀を貫き

自身の文学を追求した

梅崎春生(1915~1965)さんは、1915年に福岡県に生まれ、1939年に処女作を発表、1944年海軍招集、1946年に『桜島』を発表し、戦後派作家の代表的存在となられた方。

 

怠け者と自認されるだけあって、のっけから怠け者感全開です。10冊の本と机と布団くらいしかない生活で、1日昼寝も含めて12時間は眠られるそうです。滝になりたいそうで、その理由は水を流して忙しそうに見えるけど、ただ水の糸を垂らしているだけで忙しくないってところが理由だそうです。

 

32歳にもなって何やってんだかみたいな感じのことを述べながら、何もないからこそ、自分が見た借り物ではない自分のスタイルで本を書くことの決意を述べます。怠惰と自認しつつも、自分の歩みや文筆家としてのスタイルに自負心をもち、そこから進んでいこうとする姿は、小澤征爾さんの”思いきり陽”な本と比べると対照的ですが、独特の味を感じ、一番興味を持ちました。

 

 

 




『コジコジに聞いてみた モヤモヤ問答集』  さくらももこ

 

幅允孝さんによると、コジコジは、さくらももこさんにとっては、ちびまる子ちゃんのまる子以上に重要な存在なのかもしれないそうです。

 

そのコジコジは、謎の宇宙生命体で、性格は「つかみどころがなく。別に良い事も悪い事もしない」そうです。

((NHKの『理想的本箱 君だけのブックガイド - NHK』よりコジコジの紹介(C)NHK)

 

幅允孝さんによる本書の魅力

本質を射抜く純粋さに

不思議と勇気をもらう

本書はコジコジが質問に答えるQ&A形式になっています。映像の帯でいくつか紹介されていますが、コジコジはつかみどころがないんですが、結構スバっと言ってのけたりして、それが不思議と心地よいです。

 

例えばです。Aがコジコジです。

 

Q:「こんなボクでも少しは役に立てるかな?」

A:「みんな役に立っているんだね。コジコジは役に立ったことないよ」

 

Q:「コンプレックスがあります」

A:「でも生きているよ キミは生きているよ」

 

Q:「自分が存在する意味なんてないってことに気がつきました」

A:「コジコジと同じだね コジコジも何の役も立たないよ」

など、コジコジのホンワカ不思議キャラもあり、本質をつくのでスバっと凄いいったりしますが、じんわりと染み入ります。

何かちょっとしたときに読むといいのかな~って思いました。

 

今後も定時で放送されるとのことなので、楽しみです。

 

『理想的本箱 君だけのブックガイド』

NHK Eテレ

放送日:土曜日21時~

再放送:木曜日14時35分~

 

にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村