#661 実資と婉子女王夫婦について from『大鏡』 ~『光る君へ』を楽しむため | 歴史に遊び!歴史に悩む!えびけんの積読・乱読、そして精読

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アツアツな関係で、デレデレの藤原実資婉子女王について『大鏡 全現代語訳 (講談社学術文庫)』で見ていきたいと思います。

婉子女王は花山天皇の女御だった!天皇出家後の彼女を巡る恋の争いの話

(NHK大河ドラマ『光る君へ』の藤原実資と婉子女王(C)NHK)

 

  実資、恋の争いに勝ち、婉子女王と結ばれる。

大鏡 全現代語訳 全現代語訳 (講談社学術文庫) [ 保坂 弘司 ]』には、藤原実資婉子女王

のことも描かれています。

 

光る君へ』で、藤原兼家や道隆らの強引な政治にやり方などに目をひん剥いて怒りを表すクセつよな藤原実資さん。

 

光る君へ』で藤原宣孝がまひろに妻を亡くした藤原実資を婿に進めるも、病に倒れた姿を見て無しにしてしまった話がありましたが、その後持ち直されたようで、第14回では側に妻がいます。それが婉子女王です。

 

婉子女王は、もとはあの道兼に騙されて出家退位させられる花山天皇の女御でした。しかも本人は父は為平親王(円融天皇の同母兄)、母は源高明の娘と大変高貴なお方です。源高明の娘ということは道長室となった源明子が叔母にあたります。

 

そんな婉子女王ですが、美人として聞こえも高く、14歳で花山天皇に入内しますが、花山天皇の御寵愛はいただけなかったようです。花山天皇が出家退位してしまうのでいきなり夫が消えてしまうことになります。

 

大鏡によると、花山天皇がいなくなってしまったところ、藤原実資さんと藤原道信の二人の男性が、婉子女王に思いを寄せ、どちらが恋を実らせるのかというレースが始まります。熾烈なレースを期待したかったんですが、あっさりと決着が知きます。藤原実資さんが通っていることを知った藤原道信はお諦めになってしまうそうです。藤原実資は、叔父の藤原頼忠が関白太政大臣を務める超上流貴族の一員なので、その格差に身を引かざる得ないと判断したのではないかと思います。それで熱心に通われた藤原実資さんが婉子女王と結ばれることになるそうです。

 

ただ、藤原道信も未練ありありのようで、そのときに詠まれた歌も記述されています。

 藤原道信の失恋の歌

うれしきは いかばかりかは おもふらむ

 うきは身にしむ こゝちこそすれ

  意味は、

恋のかなったうれしさをあなた(婉子女王)はどれほど深く感じていらっしゃることでしょうか。それにひきかえ、恋を失った私(藤原道信)の悲しみは、じつに身に染みわたりますよ。

 

ということだそうです。そんな三角関係もあった藤原実資さんと婉子女王の恋の話です。

 

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