#630 実資の日記『小右記』~『光る君へ』を楽しむため | 歴史に遊び!歴史に悩む!えびけんの積読・乱読、そして精読

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光る君へ』で、妻に政治の在り方に不満を鳴らし、妻から日記に書けばと言われる藤原実資さんですが、日記を書いています。それが『大鏡 全現代語訳 (講談社学術文庫)現代語訳 小右記 1: 三代の蔵人頭 』で見ていきたいと思います。

実が日記書いてます!

藤原実資の『小右記』

 

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  藤原実資の日記

(NHK大河ドラマ『光る君へ』の藤原実資(C)NHK)

秋山竜次さんが演じる筋目を重んじ、あり方を重んじる藤原実資さんですが、巻1の天皇三代の蔵人頭を務めるという大変有能な方でした。

 

(NHK大河ドラマ『光る君へ』で妻に愚痴をぶつける藤原実資(C)NHK)

故実にも通じる藤原実資さんにとっては、それゆえに不満がたまることも多く、その愚痴を妻に告げて、妻から日記に書くことを言われて、日記に書けるわけがないっていうやりとりが定番な演出になっていますが、藤原実資さんは日記を書いています。それが『小右記』です。

 

藤原実資は、藤原兼家や道長と同じ藤原北家の流れをくみます。若くから有能振りを発揮し、大変有能であったので天皇の代替わりとなると蔵人頭は交代のなるところ、三代の天皇に渡って蔵人頭を務めることとなり、その分だけ昇進が遅れるという有能なのがいいのか悪いのか分からないようなところがある方です。のちに右大臣にまで昇進し、26年間右大臣を務めました。道長の息子の関白頼通の信任を受けて「賢人右府」と称され、90歳で亡くなられた方です。

 

『小右記』は、執筆した藤原実資が、小野宮流藤原氏で、小野宮家の右大臣の日記というところからつけられた名前とのことです。21歳の時の977(貞元2)年から84歳の時の1040(長久元)年の63年間の記録(失われている部分もあり)とのことで、摂関期の最重要資料で、東寺の政務や儀式運営の様子が詳細かつ精確に描かれているものだそうです。

 

日記ということもあって、藤原兼家、子の道隆、道長などの政権担当者に対する批判的記事が多いそうですが、道長政権でも昇進を重ねたように現実としては良好な関係にあったんだと思われます。

 

吉川弘文館で、今回の『光る君へ』で時代考証を担当する倉本一宏先生による現代語訳があったので、これでどのように記録されているのかを確認していこうと思っています。全16巻で、藤原道長の時代だけでなくその前後の時代もあります。全部読もうとは思っていませんが、すくなくとも『光る君へ』に相当する部分は読みたいと思います。

 

 

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