『斉藤洋のギリシア神話(全3巻セット)』のまとめレビュー
ゼウスの娘の女神アテナによるギリシア神話の神々や英雄たちについての語りで味わうギリシア神話
レビュー
『斉藤洋のギリシア神話シリーズ』は、小学校高学年向けの児童書としてのギリシア神話になります。
児童書については、本格的に読もうとするものをまずはおぼろげながらでもいいから全体を理解したい場合などで読んでいます。高学年向きともなるとわかりやすくて本当に助かります。それだけに児童書を書く作家の方は本当にこの分野のことをしっかり理解するとともに、まずは何から知ろうとすべきなのかという整理もしっかりついているんだと思います。
本書もそんな感想を抱いたシリーズです。
主神のゼウスの娘でその頭から生れ出たとされる女神アテナが語る形で展開する「ギリシア神話」となっています。アテナさんは主神ゼウスの頭から生まれたことなどから、能力にもそして女神であることから美貌にも非常に自信を持った方で、父ゼウスの行為などにも少し上から目線的に冷ややかに見ているように、他の神々も登場しますが少し上から目線的に語る感じで話が展開していくことになります。
オリュンポスの神々は、今なら炎上必死な性の乱倫的な行為を男神、女神ともに行うわけですが、人間が神を批判することなんてできないから、かわりに能力と美しさに自信のある女神アテナが変わって批判的に語るという感じです。
第1巻の「オリュンポスの書」は、そのオリュンポス12神について
第2巻の「ペルセウスの書」が、英雄ペルセウスから、”英雄”とはを考えるものに
第3巻の「トロイアの書」は、”トロイの木馬”で有名なトロイア戦争について
が展開されています。
どれも流れを一通り理解する上では非常にわかりやすく、ギリシア神話理解の入り口におススメなシリーズです。
〈書籍データ〉
『斉藤洋の「ギリシア神話」』
著 者:斉藤洋
発 行:株式会社理論社
全3巻
オリュンポスの書
ペルセウスの書
トロイアの書