#274 鳥居強右衛門を『三河物語』から読む~『どうする家康』を楽しむため | 歴史に遊び!歴史に悩む!えびけんの積読・乱読、そして精読

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2023年大河『どうする家康』21話「長篠を救え!」で毛むくじゃらの鳥居強右衛門が活躍します。『三河物語』ではどのように描かれているのでしょうか

信長の出陣を確かめに行った鳥居強右衛門

岡崎体育さん演じる鳥居強右衛門(NHK大河ドラマ『どうする家康』より)

1575(天正3)年5月に、武田勝頼は軍勢を率い奥平貞昌(大河ドラマではすでに奥平信昌)が守る長篠城を包囲して攻撃し、窮地に陥ります。

 

これに先立ち、信長も出陣し、信忠も岡崎城に到着し、信長も池鯉鮒(知立市)に到着していました。家康はひそかに鳥居強右衛門に「信長がご出陣しているかみてこい」と長篠城から忍びださせ、信長の陣地に向かわせます。

 

大河では、奥平信昌が家康への救援として送り出すのですが、『三河物語』では家康が長篠城から信長の所に送り出させています。かなり異なっています。

 

鳥居強右衛門は信長のご出陣を知り、長篠城に戻ろうとしますが、武田逍遥軒信綱のところで見つかり。武田勝頼の御前に引き出されます。そこで「『信長は出陣していない。城を渡せ』と言えば命を助け、十分な知行地を与える」といわれ、鳥居強右衛門も応じます。

 

長篠城近くで磔にされた鳥居強右衛門は、「勝頼に『信長は出陣していない』というように言われたが、信長父子は出陣してきている。三日のうちに運は開ける」といい、武田方にとどめを刺されてしまいます。

 

磔にされて殺されてしまう最期は同じですが、大河では一度は援軍が来ないことを伝えることまでしています。その後に亀姫の事を思い出して翻意した結果として援軍が来ることを伝えてしまい磔にされるわけですが、『三河物語』では最初から磔にされた状態になっています。そしてまた家康ではなく信長の出陣を伝えるところも大きく異なっています。

大河としては、家康の家族という描き方の中で、天然な亀姫がその身を挺して関係が切れる寸前までいった父の家康と信長の仲を修復させるなどの活躍のために、鳥居強右衛門の下りをより感動的にさせるためにもの演出がされていることが分かります。

 

 

 

 

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