昔、東京から移住してきた知人が、東京にくらべて札幌の街は緑が少ない、ということを話していた。感覚的には意外な気がする。大都市のほうが、ふつうは緑が少ないんじゃないか。でも、よく考えたら北海道の冬は、すべてが雪に覆われてしまう。そして、植物の多くは北海道の冬を越すことができない。
東野幌の「庭の花」には、園芸店とカフェが併設されている。道道江別恵庭線の交差点の角地。鬱蒼とした林に囲まれていて、通りからは店舗の存在に気づかない。訪ねてみると、緑に囲まれた小屋の前で店の人が何か草花の手入れをしている。こんにちは、と一声掛けてから、庭を散策する。
英国式庭園のように自然の景観美に満ちた庭をしばらく歩いていると、ふと、先日妻と訪れた由仁町のアイスクリームショップでの光景を思い出した。この場所は、まるで太陽に祝福されているかのように日差しが、輝いている。
草木の旺盛な生命力に元気づけられた気がして、私は幸せな気持ちでティーカップに口をつけた。カフェの裏手には日傘テラスがあって、暖かい季節には、そこでくつろぐこともできるだろう。とても素敵な店だ。
* 庭の花/江別市東野幌144