パパイヤとマンゴスチン | 知りたがりな日本人のブログ@インドネシア

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日本語では検索できないインドネシア国内の話題を、雑談に使えるレベルで解説。

こちらで一年中店頭に並んでいる安くてボリュームのある果物といえば、パパイヤ。ビタミン、カロチンが豊富で、食物繊維も豊富、バナナ感覚で朝食の代わりにしたりもする。メロンやスイカは皮が厚くて捨てる部分が多いことを考えると、パパイヤは皮が薄くて食べられる部分が多い。

 

こちらでは、くだものはみんな量り売り。表示されてるキロ単位の値段にはあまり差がなくても、重量にするとスイカやメロンよりずっと軽く、値段が安いこともあり、特に小さな子供のいる家庭ではとても日常的な果物で、”子供の頃毎日食べさせられたのであまり好きでない”という人もいるくらい。

 

パパイヤの味は、名前から想像するような甘酸っぱさみたいなのはない。柔らかくてのっぺりとした味。丁度良く熟したパパイヤは柿に近い甘さがある。甘くないパパイヤは、果物というより瓜のような味、独特の苦みが伴うのでジュースにしてすらあまりおいしくない。その反対に熟れすぎはイヤなにおいがする。

 

そういうハズレに度々当たってしまうと、パパイヤが嫌いになってしまうかもしれない。もっとも最近のパパイヤ(カリフォルニア種と呼ばれる)は改良が進んだおかげか、熟れすぎて悪臭を放つようなものはあまり見かけなくなった。その代わり食べ頃になっても甘い香りがしないので、買うときは、皮の色と触った感じでチェックする。

 

ひと昔のパパイヤ(ローカル種)は、ひょうたん型や丸形など色々な形や大きさがあって、熟し方が均一でなかったり、果実が薄くて中身が空っぽだったりして、量り売りである以上、効率的に、形が揃っていてでこぼこもないように改善されたのがカリフォルニア種で、これが出てくると昔のパパイヤはすぐに見かけなくなった。アタリハズレは確かにあったが、今思うとやっぱり昔のパパイヤの方が甘かったような気がする。
 

 


文句言いながらも週に一度は必ず買うパパイヤ
剥く前の香りはしなかったが甘かった

 

重量のうちどれだけ皮として捨てるのかという効率で果物をみてみると、捨てる部分が多い果物の一つにマンゴスチンがある。鏡餅の上の蜜柑みたいに小さいのに、ビーツのような濃い紫色の外皮は厚みがあって、割るのにナイフがあった方がいいレベル。

 

甘酸っぱくて、ビビっとくる濃い味がする。種が柔らかくて、ぐにゃっと噛めてしまうくらいなのが特においしい。パパイヤだけでなく、マンゴーやリンゴなどの他の果物も年々、味が薄くなっていくように感じていたけれど、まだ昔の味がする。果実が真っ白で小さめなのがいい。果実の色が透明になってしまったり、黄色いヤニがついているともうだめだ。

 

美味しいか、捨てなければならないか、どちらかでしかないところもまた、果物の女王と呼ばれるのにふさわしいのかもしれない。マンゴスチン種を捨てておけば勝手に発芽するパパイヤなどと違って、マンゴスチンはとても繊細な果物で、土の酸性度や水分量が一定でないと、黄色いヤニが出てしまう。気候変動にもとても敏感だ。最近あまり見かけなかったので忘れていたが、どうやらマンゴスチンは国内よりも輸出向けに栽培されているのがメインのようだ。

 

マンゴスチンは、ヨーロッパで人気があるらしい。輸出農家は、ヤニがつかないようにスプリンクラーを使ったりして、厳しい基準に沿うために、害虫も殺虫剤を使わずに煙でいぶしているそうだ。そして出荷前の選定と個包装。とすると、国内で買える値段の安いマンゴスチンは選定でハネられたものと考えるのが理屈にあう。

 

輸出向けは、ローカル向けの倍の値段がつく。私が買ったものは、2,3個は固くて剥けないのも混じっていたけれど、国内価格で安いからまあいいかという感じだ。自然環境がどんどん変わっていく中で、以前は放っておいても勝手に実がなった果物を、手間をかけて品質を保って育てるのは並々ならないことだろう。

 

暑い国の人はどうせ…とか、とかくデスられることが多いが、時代は変わってる。おいしい果物が生き残るには、見合う価格で買ってくれる固定客がいるということが必要なのだなと思った。

 

 

花弁の形が彫刻みたいで可愛い
 

 

タイ産の方が有名かな