猫よりずっと頼りになる下水溝の凄い奴 | 知りたがりな日本人のブログ@インドネシア

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道端の下水溝の格子状の蓋の下を、体長50センチ程の黒光りするなにかがゆっくりと移動している。

ぎょっとしてキャーと大声をあげてしまうところだったが、はっと気が付いて、もう尾っぽしか見えなくなった彼に”ありがとう”と声をかけてみた。

彼の名はBiawak オオトカゲ。
ここのところゴミ箱がねずみに荒らされなくなったのは彼のお陰だったのだ。

昔の猫は生きてるねずみを追いかけたのだろうか?
少なくともご近所では猫もねずみも共生している。
結構分厚いプラスチックのゴミ箱なのに、少しずつかじって穴を開けてしまう貪欲さ、暗闇の中、ササっと隠れる影も相当大きくてビビる。増えれば増えるほど、大胆になるらしく、一時期は昼間ですら出てきて道を横切るところを見かけたり、車にはねられて道に張り付いている姿も何度か見かけた。

姿が見えない時でも、下水溝の蓋の近辺は嫌な臭いがするから、深夜に出没しているらしいことは分かる。こちらでは、日本みたいに分けて捨てるシステムになっていない。まだ蓋つきのゴミ箱を置いている人はまだいい方で、フタのない場所に直置きしている家もあって、そういうゴミは食い散らかされて道の真ん中に散らばっていたりすることがあるから嫌になる。

大トカゲは、人けのない静かな川や田んぼの傍などぬかるんだところで、カエルなどを捕食して静かに暮らしているものだ。動物園にいる大型トカゲ、コモドドラゴンは、人間に向かってくることがあるらしいけれど、この大トカゲ(Biawak)は大人しいと聞いている。自ら人間の領域に近づくことはない筈だから、おそらく警備員さんか誰かが捕まえてきて、住宅街の下水溝の中に入れたのだろう。

野良猫なんかは、ねずみ退治なんかやらなくても食べ物があるが、下水溝に入れられてしまったオオトカゲは、ねずみに相当フォーカスしているに違いない。大トカゲは身体が大きいから、幅のせまい下水溝の中ではUターンはできない。前進あるのみだ。
下水溝の中とはいえ、悠々と進んで行く背中は威厳があって頼もしく、カッコよくさえ感じる。
南国ならではの生活の知恵だ。