今週のアルファベット入力問題
アメリカ、カナダ、メキシコの３国間の「北米自由貿易協定」の略称は何でしょう。
正解…NAFTA
※注意
出題文の変更があります。↓
アメリカ、カナダ、メキシコの３国間の「北米自由貿易協定」の略称は何だったでしょう。
としてください。
理由：このソフトは2002年８月に発売されていますが、それから16年後の2018年9月30日に、米国・メキシコ・カナダがNAFTAを米国・メキシコ・カナダ協定（USMCA）に置き換えることに合意したことが発表されました。USMCAは、加盟国による2017年から2018年にかけてのNAFTAの再交渉の結果であり、NAFTAはUSMCAの発効により効力を失う形となり、2020年7月1日にアメリカとカナダ間の米加自由貿易協定の後継である「米国・メキシコ・カナダ協定（USMCA）」が発効したことでNAFTA自体終了したためです。
解説
これは英語で、
「North American Free Trade Agreement
といい、頭文字をそれぞれ取って「NAFTA」とよばれるものです。
この協定が結ばれるまでの歴史は1979年11月、ロナルド・レーガンが大統領立候補を発表したときに選挙運動の公約として始まりました。
1988年にNAFTAが締結す以前にカナダと米加自由貿易協定（FTA）を締結したわけですが、メキシコ大統領であったカルロス・サリナス・デ・ゴルタリは、当時のアメリカ大統領ジョージHWブッシュに、ラテンアメリカの債務危機に伴う外資導入のための同様の協定を提案することに決めました。両首脳の交渉開始で、米加自由貿易協定による優位が米国とメキシコとの二国間協定によって損なわれることを恐れたブライアン・マルルーニーカナダ政権は、米国とメキシコの協議に参加することを求めたのです。
1990年までの外交交渉の後、3国の指導者は1992年12月17日にそれぞれの首都で協定に調印、署名された協定は各国の議会又は上院によって批准される必要があったのですが、ここからが非常に大変でした。
特にカナダは激しい論争で国論が二分され、1988年のカナダ総選挙の争点にもなり、多くのカナダ人が反自由貿易政党（自由党と新民主党）に投票した訳ですが、これは実質両党へ票が分かれることになるため、自由貿易派の進歩保守党が選挙で多数の議席と獲得して政権につくことになります。こうしてマルルーニーと進歩保守党は議会の大多数を占めたため、米加FTAとNAFTAに批准する法案を簡単に可決できたのですが、彼は保守党の党首と首相の座をキム・キャンベルに明け渡すことになりました。
そして1993年の総選挙でNAFTAの再交渉または破棄を唱えるジャン・クレティエンが率いる自由党にまさかの大敗を喫しました。
そしてクレティエンはNAFTAと2つの補完協定についてブッシュ大統領と交渉します。この時任期終了間近で、署名のために「速いトラック」のように活動していったのですが結局間に合わず、後任のビル・クリントン大統領に委任することになりました。
そしてクリントン大統領は労働者と環境を保護し、多くの議員が抱いていた懸念を和らげるための労働問題に関する補完協定（NAALC）と環境問題に関する補完協定（NAAEC）という付随する2つの補完協定を追加しました。
紆余曲折ありましたが、検討と感情的な議論の末、1993年11月17日、米国下院は234対200で北米自由貿易協定実施法を可決、法案は1993年11月20日、61対38で上院を通過して1993年12月8日に法律に署名にこぎつけたのです。
署名した際にクリントン大統領は、
「NAFTAは雇用を生み出す。アメリカ人の雇用、それも給料のいいアメリカの雇用を。もしそう信じていなかったら、私はこの協定を支持しなかった」
と述べたそうです。
一方メキシコでは、1993年11月22日にメキシコ上院で承認され、1993年12月8日にメキシコ官報で公布、NAFTAを実施するための政令とNAFTAにメキシコの法に適合させるための様々な改正が1993年12月14日に公布されました。
こうして1994年1月1日に発効しました。