こんにちは。
昨日は、信用保証協会様にいて
経営者の方々や税理士の先生方を
対象に、ビジネスゲームを使った
企業会計&経営分析セミナーを
開催いたしました。
今回は、マスコミの方も取材に
来てくださり、新聞記事として
取り上げていただきました。
九州では着実に、広がりつつあります。
来月は、東京の方々にも受けていただ
きたいと思ってますので、ぜひ、
お時間のある方はチャレンジしに
きてくださいね。
場所は、都内の勉強カフェを検討して
おります。
ビジネスゲームについてはこちら
さて、前々回の記事では
「学習方法」について色々と
書きました。
その学習方法に関連して、
簿記検定や税理士・会計士試験に
チャレンジしている方向けに、現在、
中央経済社の会計人コースに寄稿する
原稿を書いております。
今回の記事は、30日で総復習する
付録問題集ということで、
テーマとして大きく下記の2つを
掲げています。
テーマ1
5枚のカードで切ろう!
複式簿記の原理から仕訳を
理解する。
テーマ2
決算整理を知ろう!
①期間配分と②期末評価の
2つの観点から決算整理を
理解する。
この2つのテーマにそって、
・一般商品売買取引
・特殊商品売買取引
・リース取引
・外貨建取引
・自己株式
・ストックオプション
・退職給付
といった簿記で得点源になる
典型論点をマスターしていただく
内容となっています。
ちょこっと記事を出してみますと
このように、商品のような「費用性資産」
について、
複式簿記を
①資産のカード
②負債のカード
③純資産のカード
④収益のカード
⑤費用のカード
の5枚のカードで仕訳という形で
記録をすると考えていただいて、
この組み合わせには、基本的に
2パターンしかないということ
を理解していただき、
・三分法
・分記法
・売上原価対立法
・手元商品区分法 などなど
といった、商品売買にまつわる
様々な会計処理方法についても
勘定科目で訳も分からず覚え込み
そして、忘れていく・・という
ことを防ぐように配慮されています。
仕訳は取引の数だけ無数にあり
ますが、5枚のカードの組み合わせ
でしかないので、そのことを
理解すると、記憶に残りやすいです。
学習方略の記事でも書きましたが
大人の脳はちゃんと理解しないと
どんどん忘却が始まります。
なので、理屈で考えて、理解する
ということが大事なんですね。
ちなみに・・・
ちょっと、ここで簿記を勉強して
いるあなたへ質問なんですが、
売上原価ってあるじゃないですか。
これって、5つの勘定のうち
どれに該当しますか?
そんなん「費用の勘定」に決まって
るでしょ!
簿記3級学習者でも常識として
知ってるよ!
そんな声が聞こえてきそうです。
そうですよね。
簿記学習者にとっては当たり前
過ぎる質問ですよね。
でもちょっとまってください。
なぜ、お客さんに商品を販売した
ら費用が発生するのでしょうか?
どうして、渡した商品の原価が
売上原価という費用になるので
しょうか?
このことを明確に説明できますか?
う〜ん。
と悩まれた方。
ある意味それは仕方のないことです。
だって、簿記の授業でも、テキスト
でも、
商品を売ったら、払出原価分が
売上原価として費用処理される
ということしか習わないからです。
どうして、お役さんに商品を渡すと
その分が費用になるのか、という
理屈はまったく教えられません。
で、どうして教わらないのか
というと
いまの簿記教育が、
B/S・P/Lを同時作成する
複式(二式)簿記しか習わない
からなんです。
実は、複式(二式)簿記を
いきなり勉強すると、収益と費用
の意味がよく分かりません。
なんか、とりあえず「そうなる」
という理解になるんですね。
ということで、
本当は、この部分も会計人コースの
問題集に入れたかったのですが
紙面の関係上入らないかもしれない
ので、当ブログに書いておきますね。
では、
まず、100万円の出資を受けたと
考えて、仕訳をきってみます。
なお、ここでは
①資産のカード(B/S)
②負債のカード(B/S)
③純資産のカード(B/S)
④収益のカード(P/L)
⑤費用のカード(P/L)
という5枚のカードを使う
複式(二式)簿記ではなく
①資産のカード(B/S)
②負債のカード(B/S)
③純資産のカード(B/S)
という3枚のカードだけを使う
単式(一式)簿記で仕訳を
きってたいと思います。
この場合、カードを2枚選んで
借方と貸方にきると、
(資産)100万円(純資産)100万円
となりますね。
具体的名称である勘定科目に直すと
下記のようになります。
(現金)100万円(資本金)100万円
ここで貸借対照表を作ると下記のよう
になります。
【貸借対照表】B/S
(資産)
現金100万円
(負債)
なし
(純資産)
資本金100万円
では、商品を仕入れ100万円
支払ったとします。
商品は財貨ですので、資産のカード
が選択されます。
よって、次のようなカードの切り方
になります。
(資産)100万円(資産)100万円
具体的名称である勘定科目に直すと
下記のようになります。
(商品)100万円(現金)100万円
ここで貸借対照表を作ると下記のよう
になります。
【貸借対照表】B/S
(資産)
商品100万円
(負債)
なし
(純資産)
資本金100万円
はい、元手の100万円は、当初は
現金の形態で保有していましたが
それが、商品の形に変わっています。
つまり、現金100万円を商品へ
投資したというわけです。
では、ここでいよいよメイン
イベントです!
商品100万円を120万円で売りましょう!
商品は財貨ですので、資産のカード
が選択されました。
なので、その商品を引き渡した場合
「資産の減少」として、次のような
カードの切り方になります。
( ? )100万円(資産)100万円
具体的名称である勘定科目に直すと
下記のようになります。
( ? )100万円(商品)100万円
ここで貸借対照表を作ると下記のよう
になります。
【貸借対照表】B/S
(資産)
なし
(負債)
なし
(純資産)
資本金100万円
さあ、どうでしょう。
上記仕訳で、借方に何が来るのか
が問題となりますが、
貸借対照表をみると、
資産が0となりましたので、
負債か純資産を減らす必要があります。
負債は0ですので、純資産を減らす
必要があります。
つまり、元手100万円は当初は現金
の形態で持っていたものが、その後
商品に変わっており、
その商品が引き渡しによりなくなった
のですから、元手(純資産)も減る
というわけです。
(純資産)100万円(資産)100万円
具体的名称である勘定科目に直すと
下記のようになります。
(利益剰余金)100万円(商品)100万円
資本金勘定を使わないのは、資本・利益区分
の原則から要請されるものでしたよね。
ここで貸借対照表を作ると下記のよう
になります。
【貸借対照表】B/S
(資産)
なし
(負債)
なし
(純資産)
資本金100万円
利益剰余金△100万円
これで、貸借が一致してますので
バッチリですね!
いまみた仕訳は、お客さんに
商品100万円を引き渡した、
という部分だけですので、
次にお客さんから代金120万円を
受け取ったという仕訳を確認します。
(資産)120万円(純資産)120万円
具体的名称である勘定科目に直すと
下記のようになります。
(現金)120万円(利益剰余金)120万円
現金という資産が増加しますが、負債は増え
ませんので、純資産が増加するというわけです。
以上より、
貸借対照表を作ると下記のようになります。
【貸借対照表】B/S
(資産)
現金120
(負債)
なし
(純資産)
資本金100万円
利益剰余金20万円
バッチリ!
これで利益が20万円という計算が
できましたね。
これが単式(一式)簿記による
仕訳です。
私どものビジネスゲーム初級(B/S)編
では、この仕訳方法で会計帳簿に
記帳していただきます。
そして、ここで、参加者の方々に
聞くわけです。
「皆さんが作ったその決算書から
売上高はいくらで、かかったコストは
いくらなのか分かりますか?」
はい、分かりませんね。
そう。
単式(一式)簿記ではB/Sしか
作れないので、利益剰余金の増加、
減少の内訳が分からないのです。
なので、
じゃあ、純資産の増加を「収益」とし
純資産の減少「費用」としよう
ということで、内訳が分かるように
純資産を2つにパカッと分けたものが
「収益の勘定」と「費用の勘定」という
わけです。
では、複式(二式)簿記における仕訳
を示してみます。
①お客さんに商品100万円を引き渡した
(純資産)100万円(資産)100万円
具体的名称である勘定科目の場合
(売上原価)100万円(商品)100万円
上記をみてください!
そう。
これが、商品を引き渡した時に費用となる
仕組みです!
②お客さんから代金120万円受け取った
(資産)120万円(純資産)120万円
具体的名称である勘定科目
(現金)120万円(売上)120万円
上記をみてください!
そう。これが収益です。
(この仕訳の方法が売上原価対立法)
このように、単式(一式)簿記に
おける3つの勘定について
純資産の勘定をさらに2つの分ける
ことで、合計5つの勘定(カード)
となり、
3枚のカードを使ってB/Sを作り
2枚のカードを使ってP/Lを作る
ことができます。
これが、複式(二式)簿記なんですね。
【貸借対照表】B/S
(資産)
現金120
(負債)
なし
(純資産)
資本金100万円
利益剰余金20万円
【損益計算書】P/L
収益:売上高120万円(純資産の増加)
費用:売上原価100万円(純資産の減少)
利益:20万円(純資産の純増加)
このような原理は、簿記検定講座とか
ではちゃんと習いません。
なぜなら、合格に向けて一直線!!
という講座が専門学校の講座なので
カリキュラム上、そんな話ししている
暇がないんです。
でもですよ。
電卓パパッと叩いて
利益は20万円だ!
と計算できたとしても、
収益って何なんですか?
費用って何なんですか?
収入・支出とどう違うのですか?
という質問に対して、明確に答えられ
ないような知識って、果たして
ビジネスの世界で活かせるのでしょうか?
そんな疑問を簿記を教えていて
強く感じたため、
今回の会計人コースに原稿を寄稿
するとともに、
上記の内容をビジネスゲームによって
学べるようにしたというわけです。
会計人コースは、2月発売ですので
ご興味のある方は、ぜひ、本屋まで。
また、逐一、原稿に関する情報は
ブログに出していきたいと思います!
こちらの記事も参考にしてみてください。
【関東にお住まいの方にお知らせです】
来年1月に、講義の収録のために
東京に出張しますので、その週に
おいて、いつもお世話になっている
中央経済社にご挨拶にいくとともに
「ビジネスゲームを使った
企業会計&経営分析セミナートライアル版」
と
「科学的で合理的な学習方法〜
短期で合格するために秘策伝授」
の2つのセミナーを開催する予定で
ございます。
場所は、都内の「勉強カフェ」を今の
ところ予定しております!!
現在、「田町」の勉強カフェと
交渉しております。
場所や日時が決まりしだい、お知らせ
いたしますね。
学習方略では、合格者と不合格者の
データを示すとともに、具体的に
どんな学習方法をとればいいのか、
とくに
「最強の学習方法」について
ワークを通して身につけていただく
予定です。
参加される方は、ぜひ、楽しみにして
おいてくださいね!
具体的な日程などが決まりましたら
当ブログとストアカに告知をだします。