GRでじもの日記 -56ページ目

モノクロで撮るということ(3)

モノクロを撮り始めて、最初に自分が変わったなと思ったのは、

光に対する反応だった。

モノクロで撮った写真をプリントしていると、

自分でもはっとするような写真が撮れていることがある。

それは、べつになんと言うことのない風景なのだけど、

光が美しく、世界が輝いて見える、そういう写真だ。

今度は、そういう光を求めて撮り歩くようになり、

また美しい光を発見して、撮影してプリントして・・・

その繰り返し。

繰り返しているうちに光が見えてくるようになるんだ。

(つづく)





モノクロで撮るということ(2)

カラーで撮るのとモノクロで撮るので何が違うかと言えば、

色があるかないか。

そんなのはあたりまえのことなんだけど、

モノクロで撮り始めてはじめて、

自分の目が色にものすごく影響を受けているんだな、ということに気がついた。

色は重要な視覚的情報の一つなんだけど、

私たちは日々色から来るイメージに頼ってモノを見ている。

と思う。

モノクロで写真を撮ったり、モノクロの写真を見たりするようになると、

色ではない情報に目が行くようになる。

光の強弱、形、質感などなど。

モノクロは、写真の世界では古い表現形態なんだけど、

自分にとってこれは、新しい視覚体験だった。

(つづく)



モノクロで撮るということ(1)

モノクロで写真を撮るようになって、10年近くがたった。

最初は、ほんの遊びのつもりでピンホールカメラを作ってみたのだが、

いつのまにかどっぷり。
もうやめられないところへ来てしまった。

しかし、なぜこんなにも自分はモノクロにこだわるんだろう。

モノクロで撮るようになるまでは、

カラースライドだけで写真を撮っていたのだけど、

私の中では、

モノクロ前とモノクロ後で自分の目が大きく変わったと思っている。

大げさに言うと、

モノクロで撮るようになって初めて、

世界を美しいと感じることができるようになった。

まあ、こんな世界だから、

それがいいことなのか悪いことなのか、わからないけど。

(つづく)

GR DIGITALのボケ、けっこういいかも。