モノクロで撮るということ(4)
夢に色はあるだろうか。
夢というのは、単なる視覚情報だけではなく、
身体からのいろいろな情報が寝ている間にバラバラに再生されているような気がする。
夢は、いろいろな感覚の固まりでできている。
だからその中の一つの情報である色が、
それほど大事ではないように思う。
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我々の記憶は、視覚情報だけではなく、
匂い、手触り、味、様々な情報で作り上げられる。
色の足りないモノクロ写真には、色が欠けている分、
このあたりの情報を呼び起こすような、そんな感覚がある。
でも、これは少し言い過ぎかもしれない。
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ただモノクロ写真から色が欠けている分、
私たちが普段得ている視覚的情報以上の物を含んでいるような、
そんな感じを私は持っている。
それゆえに、モノクロ写真はそれほど衰えずに力を持ち続けるんじゃないかな、
と勝手に信じている。