映画『吉原炎上』をロイヤル劇場で観る
柳ケ瀬商店街にある、35ミリフィルムで毎日上映する全国的にも珍しい映画館「ロイヤル劇場」が企画した
作品上映&トークイベントに参加した。
記念すべき初回は、遊郭の女性の生きざまを描いた五社英雄監督の『吉原炎上』。
主演を務めた名取裕子さんのトークには熱心なファンも駆けつけ劇場内のボルテージが上がる。
観客の中には香港から来た人もいた!
映画上映のあとは、西柳ヶ瀬にあった遊郭地をガイドの説明を聞きながら散策した。
これも今企画のウリの1つだ。
ただし、建造物は何も残っていないので正直がっかりする。
それでも、昭和の西柳ヶ瀬の夜を照らしたオーロラネオンをこの日だけ点灯してもらえる催しもあって楽しめた。
この妖しい灯りに引き寄せられて、私の父親も足繁く通ったのだろう。
当時は毎晩午前様の帰宅だったからね。
父だけではない。
母屋の隣に暮らすご隠居さんは、生前「若い頃は柳ケ瀬のネオンが恋しくてね。
遊ぶ金がないときもネオンを見ないと家に帰れなかった」と、私の母によく話したそうだ。
そんな記憶を辿っていたら、父やご隠居さんの心情にぴったりな歌が頭をよぎった。
世の中に魅惑的な花街や歓楽街がある限り、この句は世の男たちに愛され続けるだろう。
かにかくに 祇園はこひし寝るときも 枕のしたを水のながるる
歌人・吉井 勇
作曲家・中山晋平の映画
作曲家・中山晋平の生涯を描いた伝記映画を観た。
その前にタイミングよく熱海梅園内にある中山晋平記念館を訪れていたので、
余計に興味が膨らみ映画の細部まで目がいった。
歌が流れる場面もあって郷愁を誘う。
隣の席に座る高齢のご婦人はその都度口ずさんでいた。
そのか細い声の響きが何とも切なくて胸を打つ。
私は映画を観たあと、さっそくネットで中山晋平が作曲した流行歌のアルバムを探した。
中山晋平に見出されてレコード歌手第1号となった佐藤千夜子歌唱のCDを運よく入手できてご満悦な私。
やっぱりカバーではなく、本家の歌唱で聴きたいもの。
このアルバムを映画館で隣り合わせたご婦人にも教えてあげたいと思った。





