雪とアダモとスナック
その夜の金沢は、細かい雪が降っていた。
私は目的地とは逆の方角を歩いてしまったようで、辿り着いたのは人影のない川岸だった。
ところが、ここから眺める雪と川面と鉄橋のコントラストが美しく、しばし見とれて佇む。
少しばかり感傷的な気分で・・・。
気がついたらアダモの歌を口ずさんでいた。
雪は降る あなたはこない♪
あたりまえだ、誰とも約束していないのだから。
冗談はさておき、気を取り直してネオンの灯る方に歩き出す。
その道すがら、目についたのが、写真の看板である。
スナック峠。
名は体を表すという諺があるが、スナックにも通じると思う。
「峠」の一文字には、気負いも衒いもない。
無我の境地さえ感じさせる。
それに加えて、いっさいの無駄を省いた昭和感漂うスタンド看板にも心を射抜かれた。
知らない町のスナックに入るのは結構勇気がいるものだが、私はあえて挑戦するようにしている。
自分の直感の正しさを証明するための人生修業と捉えているふしもある。
私は迷わず、このスナックのある二階に向かう。
この夜の選択はどうだったのか。
吉と出るか凶と出るのか。
長くなりそうなので、今日はこのへんでやめにしたい。
SNS初めての〈つづく〉にて終了。
この先の話を知りたい人はそうはいないだろうから、
永遠の〈つづく〉になるかもしれないな(笑)。
金沢の旅、百万石の鮨など賞味
チェリッシュの悦ちゃんは『なのにあなたは京都へゆくの』と歌った。
私の妻は「なぜにあなたは金沢にゆくの」と私に問うた。
そりゃそうだろう、3連休突入前日に突然決めたのだから。
観光目的ではない。
宿の温泉に浸かってうまいものを堪能するだけの気まま旅。
お目当ての大衆割烹が予約できたのは幸運だった。
香箱蟹、加賀蓮根のはす蒸し、だし巻きと続き、最後は石川県の鮨の組合が推奨する、
地元の旬のネタをつかって握る「百万石の鮨」で締めた。
誤解を招くといけないので記しておくが、石川県産の香箱蟹の漁が許されるのは12月まで。
この日私がいただいたのは新潟産。
禁漁の時期が異なるがゆえ、提供できるのだそうだ。
私は食通ではないから、事前に説明さえあれば、ご当地産でなくても構わない。
そういえば、鴨すきで有名な滋賀長浜の料理旅館「千茂登」も地元で獲れる天然真鴨にこだわらず
新潟からも仕入れていると、仲居さんが教えてくれたのを思い出した。
やるじゃないか、新潟県!
頼りにされてるな。
新潟にも行かねばという気持ちになってきた。






