イイコな女社長 ~半歩先の食探し~ -15ページ目

店作りの発想力の源泉とは?

弊社では15年間で

10店舗のオープンを経験しました。



休業、リニューアル、撤退を繰り返しながら

そのうちの5店舗が現在存在する店舗です。


イイコの歴史

http://ameblo.jp/e-e-co/entry-11576015054.html




全国で何店舗もチェーン展開している会社は

素晴らしいと思います。



でもそれは私たちが求めるものではなく

安定はないけれど

自分たちが食を通じて夢を持って

時代を作る先駆者でありたいと考えます。





店作りというものは何度経験しても

絶対これが正しいという法則はないと

私は考えていますが


ひとつ言えることは

店というものは

経営者+スタッフ+お客様をはじめ

関わるすべての人の作品です。



作品とは

「作者の精神活動を通じて創作された表現物」

とあります。




逆に言うと

内装に関わった業者さんやデザイナーはもちろんのこと

経営者、スタッフ、お客様も作者なのです。



この精神活動をきちんと理解していないと

話題を呼ぶ店作りができません。





私なりに考えた店作りの発想力の源泉とは?




①お客様が求めているものは何か?を考える


外食産業を長くやっていると

気付かないうちに自分たちの都合ばかり考えてしまいがちです。


他の業界でもそうですが

原価率や人件費率や坪単価や採算分岐など

数字に振り回されるのは自分たちの勝手な都合です。



この業界では食材の原価率は30パーセントに抑えることが

優秀だと言われていますが


お客様は原価率30パーセントのものを食べたいのではなく

原価率がどうであろうが

価格に対しての満足感を求めています。


それは価格の安さだとは限りません。


時として価格の高さを求めている場合もあるのです。


表向きの数字にこだわってしまうと

本当にお客様が求めていることを見逃してしまう危険性もあります。


人気店になれば自然に数字のバランスはとれてくるので

まずはお客様の存在欲を満たすことに集中するようにしています。





②周りの優秀な人の意見を吸い上げる


自分の意見を通すことに価値観を見出してしまうと

経営者は孤立してしまいます。


私の場合、誰が決めるかは重要ではなく

常に周りが何を考えているか

得意分野を見つけて

その部分を任せてしまった方が良い店が作れます。


なぜなら

店は作ってしまってからが本当の勝負だからです。


優秀な作品として生き残るためには

できるだけ多くの人の想いを吸い上げた方が良いのです。




③時代の半歩先を意識する


弊社のテーマは「半歩先の食探し」です。


飲食店としてお客様からお金をいただくからには

美味しくなければ権利はないと思っています。


ただ美味しいだけでも意味はなく

外食する意味のあるものを提案するのが

私たち外食産業の使命です。


その提案の時期が

早すぎても遅すぎても良くないわけで

タイミングを見極めることが大切です。


今までの経験上

オープンして半年後にブレイクするのが

良い塩梅なのではないかと思っているので

半年間の運転資金をプールしておく必要があります。




④流行りものにはのらない


2005年にジンギスカンブームがありました。


弊社では羊肉に含まれるカルニチンという成分が

ダイエットに効果があるということに注目して

2004年に恵比寿に「クラブ小羊」をオープンしました。


その半年後にジンギスカンブーム到来。


連日予約を断り続けたため

2005年、渋谷に2号店オープン。


ところがこのブームは一年も続かず

坂を転げ落ちるように売上は落ち続け

周辺のジンギスカン屋も次々と閉店。


渋谷は業態変更しましたが

恵比寿はかたくなにジンギスカンを続けました。

それから8年後

恵比寿の「クラブ小羊」は

ブームの頃の売上とはいきませんが

それに近い安定した売上を維持しています。



なぜ、恵比寿は業態変更しなかったのか?


流行りを作りだした確固たる根拠と自信、

ブレない気持ちがあったからです。


同じ会社の中でも流行りを作りだした恵比寿店と

流行りにのった渋谷店。


同じ羊肉やタレを提供しているのに

見事に明暗を分けたのです。


このとき感じたことは

表面だけのノウハウやテクニックに頼って

流行りもののおこぼれをもらおうという精神は

いつか必ず崩壊するということでした。


流行りには終わりはあるが

流行りを作り出せば終わりはないと

常に肝に銘じることにしています。




⑤人間心理を考える


究極はこの一言に限ります。


①で説明したお客様の存在欲を満たすことは

社員や周りのすべての人に対して言えることなのです。


店作りは舞台作り。


現場のスタッフは役者。


役者はただ舞台の上で踊ればいいというわけではありません。


いかに自分の存在欲を満たす作品ができるか

舞台作りから参加して皆で作り上げることが

良い作品を作るコツなのです。




これらの5つの法則は

店作りだけではなく

さまざまなパターンで活躍してくれる法則だと

私は思っています。


ご自身の仕事やプライベートに置き換えてみると

何か発見があるかもしれません。




イイコの歴史

1997年に一号店「201号室」をオープンしてから

昨年の「ナポレオンフィッシュ」のオープンまで

15年間で10店舗のオープンを経験しました。



弊社は店舗数を増やすことを目的とはしていないので

この数が多いのか少ないのか判断はできません。



ただ、オープンするたびに思うことはいつも同じで

私達なりの法則があります。



オープンするきっかけはまちまちであっても

行きつくところは不思議と同じなのです。



このブログを読んでくださっている方が

興味があるかないかは別として

法則をきちんと説明するためにも

10店舗の歴史を振り返ってみたいと思います。





まずは1997年4月に恵比寿「201号室」

オープンしたことから始まります。



この店をオープンするにあたり、

独立したきっかけや

オープン後の苦悩に関しては

以前のブログで書いた通りです。




逃げの延長が独立だった

http://ameblo.jp/e-e-co/entry-11545368223.html



恵比寿「201号室」

http://ameblo.jp/e-e-co/entry-11548004641.html#main




この恵比寿「201号室」は

店名を「中村昭三」→「中村圭太」→「中村玄」

3回変更し、4~5回業態変更しています。



1999年に恵比寿「続201号室」オープン。



こちらは幻の「もつ鍋貴子」→「クラブ小羊」

店名も業態も2回変更。




2001年に中目黒「村上製作所」オープン。

当時のこの店を知る人たちは

伝説の店と言ってくれています。



なぜ伝説だったのか?

「村上製作所」の名のごとく、

7年間ずっと工事中を通し

7年間ずっと全てのメディアの取材を断り続けました。



同じく2001年「村上製作所」の隣に

「タイガー商会」オープン。



のちに「豚鍋研究室」に店名変更。



2008年、東横線の耐震工事のため

弊社の稼ぎ頭だったのに

2店舗とも撤退せざるを得ない結果となりました。




2005年、恵比寿「クラブ小羊」

ジンギスカンブームで大ブレイクしたため

渋谷にも「クラブ小羊」オープン。



が、このブームは一年足らずで終わり

「BooBooHOTEL」→「月世界」と変更。



同じく2005年、下北沢に「こぶた劇場」オープン。



経営不振の知人の店を買い取った形だったが

一度も黒字を経験しないまま

一年足らずで閉店。




2006年、沖縄に「ピーチ・ビーチ」オープン。



沖縄が大好きだからという理由だけで

開店してみたものの経営は苦しく

沖縄の知人にまかせたら

家賃を踏み倒されるという結果になってしまい

2009年に契約満了で閉店。




2008年、祐天寺に「鴨丸・祐天寺分校」オープン。



鴨料理専門という斬新な業態でブレイクしたため

翌2009年、恵比寿に「鴨丸上ル」オープン。



鴨料理のブレイクは幻だったのか

恵比寿をオープンしたとたんに

祐天寺の売り上げも落ち始め

その半年後には一時休業して

2010年「発酵食堂・豆種菌」としてリニューアル。



恵比寿「鴨丸上ル」は一年で閉店。





ざっと思い返してみても

なんだか落ち着かない歴史であります。


9回転職した20代の頃と

あまり変わらない状況のような気もします。



常に思考錯誤し

いつまでたっても安心できない状況は続くのに

懲りもせず、同じことを繰り返す。



でも私はこうやって

開店・リニューアル・閉店を繰り返す中で

確実に成長している自分を発見します。




昨年の方向性としては

店舗数は4店舗になってしまったが

今ある店舗を大切に育て

「日本発酵文化協会」をたちあげたことにより

広くよりも深く追求することに専念しようと決めました。



ところがひょんなことから

麻布十番の物件の話があり

2012年8月「ナポレオンフィッシュ」

オープンする羽目になってしまいました。




もうこれで終わりにしようと思っています。



店舗数は増えなくとも

イイコの歴史は続いていくのでしょう。



こうやってイイコの歴史を振り返ってみると

成功よりも失敗の方が多いような気がします。



こんな経歴の人が語る成功哲学なんて

全く説得力がないと思われでも仕方がない。



でも、成功が失敗かは本人の心の中にあるものであって

他人にどう思われようが関係のないことなのです。



だから、私は自分なりに

店作りを通じて得たことを伝えていきたいと考えています。




女性経営者が生き残るコツ

前回のブログで

「女性経営者が陥りがちなこと」

を書きました。


http://ameblo.jp/e-e-co/day-20130712.html



その逆を意識して行動することこそが

「女性経営者が生き残るコツ」

であることは間違いないのですが、

簡単なようで難しい。



なぜなら

私はここに到達するまでに

10年以上かかりました。



今はこれで良いと思っていますが

この先はどう変わるかわからない。



経営というものは常に試行錯誤であり

常に悩みであり

常に戦いであり

だからこそ、楽しい。



そして経営には

必ず「人」がついて回るということを

常に理解しなければなりません。



この「女性経営者が生き残るコツ」は

私の経験を元に

外食産業の女性経営者を想定して書きましたが、

経営者でなくても

社会で生き残るために

周りの大切な友人や家族とうまくやっていくために

大切なことと同じことのような気がします。




①人を信頼して任せることができるが、人に依存しない


人を信じることから経営がはじまる!

と言っても過言ではないと思っています。


人を信じて任せるということは

実はとてもリスキーなことなので

最終的に責任をとる覚悟ができているかどうかが

ポイントになります。


もっと言うと

人を信頼することと、人に依存しないことの

バランスがとれているかどうかということです。




②自由と規律を社員に理解させることができている


私は社員教育が苦手です。


今まで定期的に全体ミーティングをやったり

外部のコンサルタントに協力していただいて

社員教育を試みたこともありますが

苦手なことを無理にやろうとすると

目的がぶれてしまいます。


以前は若い社員を育てて

意識改革をすることにより

新しい業態を作っていくことができましたが

店舗が複数になっていくと

経験豊富な人を雇用することにより

斬新な意見を吸い上げることもできて

会社にとって良い方向に転じることもあります。


最低限の決め事さえあれば

常識の範囲で自由にやってもらった方が

最終的に良い結果に繋がります。


また、自由の大切さを知っている人は

自然に規律を理解しています。




③自分がいなくても現場が回る仕組みを作っている


5年くらい前までは、私も現場に出ていました。


現場に出ると自分がまだ必要とされている安心感もあり

たまに店をチェックする機能としても

大切な業務だと思っていました。


でも信頼している店長ほど

現場で私を必要としていないし

問題を自分で解決しようとします。


時には報告するべきことを

報告してこなかったり

勝手に判断したことに対して

腹立たしかったりした経験はありますが

大きな問題にならない限り

その方が社員を成長させる結果となります。




④人との交流を大事にし、素直に人の話が聞ける


経営者は自分の想いを訴えることだけが

仕事ではありません。


理念や指針を発信していくことは

もちろん大切なことですが

一方的になってしまっては何の進歩もありません。


私は月に20日以上、誰かしらと外食しています。


それもできれば一対一か少人数で。


セミナーや交流会や会食も大切ですが

面と向かって本音トークすることが

明日の活力に繋がります。


私のように話すことが得意でなくても

素直に人の話が聞ける方が

よっぽど良い仕事に発展します。


みんな(特に女性は)

お話したくてたまらない生き物なのだから。




⑤撤退する勇気を持っている


撤退するのはとても勇気のいることです。

特に借金を抱えていたりすると

もう少し頑張ればどうにかなるだろうと粘っても

気がついたらどうしようもない状況に

なっていることもあります。


また、次のステップアップのために

必要のないものを排除していく勇気も必要です。


最終的に何を目的としているかということを

冷静に判断すれば

撤退は決して逃げることではありません。


また、目的が定まらず

もしそれが逃げることだとしても

それは決して罪悪ではないと考えるべきです。


私は経営不振が少し続くと

すぐに撤退や業態変更を考えてしまいますが

状況に応じて早めに判断することが大切なのです。



人間関係でも同じことが言えます。


少し冷たい言い方ですが

情だけで長く続く関係を断ち切る勇気も大切なのです。


その辺は女性の方が持っている能力なので

時と場合によって活用していきましょう。