賑やかなシネマストリートフェスに、追悼上映とは言えこんな2作品をぶつけてくるとは…な、衝撃作!
まさに邦画の秘録。心して挑め!
両作共にほぼ前情報皆無で挑んだので、その衝撃は半端なかったのですが、他の追悼上映から漏れがちだった、これも曾ての邦画の重要な側面でしょう。
どうしてもこの手の作品はタブーやカルトへとカテゴライズされがちでしょうが、そうではない真正面から挑める劇場上映でこそ映画として活きるよね。
衝撃!
流石の石井輝男監督作品!
オープニングの健さんの死刑シーンで先ずグイッと引き込まれ、妙なる説得力ある刑務所/死刑囚の字幕での設定表記、そしてそれぞれの罪状表記の強烈さでノックアウト!
脱獄途中の室田日出男の女下着姿で眩暈しましたが、その後の強烈さはその比ではない。
まさかの湯たんぽ、2大スターがかぶりつくご馳走、劇場に飛び散る血飛沫!
本作の成立の経緯を調べてみると相当混乱してたみたいだけど、そこを逆手に取ったかの様なアナーキーさは脚本の粗さを凌駕して挑み掛かって来るな。
流石石井輝男監督!
そもそも健さんがいつもの美意識を貫くのかと思いきや、結構ブレちゃうとこあるし、文太さんのその事件の背景も取って付けたかの様で…
でも、矢張り、歪み合ってた二人が共闘して行く展開には胸が・目頭が熱くなるのだ!
この時期の田中邦衛さんの厭らしさは他の追随を許さないな。
そして木の実ナナさん!見事に場末に流れついた女の悲哀を体現している。ラストの赤ずきん姿が可愛い。
さり気なく取り込まれたミニチュアや合成も唸る巧みさ!
どえらいもん観た!
これは不意打ちやったわ。
何となく二・二六事件を扱った映画ぐらいに思って挑んだもので、オープニングで混乱しましたが、そっかオムニバス映画なのかと落ち着いてまた混乱(笑)。
幕末・明治・大正・昭和に起きた日本での暗殺百年史をオムニバス形式で(“血盟団事件”のみガッツリ描かれる)、ちょっと後退りする程の生々しさ綴った本作。
高倉健と菅原文太は勿論の事、実質主演とも言える千葉真一に、片岡千恵蔵、若山富三郎、鶴田浩二、田宮二郎、藤純子…唐十郎と状況劇場や土方巽迄!
と、此処迄のキャストを揃えつつも、本作が今日知る人ぞ知る作品なのは、矢張りその描かれる暗殺の思想的背景の、時に甘美な危うさ故だろう。
千葉ちゃんの病と恋の間で揺れる繊細な葛藤は、今迄観た事ない表情だったなぁ。
藤純子さんも無茶苦茶可愛い!
あのパートは思想を越えて美しい。
そんな側面からか、VHS時代にもソフト化されず、長らく幻の作品になってたみたいだけど、この内容なら確かに2011年のDVD化は事件だな。
でも、DVDでの家での鑑賞じゃあ、ラストの壮絶なる画に掛けたキャスト&スタッフ陣の尋常じゃない覚悟に向き合えないぜ!
本日が最終日だ!
ドラマチックな冨田勲さんの音楽も聴きどころです!



