BT | Electronic Dolphin Eats Noise

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空論上の九龍城

2010年6月のmixiでのBlogの転載。

少し前の話。ふと寄った古本屋で購入した15年程前の美術手帖が奇妙にここんとこの私の想いとシンクロしてて面白かった。
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“トランス・アーティスト”と名打たれたその巻頭特集では映画監督やミュージシャン等の“非美術家”による美術作品が広く紹介されておりました。

『ざくろの色』で知られる受難(逮捕・投獄に囚われた人生だった)の作家セルゲイ・パラジャーノフ。
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ソ連邦下、様々な民族の主張を自身の作品に取り込んだ彼の作風は当然ながら危険視されてしまったのだ。そのカラフルな色彩感覚に溢れたコラージュ作品は彼自身の映画と非常に近い。しかし、この帽子お洒落ですね~

80年代イギリスから世界へと、強烈なヴィジュアル感覚と深い哲学性に貫かれた映画を発したデレク・ジャーマン。
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映画同様その絵画からは幾重にも織り込まれた思想を読み取る事もできますが、まずはパッと見のインパクトに打たれたいですね。

最近トンと名前を聞かなくなったピーター・グリーナウェイ。
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こちらもイギリスより80~90年代に掛け強烈なヴィジュアルと頭抱えそうな難解なテーマの映画でカルトなファンを生みました。マイケル・ナイマンの“如何にも”な音楽も印象深いですね。シンメトリーや理数系な比喩に溢れた彼の映画は殆ど美術作品でしたが、成る程彼のコラージュに溢れた美術作品は映画より面白い(苦笑)

全盛期を過ぎた今でもその一挙手一投足に世界の注目が集まるデヴィッド・リンチ。
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70年代末から90年代を通して世界の映画史と映画ファンに深刻な傷を残した彼の数々の映画は、しかし実は美術家や音楽家や(小説・漫画の)作家等の映画以外のメディアに強烈な影響を与えた筈で、彼こそこのテーマの中心でありましょう。当然ながら彼の絵画も熱烈なファンを生んだ。映画同様の(解り易い)歪み。

役者としてだけではなく美術コレクターとしても知られたデニス・ホッパー。
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彼は実は美術家でもあったのですよね。まぁ、“好きが高じて”な作風ですが、やっぱセンスが良かったんだろうなー

ラッセル・ミルズ、この人は全うな美術家なんですが(笑)、多分数々のミュージシャンとのコラボレートからここにノミネートされたんでしょうね。
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古くはイーノやワイヤー、武満やシルヴィアン、そしてNIN・・・。私も個人的に彼からは大いなる示唆と影響を頂きました。しかし男前やな~撮影は勿論藤井ユカさん。

イーノであります。最早多くは語るまい。
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リンチ共々このテーマの根源を成す方であります。

マイルスっす。
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はい、ジャズの革命家にして帝王。彼の絵画はその音同様何物にも囚われず、しかし全くのブレを感じさせない。

恒松正敏である。
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そうフリクション~E.D.P.S.のギタリストの。いや~面白い!そしてむっちゃ巧い!それもその筈東京芸大出身なのだ。

誰?と言う事なかれ。
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彼こそキャプテン・ビーフハートその人である。ミュージシャンを引退後画家として活動してるのは知ってましたが、こんな絵画を描いてたんですね。音楽同様掴めん!

何だか、こんな風な方々になりたくって色々と果敢に挑戦してた中学生~高校生の頃(この書が発刊された頃が丁度その時期でもある)を思い出しますが、また今そんな時代への回帰願望も強めております。

おまけ。
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懐かしのポール・マッカーシー。当時スタジオ・ヴォイスでも特集されてて何だこれ!?と衝撃受けたなー