Jim O'Rourke | Electronic Dolphin Eats Noise

Electronic Dolphin Eats Noise

空論上の九龍城

2011年4月のmixiでのBlogを転載。

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超絶の技術と理論を土台に爆裂する音を放つジム。
と、穏やかな歌を紡ぐジム。
一方で、非常に職人的な感性も持ち合わせ、
時にチャーミングでもある。

フルシアンテとベックと大友さんを足して割らない様な才能の彼は、重度の日本贔屓で、現在は東京在住である。

彼の日本好きを知ったのは十数年前に出たスタジオ・ボイスでの“日本の作曲家特集”で、
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彼の選んだ邦楽のお気に入り15枚(悩みに悩んでのセレクション)が…

1.アポジー&ペリジー『超時空コロダスタン旅行記』
2.細野晴臣&横尾忠則『コチンの月』
3.ゲルニカ『改造への躍動』
4.メルツバウ『スカム』
5.加藤和彦『スーパー・ガス』
6.鈴木茂『バンド・ワゴン』
7.ノイズ『天皇』
8.タコ『タコ』
9.ワハハ『下駄をはいてこなくっちゃ』
10.武満徹『コロナ』
11.金延幸子『み空』
12.ハナタラシ『ハナタラシ2』
13.カトゥラ・トゥラーナ『カトゥラ・トゥラーナ』
14.高柳昌行『アクシス・アナザー・レヴォリューション・シング・パート1』
15.はちみつぱい『センチメンタル通り』

スゲ~でしょ?大体一般の日本人ならこのラインナップで知ってるのって殆ど無いんじゃないの???しかも知ってる人にとってもこの雑多な並びは驚愕である。
私もこの15枚中カトゥラ・トゥラーナは知らない。他は知ってはいるけれど、持ってるのは6枚だけだ・・・
大体武満・高柳・細野・メルツバウ・ハナタラシ辺りは海外での人気高そうなの判るけどさ、金延幸子やはちみつぱい辺りまで押えちゃうって凄いよ。更にノイズとかタコまで行くと…

さて、ジムがこの日本に来たのは、日本語や日本の文化・歴史を学びにであるのだけれど、それは元々この日本の音楽や映画に強烈に惹きつけられてたからだそうだ。
特に彼の日本映画への愛は半端無い。
邦楽は元々音楽家であるのだから詳しくても納得出来るんだけどさ、邦画の知識・理解度はこちらの想像を遥かに飛び越えている。

TSUTAYAさんが発行しているシネマ・ハンドブックの最新版にて彼がお気に入りの邦画を10本選出してるんだけど…

1.若松孝二『天使の恍惚』
2.原一男『ゆきゆきて、神軍』
3.増村保造『巨人と玩具』
4.今村昌平『神々の深き欲望』
5.市川崑『穴』
6.大和屋竺『愛欲の罠』
7.黒沢清『蜘蛛の瞳』
8.篠田正浩『化石の森』
9.岡本喜八『ああ爆弾』
10.曲谷守平『海女の化物屋敷』

これまた驚愕だ!ほぼどれも映画に詳しい方なら知っているタイトルだろうけど、一般の日本人なら全くちんぷんかんぷんでしょね。
大体海外の邦画ファンが選ぶであろうラインナップとは随分な開きある。
し、一作一作に付属したコメントがまた“解ってらっしゃる”。
お恥ずかしながら、個人的に『愛欲の罠』と『海女の化物屋敷』以外は知っている作品であるものの、ちゃんと見てるのは『ゆきゆきて神軍』と『蜘蛛の瞳』だけ・・・情けない…。常々見なきゃ!とは思ってるのばっかなんだけれどね~

さて、そんなジムさん。邦画好きが高じて実際日本の映画音楽なんかを手掛けてるんですよね。
先ずは敬愛する若松監督の『実録・連合赤軍』。
ジムは若松作品を全作見ているとか。
そして最近では熊切和嘉監督の『海炭市叙景』も手掛けておりますね。

いや~、一度彼とどっぷり日本の音楽や映画について語り合いたいものです。その前にこちらも精進しなきゃいけないけれどね!