アメリカン・ニュー・シネマ、他。 | Electronic Dolphin Eats Noise

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空論上の九龍城

関西映画館界隈のオルタナ劇場“塚口サンサン劇場シアター1”の思い出。

『招かれざる客』
2013年4月、塚口サンサン劇場で鑑賞した時の感想呟き纏め。

招かれざる客にならぬ様、行儀良く観ました。


実は初めて。
当然作品の事は知ってはいた訳で、でも、良い意味で鮮やかに裏切られたイメージ。
ミニマルな室内・会話劇で、マキシマムな問題を炙り出し・解きほぐし、どう退治すべきか?と、共に此方にも問い掛ける。
スマートなユーモアが潤滑油。

勝手にもっとヘヴィーな社会派ドラマを想像してたんだけど、これが中々にスマートな会話と軽やかなテンポに貫かれた作品で、だからこそ、そこに横たわる問題を未だ身近に感じられるし、そこから先にあるものへの感心も頭もたげるんじゃないかな?

何より、スペンサー・トレイシーが素晴らしいな。

彼の戸惑いや葛藤、そこから導き出された強い想いと言葉は、当時のアメリカそのものなんじゃないのか?
ラストの姿は圧巻!



『スタンド・バイ・ミー』
2013年5月、塚口サンサン劇場で鑑賞した時の感想呟き纏め。

終わるとは思いもしていなかった永遠の夏休み。それが、同年代の子の死(いや、死体)をその目にする事で、それぞれの形で終わりを告げる。
少年から青年へ、失うもの以上のものをどう見つけれたのだろう?
これはノスタルジーでなく通過儀礼であって欲しい。

しかし、『スタンド・バイ・ミー』って完璧過ぎるなー。
もうね、観る年代によって掴まれる部分それぞれ用意されてる部分も込みで。
凄く練られてるし、仕掛けもたっぷりなれど、スムーズなカメラと抜群の編集で観てる合間はどっぷり…


あのメイン四人、少年から青年への成長期の葛藤をそれぞれ巧みに振り分けられてる。
今この歳で見ると、子供の頃には何だか不気味だったあのテディがグッと来るのだ。


あのパイのエピソードとか、何気に象徴してるよね、この作品の抱えてるアメリカの暗部を。
他の橋や犬やヒルのエピソード、どれも最高なれど、鹿がね、あれちょっと異質で残る。

いやー、名作ね、ホント。
もっとガンガン子供連れとか、男の子同士の群れとか、集えば良いと思うよ。
昔の友達誘ってなんかもありだな。
でも気持ち引き摺っても線路は歩いちゃ駄目よ(笑)。


『卒業』
2013年5月、塚口サンサン劇場で鑑賞した時の感想呟き纏め。

ひっさびさに観たけど、こんなに面白くって、しかも過激だったっけ?
粋で洒脱な、会話と編集のテンポ。
ヒップなギターのカッティング。
社会への・大人への・権威への、彼等なりの焦燥、苛立ち、反抗。
そして劈く叫び!!!


これ、物心付いた頃には既にクラシカルな作品として、棚上げされてたけどさ、今こーして改めて対峙しても、痛い程に響く。
そしてあのラストへの疾走には、結末を知っていたとしてもバクバクせざるを得ない。
真に名作、真にエヴァーグリーン。


フィルムの色合いもまた良し。
車飛ばしてる時の撮影美しいなー
山道や橋での空撮とかときめく。
一瞬だったけど、朝靄(?)のとことか溜息出た。


まぁ、しかし、『卒業』は青春映画としても、恋愛映画としても一級なれど、先ずはコメディでしょ(笑)。
中盤までは息付く暇もなく笑わせる。
あのホテルでのやり取りとか。
パンが焼き上がるタイミングとか絶妙過ぎ!


『タクシードライバー』

2013年5月、塚口サンサン劇場で鑑賞した時の感想呟き纏め。


ふぅー、
スタンダードサイズで高密度に突き付けられたぜ!
『タクシードライバー』@塚口サンサン劇場!


若きスコセッシとデニーロの、衝動の扇動が、画面狭し(実際に狭い)と犇き合う様は、敢えてのスタンダードサイズに拘った塚口サンだからこそだろう。
シアター1特有の密室感がまた煽るのだ。
これは、予測以上に異常な熱気!


最初スタンダードサイズなんだと聞いた時は???と、混乱したものの、観れば納得だ。
70年代NYの出口無しな閉鎖感は見事死角無しに四角く切り撮られた。

スクリーンを横切る時間軸が制限される事で、奥へと・手前へと向かう負のベクトルの濃密な事…

タクシー内での見知らぬ二人が密室を共有せざるを得ないあのスリル。
時に画面すら破りそうに突き付けられる銃。
狭い通路・室内での銃撃戦の生々しさ。
総てスタンダードサイズの賜物だ。

TVの時代の到来を念頭に置いたスタンダードサイズだったのかもしれないけれどさ、見慣れたTVの画面サイズでの上映は、映画=現実逃避ではなくなったあの時代を見事に代弁していたのかも?

これは貴方の直ぐ傍の出来事であると。

一度は絶対スタンダードサイズでの劇場上映味わっておいた方が良いよ。デジタル上映の時代にはもう二度と取り戻せない興奮がある。


ジョディ・フォスターの妖(幼)婦っぷりもまた素晴らしい!
トータルでは少ない出演ながら、鮮烈な印象残して、早くも大器を感じさせる。


しかし、『タクシードライバー』のトラヴィスも、(同日に元映で観た)『ダークホース』のエイブも、もう何て身勝手なんでしょ(苦笑)。
我こそ正義、悪いのは皆だ、だもんな。
しかも自分を正当化する為でしょ、その愛は。

そうだ、元映で観た『サイド・バイ・サイド』で『タクシードライバー』のオープニングに気持ち昂ぶってたんだよな、今年頭。

まさかこんな形で早くも観れるとは!
『タクシードライバー』のフィルムの発色素晴らしいです!特にオープニング&エンディングにはマジ身震いしますよ!


そして、『タクシードライバー』も『ダークホース』も、エンディングの感触が尋常じゃない捩れ持ってて唸るね。

本人の思惑が、図らずも…まぁ、観てのお楽しみ!


『タクシードライバー』、数々の模倣を生みましたが、TVアニメシリーズの『攻殻機動隊』にまんまなエピソードあったね(苦笑)。


『イージー★ライダー』
2013年5月、塚口サンサン劇場で鑑賞した時の感想呟き纏め。

やっべぇなぁー、『イージー★ライダー』、昔見た記憶の遥高いハードル越えた面白さやないか(毎回言ってる)!
こんなんでしたっけ???
フィルムの魔力?劇場の魅力?

こんな事が『卒業』『タクシードライバー』と続くと、ちょっと自分の(しこたまレンタルして構築された)映画観が揺らいでおります…

自由を求めながらも、しかし恐れもする、そんな八方塞がりな閉鎖感の中を突き破るバイク、ドラッグ&ロックンロール。
の快楽と孤独。
あの呆気ない幕切れ。だからこそ、響く想いの堰は切られた。

あとさ、ジャック・ニコルソンがねぇ…、彼の存在がこの作品の胆な気もする。
彼の双方からの視点が幾分乱暴でもあるこの作品の構成を、全く違った物へと導いている。
彼が語る自由への思いは刺さる。

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後半の、謝肉祭の、あのサイケデリック具合はどうだ!?

何あれ!!!
劇場の空間でのフィルム上映でのあそこはマジヤバい!!!!!
マシーンビート(採掘機?)の上を映像と言葉が意味や時間軸越え飛び交う様のエクスタシー…

あとさ、謝肉祭行く前辺りに寄ったレストランにいた六人組女子が矢鱈可愛かった。

しかも大胆(笑)。

あのヒッピーのコミューンみたいなのも時代だなぁー


『イージー★ライダー』、あの几帳面に一曲ずつアーティスト名と曲名がカタカタ字幕で出るのが、ダサくて最高!

まぁ、日本公開時はまだまだロックなんて風当たり強くって、こんな映画が海外のロックを爆音で聴ける場としての側面もあったんだろうなぁ~