最近は論文を読むことが多いので、また研究論文を取り上げます。
「 理科教育における計算能力のつまずきの原因究明と改善 ( 日本理科教育学会北海道支部大会発表予稿集. 2006 )」 徳永,好治[他]
ちょっと古いですけれど、状況はあまり変化していないと思われます。
大学生にアンケート
算数が得意で理科も得意 28%
算数が得意で理科は不得意 48%
算数が苦手で理科は得意 4%
どちらも苦手 20%
数学が苦手で理科が嫌いは理解できますが、意外なことに算数が得意でも理科が不得意の学生は多いのです。
中学生に問題をやらせて調べた
加法減法の数学計算 ○ 加法減法を使用する理科の問題 ○ 22%
加法減法の数学計算 ○ 加法減法を使用する理科の問題 × 15%
加法減法の数学計算 × 加法減法を使用する理科の問題 ○ 4%
加法減法の数学計算 × 加法減法を使用する理科の問題 × 59%
割合を使う問題になるとさらに低下します。
その原因としては、算数では計算問題でも、理科では計算を利用して解く問題となります。
したがって、計算式を立てるまでの理屈がわかっていないと解けないわけです。
算数の文章問題が苦手なのと同じで、原理原則を知って、なぜその式を使うのか、その計算をするのかを理解するようにならないと理科の苦手はなくなりません。
算数ができる子でも理科が苦手ということから、理系へ進む人が少なくなっているのでしょう。
しかし、理系志望者が少ないなら、ライバルが少ないとも言えるので、理科を頑張って理系へ進む選択肢もありなのではないでしょうか。
そのためには理科を好きにならないといけませんが。
羊は、自分が理系だったので、理科嫌いが多いのは残念に思います。
仮説を立てて、実験して、結果で証明できると楽しいんですけどね~!(羊)