ヘビーな歯ぎしり持ちで、高校時代から、
現在まで、ずっとマウスピースを使ってます。
http://ameblo.jp/dupondt/entry-10388664701.html
また、半年前には、虫歯で渋谷の歯医者に行き、
現代技術を結集させたような近代機器に圧倒され、
治療もまったく痛みがありませんでした。。
老化のきざしは、「歯、目、魔羅(男性器)」の
順序で現れ、衰えの対抗として、入れ歯や老眼鏡、
バイアグラ等が使用されています。
しかし、機能代行の「人工臓器」として入れ歯は近代で、
もともと「細工物」としての装身具であり、
入れ歯の製作は、身体装飾具の職人が担当していました。
とりわけ、前歯の欠損を補うための入れ歯は、
16世紀後半にヨーロッパで普及しましたが、
当時のかつらと同様、贅沢な装飾品で、
入れ歯の使用も「重大な個人的秘密」とされ、
ばれないように、大口を開かないとか、
口もとを手や扇子で覆う上品なエチケットが
生まれたのはヴィクトリア朝で、入れ歯と関係があるという
説もあるようです。
なお、アメリカ初代大統領ジョージ・ワシントン、
若い頃から虫歯がひどかったらしく、
28歳ですでに入れ歯を必要とし、大統領就任時には、
すでに上顎の歯はなく、下顎も1本しか残っておらず、
スプリングで入れ歯を固定させていたため、
1ドル札の肖像も、よく口もとを見ると、
気むずかしい表情をしているのは、それが原因。
虫歯といえば痛みですが、その麻酔の歴史は、
「笑いガス楽しみ会」という亜酸化窒素ガスを
使った娯楽で、1844年、この会に参加していた
田舎歯科医師がひらめき、抜歯に応用するように
なったのがきっかけで、それから、亜酸化窒素が
エーテルになり、最終的にクロロホルムになります。
このクロロホルムは効果抜群で、
無痛分娩にも応用されましたが、
それがキリスト教と論争になり、
「汝は苦しみて子を生まん」とあるのに、
その苦痛を取り除くのは「神を恐れざる仕業」であり、
麻酔は「悪魔のわな」とされていました。
そして、近世まで入れ歯の人工歯として
最も多く使用されたのがヒトの歯そのもので、
「レ・ミゼラブル」にも、貧しいフォンテーヌが、
大切な髪ときれいな前歯を売る場面があります。
なお、日本においては木彫りの伝統があり、
入れ歯の材には、ツゲが最適とされ、
まさに職人芸の域であったとされています。
現代において、歯科医師と医師は分けられておりますが、
主に5つの理由があります。
1 歯科が対象とすべき疾患量が膨大である
2 歯科では治療部位が限定されている
3 歯科では特殊な治療手段が必要となる
4 技工作業の比重が高い
5 生命予後や社会活動への影響が比較的少ない
歯の移植に関しては、古くは古代エジプトまでさかのぼり、
ファラオ(王)が奴隷に召し出させたとう碑文があるようで、
近代にいたるまで、他人の歯を移植する試みがされてきましたが、
これは生理学上、人間にはアレルギーがあり、
臓器移植においても親族から提供を求めるように、
他人の歯を移植しても、すぐ脱落してしまいます。
ちなみに、スポーツなどで歯が取れてしまったら、
1 取れた歯を探し出して、大急ぎで歯科医へ
2 歯が汚れていなければ、歯肉に差し込む
3 歯が汚れていたり、差し込めない場合は、冷たい牛乳に浸しておく
また、保険診療における点数設定は不合理で、
総入れ歯上下一組で、4万数千円というのは、
非常識な低報酬で、歯科技工士は苦しい思いをしているのに対し、
歯科医師は前歯一本で数十万要求することもできます。
そして、現代の歯科の傾向として
「抜くな、削るな、(神経を)殺すな」であると。
そう考えると、芸能人は歯が命、
また、アメリカ人的な歯を見せるビッグスマイルは、
割と新しい20世紀以降の文化なのかもしれません。
古今東西、入れ歯からいろんな人間模様が見えてきました。
「歯が命 苦笑いの ワシントン」 シチョウアタリ
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