今回押し付けられたゲームはこれ!
 
 
ああ、またこの類の奴か……
 
前提として、僕はそこまでラーメンが好きではない。理由は色々ある。
まず第一に上げられるのが、値段が高いことだ。
 
普通に1200円くらいする。
1200円もあればちょっとしたお店でハンバーグとサラダとスープのランチタイムセットが食べられる。
さまざまな手間暇が掛かっていることは重々承知であるが、それにしても割高に感じてしまう。
 
それと、自分のペースでゆっくり食べられない。
わりと食べるのが遅い方なので、1200円も払った割りには自分のペースでゆっくりと味わうことができないことにもどかしさを感じてしまう。
 
"伸び"というタイムリミットを常に意識しながら、
10秒後には10秒前より確実に伸びている麺を啜らねばならない。
 
それからスープ。
全部飲む時も罪悪感があるし、
残すときにさえも罪悪感がある。
 
「自分の身体を大事にしろ」と教わってきた我々には、あんな塩辛いスープを飲み干すことには到底罪悪感があり、同時に「食べ物を粗末にするな」と教わってきた我々には、スープを残すことにさえ多少の罪悪感を感じる。
 
ラーメンとは、頼んだその瞬間から罪悪感から決して逃れることができない
原罪のような食べ物なのだ。
今後は箸じゃなくて十字架で食うべき。
おお、天にマシマシ我らの父よ。
👼†ラーメン†👼
 
そう、つまり、そんな焦燥感と罪悪観の権化たる食べ物こそがラーメンなのだ。
 
焦燥感と罪悪観の権化……まてよ……?🤔すなわち……
これは……僕だ。
ラーメンとは"僕自身"のことだったのだ。
 
僕はラーメンだ。
しかも、とびきりマズいラーメンである。
時間ばかりが経っていて、麺は伸びきっていてハリもコシもなく、アクばかりが強い、それでいてスープは薄い。そのくせこだわりが強い。
 
人生はラーメンである。
スープは環境、麺は時間、具は経験や努力・・・と、するならば(意味不明)
 
まずスープが悪い。
なぜならダシを取った具材が悪いからだ。
そして麺が伸び切っていてマズい。
適切な食べるタイミングを逃し、今更スープや具材を変えたところで伸びた麺の不可逆性を覆すことはできない。
 
それに加えて具がなんにもない。
具はせめて自分でいくらでも足すことができたはずなのに、スープが悪いせいにして具を豊かにことすらしなかった。
具がないからそこから染み出る旨味もない。
 
僕というラーメンを頼んだ暁には、きっと
「こんな頑固おやじの風体でどうしたらこんなマズいラーメンが作れるんだ?」という疑問の眼差しで店主を盗み見て、美味そうな香りだけは律儀に外に排出する換気扇の音を耳にしつつ、黙々と麺を口に運ぶことしかできない。
 
そう考えると、ああ、ラーメンはまるで僕自身の
"魂の飯"(ソウルフード)と言えるかもしれん…… 
 
そもそも何でこんな話してんだっけ……ああ、ラーメンのあぶらを集めるゲームやったんだった……
 
内容がなさすぎて現実逃避をしていた……
 
僕は今までに、 
焼肉を焼くだけのゲームをした。
山を眺めるだけのゲームもした。
魚が跳ねるだけのゲームもした。
 
これは端的に言ってしまえばそれら以下のゲームだ
 
起動する。
タイトル画面もない。
いきなりラーメンの油を集める。
 
クリックするとラーメンの油が集まっていく。
 
右上の伝票をクリックするとゲームが終わる。
 
 
真空のような虚無。
愉快さも不愉快さもカタルシスもない。
食休み的な文脈すら持たないラーメンの油を集める手遊びに一体なんの行為的な意味を見出せば良いんだ。
 
電気の紐でボクシングをしてる時だって、舗装されたアスファルトの坂道にある円形の部分を踏まないように歩いてる時だって、身体を動かしてる程度の意義はある。
 
クソ。
クソゲーと言われるために作られた"あざとさ"さえ感じる。Steamクソゲーマーに
"クソゲーマーくんってこういうのが好きなんでしょw?"と出されたクソゲーの"あざとさは、
や○ろあ○きのツイートを彷彿とさせる薄ら寒ささえ感じる。
そう見えてしまった人間にはキツさと寒さしか感じられなくなってしまう類のユーモア。
 
もしくは、それは30過ぎの女性の上目遣い語尾伸ばしくらいキツい行き過ぎたあざとさだ。やりすぎだ。需要があると思われているその事自体が腹立たしい。
 
ちなみにこんなおばさんでいいの……?のようなあざとさは大好物である。何の話だよ。
 
このゲームをラーメンで例えるならば(ラーメンではあるが)スープがマズく、具もないゲーム……つまり……
僕のようなゲーム……ということになる……?(比喩の逆転)
 
つまり……神ゲーかも!?
クソゲーだよ。
 
 
でも、ラーメンのあぶらを集める屋さんに行ったらラーメンのあぶら集めが出てきて満足する人には、おすすめかもしれない。
 
しかし、これはプレイした人間だけがすることができる罵倒である。
(こうしてまたお前の100円が消えていく)
 
 
おまけ
 

山を眺めるだけのゲーム

 

魚が跳ねるだけのゲーム

 

ラーメンあぶら集め