梅雨明けとともに本格的な夏がやってまいりますが、ご壮健にお暮らしのことと存じます。

夏は股間が痒くなる今日この頃、みんな大好きSteamサマーセールの季節です。

 

毎年この季節になると、ありがたい事に何故かSteamでゲームをちょいちょいギフトしてもらいがち。

 

もちろん、贈ってくれるのはとても嬉しいけれど、本格的なクソゲーから興味はあるけどなかなか手が伸びないものまで多種多様なゲームが勝手に積まれていく。

 

この時期のDiscordオタクチャットではSteamサマーセールの話題が出ないはずもなく、冗談で積みゲーがなかなか崩せない理由に前から悪評だけは聞いていた「Mountain」の話題を出してしまった。これが最悪の一手だった。

 

 

名前を口に出した途端、新興宗教の勧誘ですらもう少し控えめであろう怒涛の早口でMountainの布教、否、押し付けが始まった。

 

 

 

口に出した時点でどうやら未来は確定していたらしく、数分後には既に僕のSteamという名のゴミ箱に特大のゴミが投げ込まれていた。

 

 

 

 

 

ここからはこのゴミを押し付けられた僕が、どのようにゲームをプレイし、何を感じていたかの流れを時間の流れと共にご覧いただこう。

 

 

 

早速Mountainを起動した。

謎の描画欄が3回ほど出てきたので、Mountainを教えてくれて、送ってくれた(正確にはこいつに送られたわけではないが)むぎ氏に感謝の気持を込め、「むぎしね」「うんこ」「ちんぽ」と書き込む。

 

 

 

 

 

こうしてむぎしねうんこちんぽ山は生まれた。

どうやら僕は山らしい。

 

 

 

聞いてみると、最初に書かされたものはSeed値のようだ。

 

 

暇になったらピアノを引けるらしいが、このゲームで暇じゃないタイミングが見当たらない。

なにしろこのゲームはただ山となった自分があるだけだ。

 

森にある植物を育てられるわけでもなく、動物と触れ合えるわけでもなく、ただ山になった自分が"在る"だけのゲームなのだ。

 

ピアノで音が出ることでかろうじて正気を保てた。

このピアノが無かったらこの時点でアンインストールをしていたと思う。

 

 

 

しばらくプレイ(放置)をしていると、山にゴミが降ってくる。

なぜ降ってくるのかはわからない。

 

 

 

・・・・・・?

正真正銘音の出るゴミだ。

 

 

ヒカキンが音の出るゴミだなんておこがましすぎる。

音の出るゴミの称号はこのゲームに明け渡すべきだ。

 

 

しかし、せっかく金を出してもらったゴミだ。

ゴミなりにきっと何か楽しみ方があるに違いないと模索する事にした。

 

とりあえず唯一まともに遊べる機能のピアノで遊んでみることにする。

 

 

耳コピながら頑張ったが途中で音を間違えてしまった。

悔しい。

 

他に・・・他になにか遊び方はないだろうか・・・

 

 

 

 

む、虚しい・・・むなしすぎる・・・

どう頑張ってもこれ以上の遊び方が見つからない。

 

他に使えそうな遊び方は、Discordで他のゲームを配信しながらプレイしている最中に、僕のプレイに文句を言った瞬間配信画面をMountainに切り替える以外に思い浮かばなかった。

 

 

 

数時間後には、"なんとかして誰かをこの気持ちにさせてやりたい"という怒りのような気持ちが有頂天になり、他の人にこのゲームを送りつけようとしていた。

 

 

ただ、ゲーム自体は重くなく、裏で起動しているだけで良いので、時たまゴミが降ってくるのを確認し、また元の作業に戻る日々が続いた。

 

 

1日後

 

 

 

2日後

 

 

 

3日後

 

 

 

そして3日後の夜、それは起こった。

いや、起こっていた。

 

少し目を離していただけだった。

 

 

 

むぎしねうんこちんぽ山は滅んでいた。

音の出るゴミは音も出ないゴミになってしまった。

 

人は死んだらモノになる。

山は死んだら何になるのだろう?山の彷徨う魂は一体何処へ弔われることがあるのだろうか?そもそも山に魂はあるのだろうか?

 

そんな山の事を考えると少しセンチな気持ちに・・・ならないな・・・ならん。

 

メメント・森

山もいずれ死ぬ。

 

 

こうして山は滅んだ。

無論、心にぽっかり穴が空いたりすることはない。

ただ、謎の愛着が湧いてきていた事は確かなのだ。

 

寂しくはない、悔しくもないが謎の喪失感はたしかにそこにあった。

 

部屋に2日連続で現れた虫が死んでいるのを見つけたり、捨てるタイミングが中々見つからずカバンの底に長いこと持ち歩いてしまったゴミをいよいよ持って捨てる時に謎の感慨を覚えてしまう、そんな人間にはきっと愛着が湧いてしまう。

 

そして僕は二代目むぎしねうんこちんぽ山を生み出した。

僕のデスクトップ上の良き隣人・・・いや隣山として居座る事自体は飽きるまで許してやろうという気持ちになったのだ。

 

 

飽き性でたまごっちをすぐ死なせてしまった良い子のお友達も、Mountainならきっと楽しくプレイすることができる。

 

掃除もいらないしうんちもしない、死んでも心は痛まない。

ほぼたまごっちの上位互換と言えよう。

 

仕事や学校から帰宅し次第、PC前から動かざること山の如しの諸兄らには
きっと存分に山になりきっていただけると思う。

 

 

なんと今なら50円!

特に恨みはないが気に食わない奴、なにか借りがあるが返す物が思い当たらない相手への夏の元気なご挨拶としてもおすすめだ。

 

ぜひ皆もプレイしてみてほしい。