今日の話題は備忘録なのでちょっと読みにくくてすみません。
昨年まで遡るのですが、我がファームの土の様子を色々と考察していました。
というのも、ここ2年間くらい、ファームでの栽培にいくつかの不調が現れてきてます。
例えば昨年はトマトやナスは好調でしたが、ジャガイモや里芋類は不作でした。
サツマイモは初期のころのような好調さが無くなっています。
特にジャガイモはそうか病は見え始めました。
また一昨年からコケ類、特にゼニゴケが目立ってきました。
コケ類は強酸性や強アルカリ性では繁殖が阻害されますが、中性には強いことがわかっています。
圃場は一般には酸性に傾くために、石灰等でアルカリ側に誘導するのですが、ファームは中性に近いの為に有機石灰の使用を半部程度に減らしてみたりもしました。
こうした状況をもう一段掘り下げて考える必要を感じて、半年ほど前に考察したお話を備忘録を兼ねて書き記します。
①ファームは8年目
ファームは2015年の春にスタートし、同年秋から規模を広げ、指南書を見ながら有機栽培にチャレンジしています。
化成肥料一切使わず、堆肥槽にて堆肥を作り、米糠ベースのボカシ肥と鶏糞等の有機肥料を使っています。
当時存命だった義父は農業改良普及所の技術者だった人で、ファームの取り組みには理解してくてたくさんの知識を授けてくれました。
ただし、農薬については考え方に差があって知識的には助けられても、実際ファームでは独自に取捨選択をしてきています。
有機栽培も各論に入ると素人には理解できない複雑な理屈があるようです。
でも、そこまでは足を突っ込むことはできないので、適当なところで線引きしてます。
例えば、厳密にはタネの取得方法まで遡って考えなければなりませんので、素性がわからないホムセンの苗はNGなんですけど、ここは許容しています。
そんな中、有機栽培は土造り、ということは誰もが言ってることです。
ファームでは、日本土壌協会の有機農業の基礎知識 等を参考にしてます。
②有機栽培はpHが上がりやすい
栽培を繰り返すうちに様々な問題が出てきてます。
昨年も書きましたがファームpHが高めです。
デジタルpH計が壊れたと思い、pH試薬でも測ってみましたがやはりpH6.5-7.0くらいありました。
ネットで情報を集めると、下記の【参考情報】のように、有機栽培はpHが上がりやすいとの情報を得ました。
pHが高いと聞くと、真っ先に石灰の施肥量を疑いがちですが、他にも理由があることがことがわかりました。
ファームはどうなってるんでしょうか?
一度、土壌の様子を知らべた方が良いと考えました。
③pHとECで土壌を診断する
営農であれば土壌診断するのがベスト。
JAでも土壌診断をやってます。診断1回だけで複数の福澤さんが必要です。
でも家庭菜園ではそこまでは。。。一度なら良いとしても何度も出せる物ではありません。
調査すると、簡易的な土壌診断法がありました。
pH測定に加え、EC計(電気伝導率計)も導入して簡易診断します。
EC計は水槽をお持ちの方はご存じだと思います。
ただし、土壌診断用は水槽用の物とは違うものです。(仕組みは同じハズ)
ということで、購入したEC計です。
pH計で有名なシンワ測定社製をチョイス
国産 シンワ測定社製 デジタル土壌導電率(EC)計
測定範囲:土壌導電率:0~1,999μS/cm、最小表示(分解能):1μS/cm
土壌を5倍の水で希釈して、上澄みを計測します。
EC計の測定シーンの写真は取り忘れました。
上澄みに射すだけなので。
続いて希釈倍率が2倍の上澄みでpHも測ります。
色のついた水を診断シートにあててpHも見ます。。
(pH試薬は2倍希釈で判定します)
測定結果です。
④簡易診断の結果
簡易診断の結果です。●●●の色は上の表と一致してます。
やはりファームの土は適正範囲からずれてました。
肥料分(窒素/リン/カリ)が少なく、石灰分(カルシウム等)が多めらしい。
つまり、これまでの施肥量のバランスが悪かったことが証明されました。
pHを下げるだけなら、手っ取り早くは石灰を使わないと一作で0.2-1.0pH下がるらしい。
積極的な方法としては鹿沼土の細粒、ピートモス、硫黄粉末など混ぜる。
硫黄粉末と言えばこんなのがあって有機栽培に使えるらしい。
けどこれだけじゃ、十分でないと考えて、22年の春に大々的に土壌改良をしようと考えてました。
その辺の話は次回に。
【参考情報】有機栽培とpHの資料】
有機農業の基礎知識をなどを参考に、ネットで情報を集めたっところ、
下記の論文に行きつきました。
日本土壌肥料学雑誌84 巻 (2013) 1 号
『有機栽培期間の異なる野菜畑土壌の理化学性』 原文はココ
記事では、有機栽培期間が15年~1年の野菜畑の土を調査、
畑は、
・ワタミファーム山武農場(千葉)
・ワタミファーム倉渕農場(群馬県)
・ワタミファーム白浜農場(千葉県)
の合計14圃場
表層を採取して詳細な土壌分析を行ったようです。
データを一部引用しますが、
栽培期間が長くなるほど土壌pHは上昇しています。
概ね5-6年以上継続した土壌でpHが7を超えていきます。
そしてpHと同様に、交換性陽イオン(Ca+、K+、Mg+など)も増えています。
交換性陽イオンが増えるのは、毎年投入される有機肥料の残肥が集積したことによるもの。
この交換性陽イオンにより、土壌pHを上昇させたと結論付けています。
こうした大型栽培場では、安価で手軽に入手できる動物性由来の堆肥(鶏糞、とん糞、牛糞の類)を大量に使用します。
鶏糞や牛糞だけという場合は使用量に注意が必要です。
これに対しファームではもみ殻/藁、落ち葉と言った植物性由来の堆肥をメインに鶏糞を使用しています。また有機石灰をバイブル通りに使用しています。
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